睡眠不足が生産性を奪う!働きがいある職場のカギは「良質な眠り」にあり
2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す目標を掲げたSDGs。一方の我が国では、働く人々の睡眠不足が深刻化し、企業の生産性低下や離職率増加といった課題が浮き彫りになっている。
SDGs17の目標達成のヒントとなる話題を各界の著名人やビジネスパーソンが語り合う「シリーズ:未来トーク」。今回は、目標8「働きがいも経済成長も」に関わる睡眠の重要性について、グランプロ睡眠美容クリニック(中央区銀座)理事長・院長で産業医の廣瀬能華氏に話を聞いた。
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今年5月、睡眠薬を使わずに睡眠や美容をサポートすることに特化したクリニックとして、銀座に新たに開院したグランプロ睡眠美容クリニックの廣瀬能華氏は、産業医としても多くの企業で働く人々の健康管理に携わっている。
「昨日も産業医面談を5件実施しましたが、そのうち4件は心療内科受診を勧めるような状況でした。その背景には必ずといっていいほど睡眠の問題があります」
廣瀬氏によると、睡眠不足は単なる疲労にとどまらず、働く人々と企業全体に深刻な影響を与えているという。
「睡眠が不足すると、集中力や判断力が鈍り、認知機能が低下します。それだけでなく、意欲やモチベーションも下がり、ミスが増えてします。そうした部下に上司が当たってしまい、パワハラと言われるケースも増えています。一方で、その上司自身も睡眠不足で苦しんでいる。お互いに睡眠が足りていないことで負の連鎖が生まれているのです」
こうした睡眠不足による影響は、個人レベルにとどまらず企業の業務効率低下につながり、最終的には経済成長の阻害要因となっているのが現状だ。
「働く人一人ひとりの効率が会社全体の効率に影響し、それが社会全体の経済発展に関わってきます。睡眠は決して個人的な問題ではありません」