〈赤ペン瀧川×山口ヒロキ対談 後編〉山口「AIはあくまでツールにすぎない」 瀧川「色眼鏡をかけまくった状態で見てもいい。きっと驚く。僕がそうだった」【AI映画の現在と未来】

先ほど世界で50ぐらいAIの映画祭があるという話でしたが、日本には?
山口「まだないです。ようやく今年から始まるようです」
瀧川「始まるか…。戦じゃ、これは(笑)」
山口「去年、『プチョン国際ファンタスティック映画祭』がBucheon Choice: AI Films部門を立ち上げた時点で韓国にはAI映画祭が4つか5つあったんですよ。少なくともその中の3つには日本人は僕しか入選していなかった。そんな状態だったんですが今年の11月に『AI日本国際映画祭』があります」
瀧川「映画祭ができるとAIで映画を作ろうというクリエイターも一気に増えそうですね」
自分で脚本を書くとか、どういうものを作りたいのかという自身のプランをしっかり持つというクリエイターとしての最低限のマナーとかコンセンサスがちゃんと取れていくようになれば、的外れな批判は避けられるのではないかとも思うのですが。
瀧川「海外のAI映画祭ではそういったルールはあるんですか?」
山口「各映画祭でルールがあって。まず権利に関することは絶対に書いてあります。脚本に対する縛りは特にはないんですが、逆にちゃんとAIツールを使っているかという、そっちのほうが厳しいかもしれない。何を使ったかちゃんとエビデンス出しなさいといったルールはあります。どこに使ったのかを証明しなさいという」
AIを突き詰めた映画祭なので視点がそもそも違うということですね。
瀧川「へー、面白い」
改めて、今後のAI映画製作はどうなっていくと思われますか?
山口「今後で言うと、ハイブリッドの使い方でも多分、“AIで作っています”みたいなことをわざわざ言う人はいなくなっていく気がしますね」
瀧川「今の映像を見るとCGとかVFXと何が違うのって、特にやっている作業としては変わらないじゃないですか。だからAIだからといって拒絶反応はもう出なくなると思うんですよね」