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新たな出会いとなる作品『パンドラの鐘』

2021.04.13 Vol.740

 劇作家・演出家の野田秀樹氏が芸術監督に就任後、東京芸術劇場では「RooTS」と題した自主事業で、日本の現代演劇の源流を探るためにアングラ時代の戯曲を掘り起こし、若い演出家がチャレンジする企画を実施している。この「RooTS」の延長戦上にあるのが、野田戯曲を野田氏以外の人が演出することにも積極的に取り組む企画。

 今回は演出家・熊林弘高が『パンドラの鐘』の演出を手掛ける。

 同作は1999年が初演なのだが、野田と故蜷川幸雄氏がほぼ同時期にそれぞれが演出した作品を上演し、大きな話題を集めた。

「現代」と「古代」を行き来する物語なのだが、野田、蜷川演出では別々に演じていた異なる時間軸の登場人物を熊林演出では1人2役で演じる。過去に同作を見たことのある人にも新たな出会いとなる作品となりそう。

ゴヤの激動の半生を描くオリジナルミュージカル『ゴヤ-GOYA-』

2021.04.12 Vol.740

 スペインを代表する画家の一人であるゴヤの激動の半生を描くオリジナルミュージカル。画家人生のみならず、人間ゴヤに焦点を当てて、波乱万丈な生きざまや、どうして芸術家となっていったのかなどをエネルギッシュに描く。

 動乱と戦争の世を生きた人々を歌とダンスで表現する。主人公のフランシスコ・デ・ゴヤを演じるのは今井翼。フラメンコシーンにも注目せざるを得ない。ピアニストの清塚信也が初めてミュージカルの作曲、音楽監督に挑戦するのも注目ポイント。本作にはジャズの要素も入ってくるという。

 ゴヤの生涯の友あるが、実際にはそれ以上ではと思わせる存在のサパテールを演じるのは小西遼生。ゴヤの妻を清水くるみが演じる。

 愛知・御園座でも公演がある。

約1年3カ月ぶりの本公演を初進出となるザ・スズナリで ゴジゲン『朱春』

2021.03.25 Vol.739

 

 脚本家・演出家・映画監督、そして俳優としても活躍する松居大悟が主宰を務めるゴジゲンが約1年3カ月ぶりの本公演を初進出となるザ・スズナリで行う。

 その1年3カ月前の作品は昨年行われるはずだった東京オリンピック・パラリンピックをモチーフとした作品で、今から考えると別な意味でのそのタイムリーさに驚かざるを得ない。

 今回は「家から出られなくなった男たちのパーティーのお話」ということで、昨年の新型コロナウイルスによる緊急事態宣言により不要不急の外出の自粛を要請されたことをヒントに描かれる作品のよう。

 松居の作る作品は実体験を基にした作品も多い。こう書くと生々しさを連想する人もいるかもしれないが、生々しさもあるにはあるが、むしを共感を呼ぶ類のもので、ついつい登場人物に感情移入をしてしまう。

 今回はかねてから上演を希望していたスズナリへの初進出ということもあり、客演なしで劇団のみの公演。

 ちなみにゴジゲンは訳あって一時劇団活動を休止していた時期もあるのだが、その活動休止から復活にまつわるドキュメント映像をYouTubeチャンネルで公開しているので、ちょっとのぞいてから彼らの公演を見てみるのもいい。

演出家・黒田勇樹が語る 「コロナ禍での演劇と表現」

2021.03.15 Vol.739

舞台『白豚貴族ですが前世の記憶が生えたのでひよこな弟育てます』が3月24日スタート

 俳優で脚本家・演出家でもある黒田勇樹が3月24日から始まる舞台『白豚貴族ですが前世の記憶が生えたのでひよこな弟育てます』の演出を務める。昨今は俳優の活動より脚本家や演出家、映像作品の監督での活動が目立つ黒田に作品のこと、そして新型コロナ禍での表現の在り方などについて聞いた。

演劇は世の中を写し出す鏡 方丈の海2021プロジェクト『方丈の海』

2021.03.10 Vol.739

 2011年3月11日に起こった東日本大震災から今年で10年が経った。

 本作は仙台演劇界を牽引した劇作家・演出家の石川裕人が2012年に、まさに「東日本大震災の10年後」という設定で描いたお話。津波で流されてしまった三陸の架空の町の中にぽつんと生き残った映画館を舞台に、被災地に生きる人々の思いが語られ、惨状の先にある未来を見つめる人々の心がつづられた。

 石川が主宰を務めたTheatreGroup“OCT/PASS”によって仙台で上演され、多くの反響を呼んだのだが、石川がその翌月に急逝してしまったため、仙台以外で上演されることはなかった。

 今回の上演は2021年3月に同作を再演しようとTheatreGroup“OCT/PASS”のメンバーが呼び掛けた有志により立ち上がった「方丈の海2021プロジェクト」により実現した。

 発生から3〜4年は多くのメディアで被災地の様子や復興の進ちょく、被災者たちのその後を取り上げたが、時間が経つとともにニュースの分量は減ってきた。あらためてあの時の記憶を呼び起こし、さまざまな思いを巡らせるきっかけにもなる作品だ。

演劇は世の中を写し出す鏡 大川企画vol.1『ラブワクチン』

2021.03.08 Vol.739

 女性向けセクシーコンテンツを配信する「SILK LABO」「GIRL’S CH」で活躍するイケメンたちによる「劇団Rexy」という劇団の制作を務めていた大川望美が舞台を中心とした企画・制作・プロデュースを行う「大川企画」を立ち上げた。今回はその第1回公演となる。

 大川の「観劇は生で味わう贅沢な娯楽」という考えのもとこの大川企画ではコメディーをベースにしながら人の心をこっそりのぞき見する、いい大人たちの嗜好品のような舞台」を制作していくという。

 今回は「もしも、SEXでウイルスの感染を止めることができたら、この世界は愛であふれるのか? それとも…」をテーマにマスク工場で働く、恋に不器用な大人たちの恋愛模様を描くラブコメディー。

 脚本・演出の友池一彦は映画の脚本、小劇場や商業演劇の脚本・演出、テレビやラジオの構成作家といった作家活動のとは別に松竹芸能に所属するピン芸人「友池さん」としても活動中。自ら主宰する「TOMOIKEプロデュース」では昨年1月に下北沢の本多劇場にも進出するなど着々と演劇界でも活動の場を広げている。

江戸時代でフレンズ? MONO『アユタヤ』

2021.02.23 Vol.738

 京都を拠点に活動するMONOの1年ぶりの本公演。前回公演の『その鉄塔に男たちはいるという+』は昨年3月、新型コロナウイルスの感染拡大が始まりかけたころに上演された。さまざまな情報が飛び交い、手探りの中、なんとか公演をやり遂げた。

 主宰の土田は「今回のことで自身の価値観も揺さぶられ、現在は皆が前を向けるエンターテインメントを創りたいという猛烈な思いにかられている」として、コロナの猛威が収まらない中ではあるが、今回の作品を作り上げた。

 舞台は江戸時代の初期にタイにあった日本人居留区の外れ。その居住区にはさまざまな理由から祖国を離れ暮らす人々がいたのだが、そこからも逃れて肩を寄せ合う人たちがいた。そんな人々の生活を通じて描かれるのは“MONOなり”のユートピア喜劇。土田は「タイを舞台にした江戸時代の日本人たちの『フレンズ』(1994~2004年放送のアメリカのドラマ)みたいな話にしたい」という。江戸時代でフレンズ? 果たしてどんな作品になるのか?

2019年に上演された二人芝居が待望の再演。EPOCH MAN『夢ぞろぞろ』

2021.02.12 Vol.738

 EPOCH MANは虚構の劇団に所属する俳優・小沢道成が2013年から始めた演劇プロジェクト。

 小沢が作・演出も務めるその作品は、人(特に女性)の心の中をえぐり出すような作風で、問題を抱えた人物が前進しようとした時に生まれる障害や苦悩を丁寧に描いている。

 今回は2019年に上演された田中穂先と小沢道成による二人芝居の待望の再演。

 登場人物は寂れた駅の風変わりな売店で働く厄介な60歳の女性と、その駅から毎日仕事に通っていたものの、ある日突然電車に乗ることができなくなった青年の2人。夢を持たない2人による、やがて輝くための、もしくは諦めるための、とある駅で起こった愛しい数日間の物語が描かれる。

 小沢は今回の再演にあたり「純粋な再演をやってみたい気持ちはありますが、おそらくそうならない気がします」とコメント。初演時とは小沢本人も社会も演劇を取り巻く状況も大きく変わった。そんななかで小沢は今回、どんな作品を見せてくれるのか。

あの舞台が帰ってくる! ミュージカル『モンティ・パイソンのSPAMALOT』

2021.01.13 Vol.737

 2012年に福田雄一上演台本・演出によって日本初上陸したミュージカルの再演が決定。新しい年のスタートを笑顔でいっぱいにする!

 本作は、イギリスの国民的コメディグループであるモンティ・パイソンの大ヒット映画『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』を、メンバーのエリック・アイドルらが自らパクったブロードウェイミュージカルの日本版。神のお告げを受けたアーサー王は従者パッツィを連れ、家来となる円卓の騎士を集めて、聖杯(ホーリーグレイル)を探す旅に出る。しかし、次々にハプニングが発生。彼らの行く手を阻む。

 面白すぎると2015年にも再演されていて、今回で3回目の上演。出演は、アーサー王に山田孝之、ランスロット卿を賀来賢人、ロビン卿に小関裕太、ガラハッド卿に三浦宏規、パッツィに矢本悠馬とフレッシュで豪華なメンバー。新しいアーサー王たちの旅にワクワクが止まらない。

お芝居は不要不急です ONEOR8『グレーのこと』-2021ver.-

2021.01.12 Vol.737

 本作は2017年に浅草の劇場・九劇のこけら落し公演のラストを飾る作品として上演された。

 それまではありふれた日常的空間を舞台に、そこで暮らす市井の人々のなんてことのない日常を淡々と描く作品が多かった作・演出の田村だったが、この作品では「現世とあの世の間にあるグレーな世界」というこれまでとは趣の違う舞台を設定。そこに集まった裁判官のような者たちが死者が来世に何に生まれ変わるべきかを話し合っていくなかで、根源的でありながら“グレーなこと”があぶりだされていくというお話で、田村にとっても挑戦的な舞台だった。今回は「-2021ver.-」とあるようにブラッシュアップした形での再演となる。

 また新型コロナの感染予防として、客席については全席自由席にし、客同士の間隔が空けられるように配慮。また新たな試みとして公演の配信も実施。初日16日の14時の回が生配信される。

お芝居は不要不急です「OFFICE SHIKA PRODUCE『秘剣つばめ返し』」

2021.01.11 Vol.737

 劇団鹿殺しの丸尾丸一郎が脚本・演出を務め、2017年NHKラジオドラマ「劇ラヂ!」シリーズで発表され話題となった、丸尾丸一郎版“巌流島の戦い”『秘剣つばめ返し』が松島庄汰、佐伯大地のW主演のもと舞台化される。

 今作の佐々木小次郎は、勇気“以外”の全てを持つ孤高の剣客。岩流と自らの剣を称したのも臆病者の大口で、恋心を抱くたら姫とは口も利けない男。一方の宮本武蔵は六十戦無敗の剣豪にもかかわらず、女好きで自由奔放な性格のため、士官先は見つからず、その日暮らしの生活を送っていた。小倉藩の陰謀が渦巻く中、天下無双を決める小次郎と武蔵の決闘がついに始まることになるのだが…。さまざまな説がある小次郎の人物像や宮本武蔵との世紀の一戦を丸尾独自の目線で描く。

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