RIZINファイター安藤達也が教訓とする母子手帳に書いてあった母からの言葉「自分の足で立って、自分の手で触って、自分で考えて感じられる人になってください」

【格闘家プロファイリング】第2回 言葉

 格闘家は何を考え日々過ごしているのか? 記者会見や試合だけでは分からない格闘家の内面を探るインタビュー企画「格闘家プロファイリング」。今回はRIZINの大晦日大会「RIZIN師走の超強者祭り」(埼玉・さいたまスーパーアリーナ)に出場する安藤達也(フリー)。1回目は「こだわりor好きなもの。これだけは譲れないものや事」を聞いた。2回目は「教訓とする言葉or生きる上でのモットー」について。(全5回/第2回)

総合格闘家の安藤達也

 教訓とする言葉や生きる上でのモットーなどはありますか?
「ちっちゃい頃から結構、母の影響が大きくて。母子手帳を大人になってから見たんですけど。そこに母の言葉で“自分の足で立って、自分の手で触って、自分で考えて感じられる人になってください”って書いてあって、それを見た時に結構感動して。すごいいい言葉だなって思って。四字熟語とかも結構好き。子供の頃からそういうことわざみたいなのが結構好きなんで見てたんですけど。あと“能ある鷹は爪を隠す”とか“武士は食わねど高楊枝”みたいな言葉とかも結構好きで。必死にやったり頑張らなきゃいけない時とかあるじゃないですか? それはそれで表現しなきゃいけない瞬間はあるんですけど、それに耐えて“やってる”みたいなものを見せないのに見えた瞬間みたいな。高校の先生には“見られていないときこそ、よく見られているぞ”とかよく言われていた。見られている時だけカッコつけても、それはカッコよくねえぞ、みたいな感じ。見られていない時でもいつでも自分でいるっていうか。“誰かが見ているからこうしよう”とかじゃなくてっていうことも言われてたし。あともう1個が“ピンチの後にチャンスはある。チャンスの後にピンチは絶対来る”っていう言葉も。高校の時にレスリングをやっていて、レスリングってポイントで絶対勝っていても、一発背中をつけられたら一発で負けなんですよ。だから、負けそうになった瞬間にブリッジして返したら、一発勝てる瞬間にもなるし、逆もあるんですよ。なんで、勝負とかで“ここは行き過ぎないでしのいで、ここで一気に行く”みたいなところはそういう言葉とかを意識してそうなっているかもしれないですね」

 その母の言葉を知ったのはいつごろ?
「自分が高校生くらいの時に家を掃除していた時に出てきて。最後のページぐらいのところにそれが書いてあって、それを見て結構食らいましたね(笑)」

 安藤は小学3年から6年まで琉球少林流空手道を習い、中学3年間はバスケットボールを経験。その頃から山本“KID”徳郁や宇野薫らの活躍を見て総合格闘技に憧れ、高校・大学ではレスリングに没頭。関東一高レスリング部では3年時に国体優勝。国士舘大ではインカレ2位の成績を残している。

 MMAでのプロデビューは2014年。モンスター・ルーキーと呼ばれ3連勝後に「ROAD TO UFC JAPAN」に出場もUFC入りはならず。その後、修斗で2022年に岡田遼を破り、修斗世界バンタム級王座を獲得した。RIZINには今年6月に初参戦。これまでマゲラム・ガサンザデ、ヤン・ジヨンを相手に2戦続けてリアネイキッドチョークで一本勝ちを収め、大晦日大会では前戦でRIZINバンタム級王者の井上直樹に挑戦した福田龍彌(MIBURO)と対戦する。
(第3回に続く)