Bunkamura30周年記念 シアターコクーン・オンレパートリー2018 DISCOVER WORLD THEATRE Vol.5『罪と罰』

2019.01.03 Vol.713
 シアターコクーンが海外の演出家を招き、新たな視点で海外の作品を上演していく「DISCOVER WORLD THEATRE」の第5弾はロシア文学の傑作長編小説『罪と罰』。今回の演出は、2015年にシアターコクーンプロデュース公演『地獄のオルフェウス』で日本での演出家デビューを飾り、2017年に『欲望という名の電車』で再度シアターコクーンで演出を担当した英国人演出家、フィリップ・ブリーン。  物語の舞台は帝政ロシアの首都、夏のサンクトペテルブルク。頭脳明晰でありながら貧乏な青年ラスコリニコフは自分が「特別な人間」として「人類が救われ、その行為が必要ならば、法を犯す権利がある」という独自の理論を持っていた。このラスコリニコフの生き方を通して数々の普遍的なテーマに触れながら、人間回復への強烈な願望を訴えたヒューマニズムが描かれる。  ラスコリニコフ役を務めるのは三浦春馬。ブリーンとは『地獄のオルフェウス』に続き2度目のタッグ。このキャスティングについてブリーンは「世界中どこを探しても彼の他には考えられない」とコメントしている。

ミスマッチが呼ぶ不思議なリズム『なんてったってビジランテ』実弾生活アナザー

2018.12.17 Vol.713

「実弾生活」はマルチアーティストのリタ・ジェイがプロデュースするオムニバスコントライブ。  出演者はお笑い芸人、小劇場で活躍する俳優、女優と幅広く、そのコントも時にマニアックなネタ、時にベタなネタとバリエーションも豊富。  特にインコさんをはじめとするお笑い芸人と女優の絡みはミスマッチが呼ぶ不思議なリズムを醸し出し、いわゆる“クセになる”感は半端ない。  そんな実弾生活が今回は長編の演劇作品を上演するという。主人公はふとしたはずみで東京で多額の借金を抱えた女。女は東京から離れ、10年ぶりに地元へと戻る。 家族、友人、思い出の場所。 町の全てが変わらないように見えるのは、自分が変わりすぎてしまったからなのか…。  この一見、いい話っぽいあらすじが果たしてどのようにコメディーに仕立て上げられるのか。  出演者を見ると、上田悠介、長島光那といったこれまでの実弾生活では縁がなさそうな役者に、動物電気の森戸宏明、元カムカムミニキーナの正木航平ら小劇場出身の役者、そして歌人で俳優としても活動する枡野浩一といった名前が並ぶ。こういった面々がレギュラーメンバーたちとどういう絡みを見せるのかもとても気になる。  また24日は昼夜共に、クリスマスプレゼントが当たるアフターイベントが行われる。

華やかな客演陣が揃った ろりえ『ミセスダイヤモンド』

2018.12.13 Vol.713

 ろりえは「早稲田大学演劇倶楽部」を母体に 2007年に結成された演劇ユニット。「女の子に対する絶対的な憧れと、男の子であることへの開き直りを、様々な角度から描き出す。あと、たまに切ない。」をコンセプトに作・演出の奥山雄太が描く作品はユニット名から受ける印象ほどやわらかいものではなく、むしろ先鋭的。なるほど「様々な角度」と思わせる。  今回は「ビッグカメラ下北沢駅前店女子ソフトボールチーム“ベリービッグベアーズ”」という架空の社会人女子ソフトボールチームを舞台とした「汗と涙と青アザのアラサースポ根演劇」で夢を追う女たち、夢をあきらめる女たち、そしてそれを支える男たちを描くという。  女子ソフトボール部が舞台とあって、ろりえの徳橋みのり、斎藤加奈子はもちろん、前回公演『桃テント』から引き続いての参加となる秋乃ゆに、岩田恵里、加藤夏子。モデルとしても活動する岩井七世、元「アイドリング!!!」の高橋胡桃など、華やかな客演陣が揃った。  最近では個々が外部で活動することも多く、今回は1年ぶりの本公演。本公演は年に1回のペースのようなので、ここは見逃さないでおきたい公演。

Bunkamura30周年記念 シアターコクーン・オンレパートリー2018 DISCOVER WORLD THEATRE Vol.4『民衆の敵』

2018.11.16 Vol.712
 渋谷のBunkamuraが来年で30周年を迎えるのだが、シアターコクーンでは記念公演が上演される。12月から始まるその第1弾が『民衆の敵』。  同作は“近代演劇の父”とも称されるノルウェーの劇作家ヘンリック・イプセンが1882年に発表した作品。日本でも『民衆の敵』『ペール・ギュント』『人形の家』『ヘッダ・ガブラー』など多くの作品が上演されてきたイプセンだが、その中でもこの『民衆の敵』は社会問題を扱った唯一の作品で、当時の社会に一石を投じたもの。作品はその後、アメリカにわたり、アーサー・ミラーによって翻案されブロードウェイでも上演。1978年にはスティーブ・マックイーン製作・主演によって映画化され、世界的に有名な作品となっていく。今回は新たに戯曲を翻訳し新訳で上演する。演出を手掛けるのは、2016年にシアターコクーンで上演された『るつぼ』以来2年ぶりの登場となるジョナサン・マンビィ。  主演のトマス・ストックマンを演じるのは堤真一。マンビィ演出には『るつぼ』に続いての出演となる。

いろんな意味で見逃せない作品 劇団桟敷童子『その恋、覚え無し』

2018.11.14 Vol.712
 桟敷童子は演出を務める東憲司が描く社会の底辺で生きる人々による骨太で猥雑な群像劇を、1週間から半月ほどの時間を費やし劇団員で作った大掛かりな舞台セットで“魅せる”劇団。  かつては東の生まれ育った炭鉱町や山間の集落をモチーフにしたごつごつとした作品が多かったのだが、最近は時には舞台を現代に置いたり、社会問題を扱ったりとさまざまなバリエーションの作品を発表。来年で結成20周年を迎えるのだが、常に進化し挑戦し続けている。  今回は劇団では初めての試みという「恋物語」に挑む。松本紀保、石村みか(てがみ座)という実力派の2人の女優を客演に迎え、劇団の看板女優である板垣桃子と3人の女優による華やかな競演が繰り広げられるのだが、果たしてどんな「恋物語」を見せてくれるのか。  ただその一方で劇団の真骨頂である「本水」を使った舞台美術は今回も健在。  パッと聞くとミスマッチにも聞こえる「恋物語」×「本水」の組み合わせ。これをしっかり融合させられるのは多分、桟敷童子だけかもしれない。いろんな意味で見逃せない作品。

ジャニーズ WEST濵田崇裕主演『歌喜劇/市場三郎』最新作が7日開幕!

2018.11.06 Vol.Web Original
 11月7日に開幕する舞台『歌喜劇/市場三郎~グアムの恋』のプレスコールが6日、新宿区の東京グローブ座で行われ、主演のジャニーズ WESTの濵田崇裕、キャストの大和田美帆、そして演出の河原雅彦が取材に対応した。  濵田と河原、そして劇作家で演出家の福田転球がタッグを組み、2016年に上演した『歌喜劇/市場三郎~温泉宿の恋』に続くシリーズ第2弾。 「前作の終わりかたもちょっと続いたらいいなと思っていたし、またやったら楽しいんだろうなという雰囲気の中で今作ができるのですごいうれしい」と、濵田。「前回と(自分は)いい意味で、変わってはいないと思いますけど、前回よりも視野をできたらいいなと思っていて、ちょっとだけ周りを見られるようになったかな(笑)」。

オーストラリアのダンスカンパニー バンガラ・ダンス・シアター『Spirit 2018』『I.B.I.S』

2018.11.05 Vol.711
 オーストラリアのダンスカンパニー「Bangarra Dance Theatre(バンガラ・ダンス・シアター)」が再来日、その代表作である『Spirit 2018』と『I.B.I.S』を上演する。  カンパニーは、6万年を越えて継承されてきたアボリジナル、トレス海峡諸島の先住民族の文化に、コンテンポラリーダンスを融合して、独自のダンス技法を生み出してきた。先住民族の神話に根ざした物語や神聖な儀式、そしてオーストラリアのいまを表現し、国際的にも高く評価されている。  4度目の来日となる今回、上演するのはカンパニーの代表作。美しく心に残る音楽とともに、神聖なる自然の詩を奏でる神秘的な秘密の空間へと誘う『Spirit 2018』、トレス海峡にあるマレー島を舞台にした『I.B.I.S』は、美しい島で楽しく暮らす人々が、立ち退きや気候変動といった問題に遭遇しつつも、自分たちの文化を大切にして、陽気に生きる姿を描く。

グラビアの世界を飛び出した劇団ミスマガジン『ソウナンですか?』

2018.10.24 Vol.711

 講談社の漫画誌「ヤングマガジン」と「週刊少年マガジン」が主催するミスコンテスト「ミスマガジン」は1982年にスタートし、斉藤由貴、細川ふみえ、中川翔子、岩佐真悠子、山崎真実、北乃きい、倉科カナ、桜庭ななみ、新川優愛、衛藤美彩(乃木坂46)など、そうそうたるタレントを輩出した、雑誌業界で最も歴史のあるミスコンテスト。2011年に一時中断したものの今年7年ぶりに復活した。  その「ミスマガジン2018」が、グラビアの世界を飛び出して、本格的な舞台演劇に挑むのがこの「劇団ミスマガジン」。  ヤングマガジンで連載中のJK無人島サバイバル・ストーリー『ソウナンですか?』を“演劇版”として舞台化する。 物語は修学旅行で不運にも事故に遭い、無人島に漂着した4人の女子高生のサバイバル生活を描いたもの。4人でサバイバルしていくうちに次第にそれぞれの青春の悩みが明らかになっていく。果たして4人は悩みを克服し、無事に帰ることができるのだろうか…といったストーリーをミスマガジンたちが笑いあり、涙あり、水着あり(!?)で演じ切る。  脚本と演出を担当するのは劇団「20歳の国」を主宰する竜史。「青春」を物語の中心に据え、熱く、時に繊細に描く作風には定評があり、今回の作品には最も適した人材かもしれない。

【東出昌大 × 宮沢氷魚】三島由紀夫の遺作にして最高傑作、全4部を舞台化!舞台『豊饒の海』

2018.10.22 Vol.711
 三島由紀夫が執筆に約6年の歳月を費やした、全4冊からなる大河小説『豊饒の海』。三島がこの小説を書き終え自刃を選んだことから遺作にして最高傑作とも言われる究極の小説を、脚本長田育恵、演出マックス・ウェブスターで舞台化。第一部「春の雪」の主人公・松枝清顕(まつがえ きよあき)役の東出昌大と、第2部「奔馬」の主人公・飯沼勲(いいぬま いさお)役の宮沢氷魚。“生まれ変わり”として同じ魂を持つ主人公を演じる2人が、壮大な舞台に挑む思いを語る!

オーストラリアの劇団バック・トゥ・バック・シアターのユニークな野外劇が日本初演!

2018.10.19 Vol.Web Original
知的障害を持つ 6 人の俳優を中心とした劇団
 現在開催中の東京芸術祭の一環で、一風変わった野外劇「スモール・メタル・オブジェクツ」が、20日から開幕する。  この作品は、知的障害を持つ 6 人の俳優を中心に構成されたオーストラリアの「バック・トゥ・バック・シアター」によるもの。作品は圧倒的にユニークで、見る者に強烈なインパクトを与え、世界中で称賛されている劇団だ。  これまでも駅やバスターミナル、ショッピングモールから商業施設に至るまで、人通りの激しい都会で、あらゆる公的な場所・空間を舞台として上演して来た百戦錬磨の彼らが、世界でも有数の大都市・東京で、しかもIWGPこと池袋西口公園の雑踏の中に紛れて、このドラマを繰り広げる。そして、行き交う通行人たちは気づかぬうちにこの作品のエキストラになっている。また、日本初演となる本公演のため新たに日本人キャストも参加している。

最高のキャストが揃ったKAAT神奈川芸術劇場プロデュース『セールスマンの死』

2018.10.18 Vol.711

 KAAT神奈川芸術劇場の芸術監督を務める白井晃が最も信頼する劇作家・演出家の一人である長塚圭史が同劇場プロデュース公演で2作目の演出作品を手掛ける。長塚は自らの作品はもちろん、三好十郎、ハロルド・ピンターといった近代戯曲を取り上げることも多く、昨年は同劇場でイタリアの作家ルイージ・ピランロッテの『作者を探す六人の登場人物』を上演し、好評を得た。  今回、長塚が手掛けるのはアーサー・ミラーの『セールスマンの死』。テネシー・ウィリアムズとともにアメリカ現代演劇の旗手と呼ばれるアーサー・ミラーの地位を確立した代表作だ。  主人公に風間杜夫、その妻に片平なぎさ。長塚は「風間さんが出演してくださらなかったら、今『セールスマンの死』を上演することはなかった」といい、片平についても「前からお仕事をご一緒したかった」と最高のキャストが揃ったという印象。  風間もこれまで演じてきた役とは大きく異なることから「役者としての力量だけではなく人間そのものが問われる時に来たような気がして、いささか身が震える」とこの作品に臨む決意を見せている。

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