ちゃんぽん、ステーキ、謎のチョコ。何でも出てくるスナック「サンライズ」に行ってみた(学芸大学編)

“スナック”。この郷愁を誘う響きに、甘酸っぱい気持ちになる人も多いのでは? そこは疲れた人々を癒し、時に励ましてくれる場所。最近では夜の街から姿を消しつつあるというスナックだが、一度その魅力にハマったら、通わずにはいられなくなるはず。そんな街角の小さなスナックと、ママの人生をご紹介! いきつけのスナックをひとつ持つだけで、人生が豊かなものに。寂しがりやのあなたと、素敵なスナックとの出会いを応援します

喫茶店?バー?それとも…?

 7月某日、学芸大学駅から徒歩約15分、祐天寺駅、武蔵小山駅からは約20分の清水稲荷通り商店街。そこに目指す「スナック サンライズ」があります。外観は喫茶店のような、レストランのような、バーのような…。しかし、中をのぞくとカウンター席とソファー席がスナックの雰囲気を醸し出しています。

 店に入ると、カウンターの中に女の子が2人。「いらっしゃいませ!」と元気よく迎えてくれました。美人のゆかりちゃんと、かわいい系の台湾人・アンバーちゃん。そして、その後ろに控えていたのが、サンライズの静子ママ。笑顔がチャーミングで若々しく歯切れのいいトークから、もっと若いと思っていたら、なんと70歳オーバーだとか。いくつオーバーなのか、聞くのは野暮というもの。ここは、そのぐらいで流しておきます。ちなみに、この地で39年間お店をやっていて、「30周年までは周年イベントをやっていたんだけど、それ以降はやめちゃった」とのこと。ぜひとも40周年は盛大にやってほしいです。

な、なんかのチョコ?

 スナックというと、料金が分かりづらいという話を聞きますが、サンライズにはしっかり料金表が貼ってあり安心です。

例えば、ドリンクメニュー。

生ビール(中)600円
生ビール(省)500円
レッド愛600円
レモンサワー、カルピスサワー、ウーロンハイ、緑茶ハイ各500円
焼酎お湯割り(ウメ入り)500円
ハイボール500円
ウイスキー水割り500円
うめ酒ロック600円
日本酒600円
ソフトドリンク300円

「これって破格じゃね?」と思わずびっくりしてしまいました。さらに、おつまみは冷ややっこ、もずく酢、エイヒレ、チーズサラミ、明太おろし、乾きもの、干しホタルイカ、なんかのチョコが、オール300円です。

ママ手作りの料理にほっこり

 なんかのチョコっていうのが、なにかは気になりましたが、初回にすべて明かすより、次回の楽しみにとっておこうと思い、あえてこの日は聞きませんでした。さらにうれしいのが、食事のメニューもあること。長崎直送の本格ちゃんぽんと皿うどんは、一人では食べきれないほどのボリュームで1000円です。そのほか、材料があれば、リクエストに応じ、ステーキなんかも食べられます。

 それらは全部静子ママの手作り。シングルマザーで4人の子どもを育て上げた料理スキルは伊達ではありません。素朴であったかい味に故郷のお母さんを思い出して、涙する人もいるかも知れません。おふくろの味でありながら、料金以上のクオリティーはお腹も心を満足させてくれます。ちなみに、チャージは1600円。座ってン万円と言われる銀座のクラブと比べると、なんてリーズナブル! それもスナックのいいところです。

70歳オーバーのママの豪快なツイストがさく裂

 この日のお客さんは常連のシマちゃんと、若くてイケメンのヒロ君。そして初めて来たというヒデさんです。のども潤ったところでほどなくカラオケタイム。ちなみにカラオケは1曲200円で楽しめます。なんとこのサンライズ、ちょっとしたステージがあり、ミラーボールもあるんです! 
 
 カラオケボックス以外では、なかなか歌う事のない記者も、ミラーボールにはテンションが上がり、思わずマイクを握ってしまいました。そして静子ママがマイクを握ると、ものすごい美声で、超歌がうまい。さらに、演歌にツイストのような軽快なステップで、ノリノリです。なんだか楽しくなってきました。ママはこの美声を武器にテレビ出演も果たしたことがあるとか。詳細は次回ご報告します。

袖振り合うも他生の縁

 スナックのいいところは、こうやって知らないお客さんとも一緒に楽しく盛り上がれるところ。人間関係に疲れた時も、自分のことを知らないただの酔っぱらいとして、楽しい時間をともに過ごしてくれる人がいるのは、意外とうれしいものです。そんなこんなで、狂乱の時は過ぎていくのでありました。

(後編へつづく)

スナック「サンライズ」
住所:東京都目黒区目黒本町1-13-1
電話番号:03-3710-1475
ランチ:11~14時30分  19~翌1時
定休日:日・祝
価格帯:3000円~