江戸時代から幅広く愛されていた浮世絵版画の魅力に迫る展覧会。
一点物の肉筆画に対し、量産され販売される商品だった浮世絵版画は江戸を訪れた人が故郷への土産として買って帰る江戸土産のひとつとして広く流通。多くの人が手に取ることができた浮世絵版画には、情報を伝えるメディアという側面もあり、いきいきと江戸の日常を伝える版画が今も多く残されている。
本展では、そんな浮世絵版画に焦点を当て、その歴史や技法、テーマなどを4章構成でひもといていく。墨一色の墨摺絵から多色摺木版画=錦絵になるまでの歴史に始まり、江戸時代以前の木版画や、多くの色を重ねて摺る浮世絵版画の制作過程、そして木版画だからこそ可能な繊細な表現技法、さらには団扇や商品の宣伝チラシ、お菓子の袋などにも使われた浮世絵版画を紹介する。
絵師・彫師・摺師が分業して作り上げる芸術性の高さから、庶民の日常を伝えるメディアとしての魅力まで、奥深く幅広い浮世絵版画の世界を楽しもう。


