「アイドル西畑大吾を感じられたら終わり」麻薬汚染の闇を描く『マトリと狂犬』で連続ドラマ単独初主演【インタビュー】

『マトリと狂犬』MBS「ドラマイズム枠」にて放送中   ©田島隆・マサシ(秋田書店)/「マトリと狂犬」製作委員会・MBS

アイドル・西畑大吾にとっての“禁断の世界”は「女性アイドルグループ」!?

ー出演を決めた理由の1つが品川監督の存在ということでしたが、初仕事の印象は?

「品川監督とは、監督が撮影前に開いてくださった食事会でお会いしたのが最初だったんですけど、僕はけっこうテレビっ子だったので、品川さんというと、テレビでの少し怖くてトガったイメージがあって(笑)。監督としても相当トガっている方なのかなと思ったんですけど、お会いしてみたらとても優しくて、いい意味でやんちゃっぽさもある方で。この方となら、ハードなテーマにも一緒に挑んでみたいと思いました。食事会の後はカラオケにも行って、プロデューサーさんと一緒に品川さんと肩を組んで歌ってましたね(笑)」

ー梅沢を翻弄する2人の捜査官、麻薬取締官(通称・マトリ)の黒崎徹役を演じた細田善彦さん、警視庁薬物銃器対策課・警部補の葛城彰斗役の向井理さんとの共演はいかがでしたか。

「細田善彦さんは、本当に優しいお兄ちゃんのような存在でした。共演シーンが一番多くて、密に会話をする機会も多かったので、たくさんお話しさせていただきましたし、現場にいてくださると安心できる存在でした。芝居に対する考え方や演じる流儀についてアドバイスをいただくこともありましたし、どちらかがセリフの練習を始めると、もう一方が自然と入っていって、2人の会話として練習していく、ということをお互いによくやっていました。細田さんが演じる黒崎は基本的に感情を大きく表に出すことは少ないんですけど、その奥に秘めた狂気みたいなものがある。過去に薬物との強い因縁があって、薬物が関わってくると一気に感情を表に出すんです。その緩急のお芝居が本当に素晴らしくて見ていてゾクゾクしました。

 向井さんと撮影でご一緒したのが数日しかなかったのですが、僕がいびられる芝居が多くて。いびる芝居の後によく“本当にごめんね”と言われていました(笑)。演じている最中は、広島弁も相まって、とにかく怖かったです。葛城という役はプライドが高くて権力や権威に飢えていて、狂気的な人物。それを“葛城って本当に狂ってる”と思わせてくれる演技に圧倒されました。感情が高ぶった時に出てくる広島弁も本当に怖くて。関西弁も怖いと言われますけど、絶対に広島弁のほうが怖いと思いましたね(笑)。

 黒崎と葛城はどちらも“狂犬”と呼ばれる存在で、狂気を抱えている点は共通していますが、2人の狂気の表現はまったく別物でした。それを間近で見ることができて、お2人の凄さを改めて実感しました。あの怖さがドラマにどう反映されているのか、放送がとても楽しみです」

ーアクションシーンも多いですが、撮影はいかがでしたか。

「アクションといってもほとんど“やられる側”で(笑)知らない間にあざができてるんです。毎回、お風呂に入るたびに“これ、どこでできたん?”みたいなあざが増えてるんですよ。アクション初挑戦だったので、受け身も難しくて。でも、顔のあざはさすがにダメだけど体なら隠せるし、ええか、みたいな気持ちもあって(笑)。殴られる場面で、踏みとどまれるところでも、そのまま壁にぶつかったり。“そっちのほうが迫力あるやろ”と思いながらやってました」

ー今回、役作りで金髪にしたことも話題となりました。

「品川監督から提案いただいて金髪にしたんですけど、まずファンの皆さんが喜んでくださったのはうれしかったです。メンバーもすごくほめてくれて本当にうれしかったですね。自分でも、このタイミングで金髪にできたのは、すごく良かったなと思います。役でない限り、絶対に染めへんやろうなと思ってたので。…でも、やっぱり目立つんですよね、私生活で(笑)。染めたばかりのときは全然気づかれなくなって、金髪めっちゃいいやん!と思っていたんですけど、だんだん浸透してきてからは、めちゃくちゃ気づかれる回数が増えて。気づいてもらえてうれしいんですけど、僕はプライベートでは“潜む”のが第一条件なので、やっぱり金髪は目立ちすぎるな、と(笑)」

ー本作では“禁断の世界”に挑んだ西畑さんですが、ご自身にとって気になる“禁断の世界”があったら教えてください。

「アイドル・西畑大吾としてだと…女性アイドルグループ体験とか(笑)。僕らは男性グループですし、他の男性グループでも未知な部分は多いのにそれが異性のグループとなるとどうなのか、本当に想像がつかない世界なんですよ。どういうスケジューリングで動いているのかとか、めちゃくちゃ気になります。特に人数が多いグループだと、メイクの順番とかどうしてるんやろって。僕ら7人でも“今日は2番や!”、“うわ、今日1番かよ”ってなったりするんですよ。それが10人以上とかいたらどうなるんやろって。メイク順、めちゃくちゃ気になる(笑)」

ーハードな題材、役どころで新境地に挑んだ西畑さん。この作品をきっかけに“こんなハードな役もする俳優”と思われたら、さらに振り切った役のオファーが来てしまうのでは…?

「全然“バッチこいのすけ”ですね。それこそ『マトリと狂犬』の今後の展開にも期待してます。品川監督も、頭の中ではさらに構想があるみたいなので。今回のドラマをどれだけ見ていただけるかにもよりますけど、大きな社会問題を扱っている作品だからこそ、もっと広がっていく可能性があるんじゃないかなと思っています。こういう社会問題があるんだ、こうなってはいけないよという注意喚起にもなっている作品なので、反面教師にしつつ、見ごたえのあるドラマとして多くの方に楽しんでいただけたらうれしいです」

『マトリと狂犬』はMBS「ドラマイズム枠」にて放送中。
(TOKYO HEADLINE・秋吉布由子)