【インタビュー】“スナックの達人”玉袋筋太郎「スナックは人生のレベルアップができる場所」」

 スナックに育てられ、スナックを愛し、スナックに人生を重ねる玉袋筋太郎。そんなスナックの達人は、スナック文化の灯を守るため自らスナックをオープン。さらに、スナックのママやマスターを応援したいと「全日本スナック連盟」(全スナ連)の会長として精力的に活動中だ。そんな玉袋が赤坂でスナック愛を語る。
撮影・蔦野裕
きっかけはスナックへの恩返し

 実家が新宿でスナックだったんですよ。もともと雀荘だったんですけど、傾いちゃって、俺が中学2年の時に両親がスナックを始めたんです。でも多感な頃だから水商売が不潔なものに思えて、親父と溝ができちゃって。今考えれば、家族を養うために頑張っていたことも分かるし、水商売も立派な仕事だって理解できるけど、当時は分からなかった。結局気づいたのって、親父が死んでから数年後でした。たまたま知り合いに連れて行ってもらった新宿二丁目のスナックの男性のママが親父の店を覚えていて、“すごく楽しい店だった”って言ってくれたのね。その時に俺、なんて馬鹿だったんだろう、なんでもっと感謝できなかったんだろうって大泣きして。それから、自分を育ててくれたスナックに恩返ししたいと思って「全スナ連」を立ち上げたんです。


その扉は粋な男へのどこでもドア

 今全国にスナックは7万軒ぐらいあって、セブンイレブンより多いのに、行ったことがないっていう若い人が意外と多くて、もったいないと思う。世界が広がって経験値が上がるのに、行かない手はない。粋な男になるどこでもドアが7万軒もあるのに、なんで開けないの?って(笑)。スナックって、チェーン店と違ってマニュアルがない分、実体験でいろいろな事を学べるから、人間が洗練されていくんですよ。スナックのママって、ものすごい人生経験を積んでいるから、めちゃくちゃ懐が深いのよ。どんなに嫌なことがあっても、常に笑顔で迎えてくれるから。自分が店を持って、それがどれだけすごいことか実感できて、改めてリスペクトを感じたね。“今日あった嫌な事、ここに全部おろして帰りなさい”って。普通はなかなか言えないよ。


古き良き日本の心を学べる場所

 日本の素晴らしい文化や日本人の誇るべき性質が残っているのがスナックだと思う。今なんて、混雑時に4人掛けのテーブルに1人で座って平気な顔してご飯食べてるやつとかいるじゃない。昔は“こっち空いてるよ”とか、譲り合いがあった。そういうのをスナックでは学べるんです。煙草だって、社会が禁煙ブームになったら、それが正義みたいに善と悪かで分けちゃってるし。グレーな部分って絶対に必要。もしうちの店に来たお客さんが“なんで禁煙じゃないんだ。副流煙なんか吸いたくない!”って言ったら、どうぞお帰り下さいだよ。まあ、スナックにはそんな人来ないと思うけど(笑)。でも、世の中の流れだからって、なんでもかんでも白黒分けるのって、俺は野暮だと思うんだ。だからもし禁煙にしろって言われたら、スナックは喫煙場所ですって言って、煙草を吸いたい人をウエルカムで迎えるよ(笑)。


人生を豊かにする半身浴

 若い人には、ひと風呂浴びに行くつもりでスナックに行ってほしいよね。スナックはぬるめの半身浴って言ってるんだけど、裸になったら男も女も、老いも若きも関係ない。リラックスして普通に溶け込めば、ママや常連さんがいじってくれるから徐々に自分のキャラを出していけばいいんだよ。そうしたらお互いスイングしだすから。おじさんが歌う歌が分からなくても、ちょっと聞いてりゃ耳に入ってくるし。リアルスピードラーニングだよ(笑)。それで他の店に行った時にその歌をさりげなく歌ったりすると、常連のおやじから“若いのにやるな”って言われてコミュニケーションが広がっていく。そうやって徳を積んでいったら、人としてレベルアップできるし、人生が豊かになると思うよ。


ママたちのセーフティーネットに

 全スナ連の会長としては、そんな若者の背中を押したいし、同時にママやアルバイトレディーがずっと働ける環境も作りたい。離婚してシングルマザーとして頑張っている人のセーフティーネットっていうかさ。よくママに“長く続けられる秘訣は何?”って聞くんだけど、ほとんどが“お客さんに育てられて、ここまでこられた”って言うんだよ。感謝の気持ちを忘れないママたちの心意気に応えたいっていつも思ってるんですよ。

スナック玉ちゃん 赤坂本店
【住所】港区赤坂4-2-3 ディアシティ赤坂B1F 102号
【電話番号】03-6277-6688
【営業時間】20時〜ラスト
【定休日】土・日・祝
【セット料金】男性7000円、女性4000円(税込) ※時間無制限で飲み放題&カラオケ歌い放題

〈イベント情報〉
浅草キッド・玉袋筋太郎の「スナック玉ちゃん」

12月23日(土)19時開演/渋谷・東京カルチャーカルチャー
今回は年末恒例のスナック紅白歌合戦!チケットはeプラスで絶賛発売中

玉ちゃんオススメ 癒しのパワースポットスナックで今宵もカンパーイ!

悩める女性の駆け込み寺
カラオケBAR KENKEN(歌舞伎町)


「さんりく・大船渡ふるさと大使」でもあるマスターの松原健さん。先月、開店16周年を迎えた店には、色っぽい着物の女性が…。「Facebookで、KEN②大人の部活動っていうコミュニティを作っていて、その中の着物部のメンバーさん。今はお客さんを待っているだけの時代じゃないし、便利なツールがあるんだから活用しなきゃ」とSNSをフル活用。手作りの絶品お通しも「自分が他の店で食べておいしいと思ったものをお客さんに紹介したい。そういう発信ができるのもスナックの醍醐味だよね」と言う。素朴な東北弁を操りつつ、イケメンな松原さん、実は歌舞伎町伝説の№1ホストという過去を持つ。「それは江戸時代の話(笑)。でもオープンした当初はお客さんが女性だらけ。その噂を聞きつけた男性が来るようになって、今じゃオヤジばかりだよ」と笑う。「カウンターのある駆け込み寺って言ってくれる人がいるけど、僕は、カウンターの中は半径3mの舞台だと思っている。カウンターだけにしたのも、全部のお客さん(=観客)を見渡したいから。いつまでもひとりひとりと人間くさく付き合っていきたいね」

カラオケBAR KENKEN
【住所】新宿区歌舞伎町2-13-6 メトロプラザ1ビル 2F・E
【電話番号】03-3205-0822
【営業時間】月〜金:20〜翌5時、土:19〜翌1時
【定休日】日・祝
【セット料金】5000円、オリジナル名入りボトル5000円〜


美人母娘3人が心づくしのおもてなし
スナック カプリコーン(中野)


 中野で35年、母親の由美子さん、長女の歩美さん、次女の由夏さんの3人のママが切り盛りする「カプリコーン」。店内に入ると、そのボトルの多さに驚かされる。「うちは常連さんが地方に転勤になったり、引っ越しをしたりしても通ってくれるので、2~3年置いているボトルもあって、たまっちゃうんです」と歩美ママ。その心遣いこそ、この店が長く愛される秘訣だ。「お通しは、母と叔母が毎日手作りしています。2品は出すようにしていますが、おふくろの味が若い人にも人気で、お替りする人も(笑)。お腹がすいた人にはおにぎりを出すこともあります」。常連さんが多い店は、なかなか若い人が定着しないが、ここはちゃんとバトンがつながっているよう。「私や妹を姉さんと慕ってくれる20代、30代、妹みたいにかわいがってくださる40代後半から50代のお客様とバランスはとれていると思います。しかも、みなさんいい人で、煙草の嫌いなお客様の方へ煙が行かないように、席を変わってくれるなど、マナーのいい人が多い。めちゃくちゃアットホームで常連同士、すぐに仲良くなっちゃう。自慢のお客様です(笑)」

スナック カプリコーン
【住所】中野区中野5-57-10
【電話番号】03-3387-9750
【営業時間】19〜翌1時
【定休日】日・祝
【セット料金】3000円 ※時間無制限、ボトル4500円〜、カラオケ200円(1曲)

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