西洋絵画の巨匠フィンセント・ファン・ゴッホと日本とのつながりに注目し、2部構成でその相互関係を探る展覧会。ファン・ゴッホ美術館との本格的国際共同プロジェクトとして開催されるのは日本で初めてのこと。
黒船来航の1853年に生まれたファン・ゴッホ。開国した日本からは大量の美術品が外国に出ていくことになるが、鎖国中も日本と交易のあったオランダで生まれ育った彼にとって、日本美術はまったく縁遠いものではなかったとみられるが、ファン・ゴッホが日本や日本美術に強い関心を持つようになったのは1886年にパリに出てきてからのこと。
本展は「第1部 ファン・ゴッホのジャポニスム」「第2部 日本人のファン・ゴッホ巡礼」の二部で構成。第1部では、国内外のコレクションから厳選したファン・ゴッホ作品約40点と、同時代の画家の作品や浮世絵など約50点で、彼が日本からどんな影響を受けどんなイメージを抱いていたのかを多角的に検証。第2部では最初期における日本人のファン・ゴッホ巡礼を、ガシェ家の芳名録に基づいた約80点の豊富な資料によってたどる。当時からファン・ゴッホに魅了されていた日本人の姿に思いをはせることができる。

