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DDTの軌跡と奇跡を支える高木三四郎の頭脳『年商500万円の弱小プロレス団体が上場企業のグループ入りするまで』

2019.12.28 Vol.725

 エンターテインメント色を強く打ち出した独自の興行で知られるプロレス団体・DDTプロレスリング。団体の代表取締役兼プロレスラーである大社長こと高木三四郎が11年ぶりに刊行したのが本書だ。

 11年の間にDDTは両国国技館に進出し、『路上プロレス in 東京ドーム』を行い、大田区総合体育館での全席無料興行を成功させ、ついにサイバーエージェントの100%子会社化を果たしてしまった。本書では一問一答形式で、高木がこれまでの道のりとその時々の考え方を述べている。

 驚くのは高木の発想力と柔軟性、そして企業努力。当時メディアに取り上げられなかったことを逆手に、インターネットやSNSを使って自ら発信を強化するなど、気がつけば人の何倍も先をいっている。〈業界の人から「どうかしてる」と思われても仕方ない〉という状況から現在までを支える高木の頭脳の一端が垣間見られるのではないか。

 今回も11年前と同様、書店を舞台にイベント興行「本屋プロレス」を打った。雨の路上で繰り広げる試合の“絵力”は凄まじく、そこには問答無用で惹きつけられる何かがあった。プロレスラーの自伝としても素晴らしいが、高木ならではのユニークな視点はぜひビジネスマンや学生の人に読んでほしい。

11年ぶりに復活!伝説のDDT「本屋プロレス」とは何か?

2019.11.25 Vol.Web Original

 新宿区・中井の伊野尾書店にて23日、DDTプロレスリングの大社長こと高木三四郎が「本屋プロレス again」を行った。11年ぶりの著書『年商500万円の弱小プロレス団体が上場企業のグループ入りするまで』(徳間書店)の発売を記念したイベント。同イベントは2008年に高木が『俺たち文化系プロレス DDT』を刊行した際にも開催され、当時DDT所属だった飯伏幸太(現・新日本プロレス)とのアスファルト上の死闘は伝説として語り継がれてきた。試合開始前に伊野尾書店の伊野尾宏之店長が「2008年の『本屋プロレス』にきた方ってどれくらいいます?」と聞くと、1/3程度の人はリピーター客であることが判明。

 伊野尾店長は「前回の『本屋プロレス』の1年後に両国(国技館)に出るぞっていった時に『絶対潰れるわ』って思ったんですよ(笑)。その時に『うちで本屋プロレスをやってくれたDDTが、一世一代の勝負をやるんでみんなで両国に行こうよ』って声をかけたら、50人くらいの人が集まってくれた。それで観たのがHARASHIMA 対 飯伏幸太戦で、みんな感動しました。そこで『DDTいいね』ってみんなが行くようになって、いまでも30人くらいの方が両国に一緒に行ってくれるようになり、11年経ってなんとか伊野尾書店も続くことができ、その間にDDTはさいたまスーパーアリーナでやるような団体になってしまいました。ここまでくることができて個人的には感慨深いです」と挨拶。

1/14(土)限定!『俺たち文化系プロレスDDT』ウルティラ上映!大スクリーンのクリアな映像と立体音響で“あの試合”を体感せよ

2017.01.10 Vol.682

 2016年11月に公開し、ロングラン中の映画『俺たち文化系プロレスDDT』(マッスル坂井&松江哲明共同監督)。マッスル坂井監督が公開を目前に病に倒れたことなども含め、作品自身が数々のイベントを経てさらなる文化系ドラマを刻み続けているなか、現在公開中の映画館「イオンシネマ幕張新都心」で、今月14日(土)に迫力のイベント上映を行う。同館が誇る「ウルティラ」スクリーンによるもので、特別仕様の大スクリーン、高品質な映像、クリアなサウンドなど、最高の環境で鑑賞できるというものだ。

 本編ドラマの主軸となる因縁の勝負をはじめとした試合映像の数々を臨場感あふれる上映で極上体験できるというのはもちろんのこと。ただしこの映画の場合そんな有り体の、たんなる“迫力あるイベント映像”では済まされない。DDTが経営する「エビスコ酒場」スタッフでもある大家健(ガンバレ☆プロレス代表)が調理場で肉を仕込む姿から、舞台裏や飲食店でスマートフォンに食い入るようにエゴサーチを繰り広げるDDTプロレスリングの面々などといった、本編が提示する“いま・ここ”にいるリアルなプロレスラーの姿、そこから浮き上がる物語へと圧倒的に寄り添って体感することになるのだ。

HARASHIMA&男色ディーノ プロレスを通じた青春ドキュメント映画「俺たち文科系プロレスDDT」

2016.11.14 Vol.678

今年の「東京国際映画祭」のレッドカーペットでひときわ異彩を放っていたのが『俺たち文化系プロレスDDT』の一団。そのレッドカーペットの直前に出演者である男色ディーノとHARASHIMAに話を聞いた。

負けてもなおエロスをまき散らすカズ選手。旅立つ児玉選手へ思いを馳せるの巻〈不定期プロレス女子企画〉

2015.05.07 Vol.641

 5月5日。『WRESTLE-1 TOUR 2015 TRIUMPH』にやってきました。開演前に会場に着くと、なんと完売御礼ではありませんかッ! 感無量。また、「こどもの日」イベントで、ちびっこ達がリングにあがってご満悦だったりリングアナを体験していたりと、たいへん微笑ましい光景を拝見することができました。
 衝撃的な話が多かった本日。まず、クルーザー級のトーナメントで惜しくも初戦敗退したものの、カズ選手を相手に超・熱戦を繰り広げて感動を誘った児玉裕輔選手が、この大会をもって無期限海外武者修行へ。[チーム中玉]ワクワク見てたのに、これからだと思ってたのに(泣)。無期限って永遠のようでもあり一瞬にも聞こえる言葉ですが、「漢」になって帰ってくる日を楽しみに、応援し続けます!
 さて、そんな児玉選手(&中之上靖文&KAI)の眼前に立ちはだかるのは、何と、TAJIRI&グレート・ムタ&ザ・グレート・カブキという“毒霧三重奏”! 子どもの日だからって我が子ムタのためにパパが登場するなんてSUGEEEE! 孫くらいに見える児玉クンはブーイングを浴びながらも果敢にカブキに攻め込んでおりましたが、ダイブした瞬間に3者からのトリプルミストを喰らい、そのままカブキの餌食となり撃沈。
 ……旅立つ若者への花向けとして素敵すぎです。
 そして!注目しておりましたクルーザーディビジョン初代王者決定戦。準決勝で田中稔選手がパンテーラ選手を、カズ・ハヤシ選手が大和選手を退け、大人な決勝となりました。稔選手の首を攻撃しまくるカズ選手、逆に足を狙う稔選手と、双方が容赦のない、一進一退の闘いに、客席のボルテージも最高潮。振り返ればトーナメントでのカズ選手の試合はどれも本当に釘づけでした。1、2戦目とも辛勝だったというか、先日の児玉選手や、本日の大和選手が、折れることなく全力ぶつけてくる雄姿と、それを凌ぐカズ選手に魅せられまくったわけですが、その上で決勝に至ってのこのせめぎあいたるや……。これでキマるかと最初に思ったのはいつだったか、と、気が遠くなるほど繰り返される、カウント2返してからの展開、熱気と緊張が混ざって超エキサイトでした!
 この激闘を制したのが稔選手のカッキーカッターと言うのがまたドラマティック。稔選手はこれをもって四冠王という恐るべき四十路(に見えないところも、すごい)。入場時のペットボトルの中身は実は養命酒かな。
 今回敗れてしまいましたが、カズ選手がこのベルトを獲るところもぜひ観たいのです! あらたな熱戦に、超期待しています。ただ数時間に2試合観た感想は、カズ選手の脊柱起立筋あたりから立ちのぼるフェロモンに酔ってしまうということです。くらくらします。あの色気は経験で身につくものなのでしょうか。W-1では毎回若い選手たちにキュンキュンしていますが、その一方でこういう日は、オンナに戻れた気がします。

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