多彩な表情を見せる桐谷美玲にインタビュー 

『乱反射』『スノーフレーク』 主演

放送中のドラマ『荒川 アンダー ザ ブリッジ』など話題作への出演が相次ぐ注目の女優・桐谷美玲が、ピュアな女子高生を演じた『乱反射』と、まっすぐな女子短大生を演じた『スノーフレーク』。万華鏡のように多彩な表情を見せる、その魅力に迫る!

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撮影:蔦野裕 ヘアメイク:今井貴子 スタイリスト:相澤樹

 2本立てロードショーということもさることながら、1人の女優を2つの角度から見つめることができる豪華な企画。2本ともメガホンを取ったのは、仲里依紗主演作『時をかける少女』の谷口正晃監督だ。『乱反射』は、多感な心を持つ女子高生歌人の迷いと成長を描いたピュアな青春ラブストーリー。『スノーフレーク』は、主人公の女子短大生が、亡くなった初恋の人とよく似た青年と出会い、謎を解いていくミステリー仕立ての物語。

「『乱反射』の主人公・志摩は、とにかくピュアで無邪気な女の子。多感で、少し傷つきやすいところもある子です。本作は"痛み"がテーマでもあるので、自分が高校生だったころを思い出しながら志摩の痛みを大切に演じました。『スノーフレーク』の主人公・真乃は、わりと今どきの女の子というイメージですね。髪型や服装もオシャレさんだし。その中でも、初恋の人を一途に思う純真さと少し頑固なところ、何かに立ち向かう真乃の強さをしっかり表現しようと思いました」

 自身に近いのはやはり真乃のほう?「実は志摩にも共感できるところがたくさんあるんですよ。監督や航大役の三浦貴大さんからも"志摩って桐谷さんそのままだよね"と言われました。けっこう突拍子もないことをするところが似ているらしくて(笑)」

 今回、見せていない"意外な顔"は?

「Sなところ、でしょうか(笑)。嫌がっている人をくすぐったりするので、友達にもよく"けっこうSだよね"って言われます。『乱反射』でも、三浦さんと2人で自転車に乗っているシーンで、実は見えないところで三浦さんをくすぐったりしていました(笑)」

 そしてもう1つ、スレンダーな体からは思いもよらないのが...。

「おいしいものを食べるのがとにかく好きなんですよ。地方ロケになるとなるべくその土地のおいしいものを食べるようにしています。うちは家族全員が大食いで(笑)。お母さんが作ってくれるおにぎりも、こぶし大くらいの大きさなんですよ。それを2つとか平気で食べていましたね。運動会のとき、みんなのおにぎりが小さいのでビックリしました(笑)」

 確かにスタミナは必要のはず。ドラマ『荒川アンダー ザ ブリッジ』(来年映画化)をはじめ、松山ケンイチ主演映画『うさぎドロップ』、来年公開作『逆転裁判』など話題作への出演が続く。

「『荒川―』はどうやって実写化するの!?って衝撃でした(笑)。小栗旬さんも山田孝之さんもメイクは大変そうですけど、撮影のときはアドリブしたりして楽しそうですよ。やっぱり、表情じゃないところで芝居する楽しさがあるんでしょうね。私はそんな2人に見守られているニノという役。2人の姿に慣れておくためにメイクした小栗さんの写真を携帯に入れていたんですけど、今ではあのメイクをしていない2人を見ると違和感すら感じます(笑)」

 多彩な作品を経て、着実に実力派女優として開花している。

「何も分からない状態からスタートしているので、そのときに比べれば少しは成長してきたかな(笑)。そして間違いなく、演技をすることがどんどん好きになっています。映画『ジーン・ワルツ』の撮影でもそれを実感しました。菅野美穂さん、風吹ジュンさん、浅丘ルリ子さんなど素敵な先輩たちからたくさんのことを教えてもらって、すごく幸せで楽しくて、もっと頑張りたいと強く思ったんです。自分もいつか、ああなれるように頑張らなきゃ(笑)。今はなんでも挑戦して、それを吸収してステップアップしていこうと思っています。とくにやってみたいのは...悪女役(笑)」

 今回、挿入歌も自ら歌う。"S"な表情は今後のお楽しみに撮っておくことにして、まずはこの2本でいろいろな桐谷美玲を楽しんで。

(本紙・秋吉布由子)

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『乱反射』(写真左)、『スノーフレーク』(写真右)

『乱反射』『スノーフレーク』

監督:谷口正晃 出演:桐谷美玲、三浦貴大、高島礼子他/スタイルジャム配給/シネマート新宿他にて2本立てロードショー http://www.ranhansha-snowflake.jp/
©「乱反射/スノーフレーク」製作委員会