川村元気、翻訳絵本『きみをわすれない』は「家に置いてあるだけで “ちょっとうれしい気持ち” に」
春は出会いと別れが交錯する季節。環境の変化に気持ちが落ち着かない時、そっと寄り添ってくれる存在が本だ。映画プロデューサー、映画監督、小説家……さまざまなジャンルを横断しながら活動する川村元気さんが初めて翻訳を手がけた、全世界で累計発行部数1000万部を超えるベストセラー絵本『ぼく モグラ キツネ 馬』の続編『きみをわすれない ぼく モグラ キツネ 馬 そして嵐』(飛鳥新社)。なぜ今、絵本を翻訳しようと考えたのか。作品に込めた思いを聞いた。
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前作から6年ぶりに刊行された続編『きみをわすれない』。オファーを受けた時の心境は?
「『ぼく モグラ キツネ 馬』は思い入れがある作品でした。日本国内でも25万部を超えるベストセラーになり、その続編の『きみをわすれない』を翻訳できることは純粋にうれしかった。一方で前作はかなり完成度の高い本で、翻訳していてもすごく手応えを感じていたので、どうしたらそれを超えられるか、というのが課題でもありました。
原作者のチャーリー・マッケジーさんは、映画監督で脚本家のリチャード・カーティス(『ラブ・アクチュアリー』(2003)、『アバウト・タイム 愛おしい時間について』(2013)など)とコラボレーションした経験があって。チャーリーさんはその後『ぼく モグラ キツネ 馬』を自ら映画化し、第95回アカデミー賞で短編アニメーション賞を受賞しています。
映画を作り、イラストや絵本、文章も手がけ……キャリアが僕と似ていることもあって、この本なら自分が役に立てるかもしれないという思いがありました。続編が出ることも聞いていて、昨年ロンドンのヒースロー空港に立ち寄ったら、空港の本屋さんの一番目立つ場所で大量に平積みされていたので “すごい人気作なんだな” と肌で感じました。ちなみに、片隅にはイギリス版の『If Cats Disappeared From The World(世界から猫が消えたなら)』が置かれていて “まだ『世界から猫が消えたなら』が売れているんだな” とちょっとうれしかったです(笑)」

