髙田延彦が“ご意見番”初仕事「RIZIN.15」を語る【髙田横粂の世相談義】

 先日行われたRIZINの会見で、長く務めてきた「統括本部長」の肩書きを外すことが発表された髙田延彦氏が2月4日、弁護士の横粂勝仁氏と21時から配信した「髙田横粂の世相談義」(FRESH LIVE)でこの件について改めてコメントした。今後は「ご意見番」といった立場でRIZINに物申していくことになるのだが、早速「RIZIN.15」(4月21日、神奈川・横浜アリーナ)のカードについて語った。

髙田延彦氏(左)と横粂勝仁氏

「愛のある叱咤激励をファン目線に立って自由に言わせてもらう」
 髙田氏は番組の冒頭、「ずっとPRIDE時代から統括本部長を務めてきた。これは猪木さんに役をつけてもらったもの。いろいろ試行錯誤しながら、自分のやれることをRIZIN愛を持って表に出たり裏に回ったりしながら取り組んできたけれど、いろいろ考え、榊原代表との話の中で“そろそろ返上させてもらえませんか”ということになった。これはRIZINを離れるということではなく、やることは変わらない。しっかり、強いRIZIN愛を持って、一番の応援団長として、世界に発信できるイベントになるようにお手伝いしていくことに変わりはない。肩書きなんてなくても構わないが、ピタっとくるものがあって、ファンからも組織からも“いいんじゃない?”というものがあればその肩書を付けて、今後も頑張っていきたい」などと今回の経緯について語った。

 今後については「RIZIN愛を強く持つ者として、カードが発表されたときに違和感があれば、愛のある叱咤激励をファン目線に立って自由に言わせてもらえれば。自分がRIZINを語ることで改革や成長を促すことができるので、イエスばかりではなく違うと思うところは違うと言わせてもらいたいと思う」と会見で榊原信行実行委員長が言った「ご意見番」といった立場で物申していく存在となってRIZINの繁栄を支えていくことになるようだ。

「RIZIN.15」について語る髙田氏

発表の4カードについてこれまでとは一味違った見方で解説
 そして「ご意見番」としての初仕事として、「RIZIN.15」の第一弾カードについて解説した。

 キング・モーとイリー・プロハースカによるライト・ヘビー級タイトルマッチについては「経験のモーと勢いのプロハースカの戦い。プロハースカはRIZINが始まった2015年の12月31日のトーナメントの決勝でモーにKOされたが、その後は7連勝。モーは2勝4敗で負け越している。プロハースカはUFCからオファーが来ている。十分UFCで戦える実力者となった。ここで花開くのではないか。チャンピオンになる可能性は十分にある」

 バンタム級初代王者となった堀口恭司の試合については「今回の相手のベン・ウィンは物足りないという声があるが、対戦する機会はなかったがウィンも堀口と同じ時期にUFCで戦っていた。テコンドーをベースとした打撃で前に出てくる堀口選手と同じタイプ。打撃の精度も高く、グラウンドでも一本取れる選手なので油断のならない相手。打撃は一発当たれば形勢が変わる。危険な相手といって過言ではない。ベン・ウィンはPRIDEを見て育ったから一度生で見たかったと、去年の年末の試合に自腹で見にきて、自腹で帰った。会場の雰囲気を見て、このリングに上がりたいと決断して母国へ帰った。堀口はコールドウェルのホーム、ベラトールでの戦いが控えているが、精神的にも体力的にも大変。でもノンタイトル戦とはいえ、ここで負ければコールドウェルとのリマッチも流れてしまうので負けられない。とても危険な試合になる」

 朝倉未来vsルイス・グスタボについては「グスタボは非常にアグレッシブ。未来選手はストリートファイターで、街で暴れまくったバックボーンがあるが、試合はクレバーでバイオレントじゃない。ファイト哲学を持った選手。その未来が同じ匂いがすると言っている。ストリートで暴れまくっていたやばい、泥臭い朝倉未来が引っ張り出されるんじゃないかという期待感がファンにはある。ベストマッチだと思う。ライト級グランプリの行方を占う上では非常に大事な試合になる。グスタボはRIZIN.12で急遽のオファーだったが、“20年間ずっとこの機会を待っていた”とすぐにOK。連勝街道を突っ走っていた矢地を倒した。日本のビッグマッチで勝つことを覚えたグスタボが怖いバイオレンスな姿を見せるか、未来が今隠しているバイオレンスをいかに引き出すか」

 朝倉海vs佐々木憂流迦については「バックに回ったらチョークを取るのは世界一級の憂流迦選手とかたや打撃系の海選手。格は憂流迦選手のほうが上だからリスクはある。勝ったらハイリターンがあるのは当然、海選手。この試合の見所は堀口選手へのネクストチャレンジャー。そこにたどりつくことが憂流迦選手の第一目標。連勝中の海選手をしっかり憂流迦選手らしく仕留められるかをファンは見たいと思っている」などとそれぞれ話した。

 全体的にこれまでと比べ、髙田氏個人の見方を重視した内容で早速ご意見番としての仕事をスタート。今後はもっとその傾向は強まりそうでファンにとっては試合前の新たな指針となりそうだ。

この日は政治問題にも切り込んだ

統計不正問題についても激論。横粂氏に政界復帰を促す
 この日は久々に政治問題も取り上げた2人。厚生労働省の統計不正問題について髙田氏は「すべての人と言わないけれど、こう次から次へと出てくると“官僚ってひどいね、いい加減だね”ってレッテルを国民から張られちゃうよね」などとバッサリ。この日も髙田氏の矢継ぎ早の質問に的確な解説をしたパートナーの横粂氏に「横粂さんが国会に戻らなきゃダメだね!“いやいや”とか言ってる場合じゃないよ、国会に戻ってがんがんやってもらっていろいろなことを変えてもらわないと」と横粂氏に政界復帰を促した。

 最後はテニスの大坂なおみの全豪オープン制覇の話題に。髙田氏は「あんなに熱中してテニスを見たのは初めて。見ながらビールがすすんだ! 普段は家飲みしないのに4缶空けちゃった! 親戚のおじさんになった気分。去年の夏の甲子園で吉田輝星くんを見ていた時の気分と一緒」と目を細めた。

 そして「勝った後のインタビューで、“インナーピース”という言葉を使っていた。内なる平和、平常心という意味でしょう。これさえしっかり整えていれば負けないと、トレーナーと綿密にやり取りをしていたんだと思う。内村航平もそうだし、堀口恭司も試合で怖いと思ったことがないという。プレッシャーを悪いものでななくいいプレッシャーに変えることができるというメンタルトレーナーの進化も感じる。昔は根性根性でとにかく走れ突っ込めだったが、今はそんな時代じゃない」と大坂の躍進の裏側を分析。そして「全部取ってもらいたい」とグランドスラムへ期待を込めた。

 同番組はRIZINの統括本部長を務める髙田延彦氏とトークバラエティー番組「バイキング」(フジテレビ系)などでコメンテーターを務める元衆議院議員で弁護士の横粂勝仁氏が「今現在、髙田延彦が気になっている時事ネタ」を徹底討論する、生ワイドショー番組。「FRESH LIVE」で月曜21時から不定期で配信中。次回は2月25日に配信の予定。