【インタビュー】竜星 涼が美人教師に恋!? 映画『先生! 、、、好きになってもいいですか?』

 教師と生徒の切ない純愛をまっすぐに描いたロングセラー少女コミックを超豪華キャストをそろえ実写化した話題作『先生! 、、、好きになってもいいですか?』がいよいよ公開。原作ファンの間でも人気のキャラクター浩介を演じるのは連続テレビ小説『ひよっこ』で人気急上昇中の竜星涼。気になる“理想の恋”とは!?

撮影・上岸卓史 

「見れば、きっと恋したくなるような作品だと思います(笑)」と恋したくなるような笑顔を見せてくれた竜星涼。最新作は“先生と生徒の恋”が描かれる話題の映画『先生! 、、、好きになってもいいですか?』。

「甘酸っぱさの中にも、世代が違う2人の距離感だったり、すれ違うもどかしさ、歯がゆさみたいなものがある素敵な映画です。皆さんが一番引かれるポイントは“あこがれの先生との恋”という恋愛の形なのでしょうね(笑)。やっぱり恋愛ってタイミングだよね…と思ってしまったのは、僕がもう“大人”側にいるせいなのかな(笑)。でも、あんなにまっすぐに、周りも見えなくなるくらい人のことを好きになって、それを伝えたいと思うヒロインの潔さというかピュアさが、恋愛とは本来そういうものだったと思い出させてくれました」

 三木監督の現場を振り返って。

「今回初めて三木組に参加させていただいたんですが、すごく温かい現場でした。監督ご自身もワクワク、キュンキュンしながら楽しんで作品を作っている感じなんです(笑)。その優しさ、温かさが現場にも広がっていたように思います。何より監督はキャラクター一人ひとりに、とても深い愛情を持っているんです。どの現場もそうなのかもしれませんが今回、全キャストに対して演じる人物への思いを手紙にしてくれたり本作のイメージを伝える音楽リストを作っていただきましたし。そういうのが僕は初めてだったので、監督の作品に対する愛情に、とても感銘を受けました」

撮影・上岸卓史 

 竜星が演じるのはヒロイン響(広瀬すず)の親友・浩介。

「原作を読んだときから、浩介は“男がほれる男”タイプだな、と思いました。不器用だけどまっすぐで、純粋な面もある。演じるうえでは、響とのバランスをとりながら浩介を表現できればいいなと思っていました。浩介は響の恋を応援しつつ、そこに自分の希望を託している。同じように先生に恋する自分と響きを重ね合わせて、投影している部分があるんです。響に対するまなざしは客観的でありながも心には優しさを秘めていて、エネルギーが渦巻いている。そんな部分をしっかり演じていきたいと思いながら臨んでいました」

 響が恋する教師・伊藤役の生田斗真の印象は?

「生田さんとは、弟さんのお名前が“りゅうせい”で僕と同じなので、勝手に親近感を抱いています、みたいなことをお話ししていました(笑)。大先輩なのに、ものすごく気さくで僕のような若手にも現場にいる誰にでも、分け隔てなく接してくださるんです。これぞ座長だと思いました」

撮影・上岸卓史 

 浩介が伊藤と衝突する場面は重要シーンの一つ。現場では生田とどんな芝居を?

「僕もわりと現場で芝居を作っていくタイプなんですが、生田さんはそんな僕の芝居を常にその場で受け止めてくれて、演じやすい環境を作ってくださいました。監督の指示をいただきながら、テイクを重ねていく中、2人でいいシーンを作り上げることができたと思っています。僕自身、この作品の中でも特に好きなシーンです。あの浩介のセリフが決め手となって、この役を演じたいと思いました。それだけに、より気合も入っていたと思うし、物語の一場面というだけでなく、浩介のセリフを通していろいろな方に何か大切なことを感じてもらえたら、という思いを込めて演じました」

 伊藤に恋した響と同じく、浩介もまた美術教師・中島(比嘉愛未)に恋をしている。響と浩介は恋する相手から“子供扱い”される辛さも共有している。

「浩介を演じていることもあり僕は “生徒”側を応援する気持ちでしたね。特に浩介が伊藤に感情をぶつける場面で言う言葉は、もしかしたらこの作品自体が一番伝えたいことなのではという気がします。伊藤に喝を入れた浩介に、よく言った!と思ってしまいました(笑)」

 先生と生徒として出会ったが故の切ない恋。自身が思う“理想の出会い方”は?

「電車の中とか街角で、まったく偶然に出会うんだけどパッと引かれ合い運命を感じる…みたいな出会いはあこがれますね。そんなことが現実にあるのかという気もしますけど(笑)。でも実際そういう話、聞きますよね? そういうのを聞くと、いいな、運命の出会いって本当にあるんだなと、ついあこがれますね」

撮影・上岸卓史 

 普段、恋愛映画は見るほう?

「普通に見ますよ。ヒロインが素敵な作品が好きです(笑)。結ばれるにしろそうでないにしろ、やはり恋愛映画はヒロインが大事だと思います。特に昔の映画は“相手”としてのヒロインが本当に輝いていると思います。分かりやすく“相手役”と設定されていなくてもマドンナ的な存在が目に飛び込んでくる。彼女を見るために映画館へ通うような、そんなヒロインがいた時代の恋愛映画なんかも好きだったりします。役者としては、今回の浩介のように、思われる側より、誰かを思ってその思いを表現するほうが演じがいがあるのかなと。たいていそういう場合、最初は恋が実らず障壁があり、それがドラマになっている。そのモーメントを受けて芝居を作っていくのは、役者としてやりがいを感じる部分だと思います。でも相手から好きになられる役も、それはそれで気持ちがいいだろうなと思いますけどね(笑)」

 今年は『ひよっこ』などドラマでも注目を集め、ファン層も広がった。

「いろいろな世代の方に応援していただけるのは本当にうれしいです。期待に応えられるよう、これからもいろいろな作品に挑戦していきたいと思っています。もちろん恋愛ものも(笑)」

 スクリーンを通して人物の体温を伝えられる俳優・竜星涼。まずは本作で“恋する男”の熱い思いを感じてみて。

(本紙・秋吉布由子)

『先生! 、、、好きになってもいいですか?』

監督:三木孝浩 出演:生田斗真、広瀬すず、竜星涼、森川葵他/1時間53分/ワーナー・ブラザース映画配給/10月28日より全国公開 http://wwws.warnerbros.co.jp/sensei/
©河原和音/集英社 ©2017映画「先生!」製作委員会