バーレーンに2−0勝利 サッカー男子5大会連続五輪出場

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2点目をあげた清武(Photo/AFLO)

 U−23(23歳以下)代表によるサッカー男子のロンドン五輪アジア最終予選は14日、各地で最終戦を行い、日本はホームの東京・国立競技場でバーレーンと対戦。2−0で快勝し、勝ち点15のC組首位で5大会連続9度目の五輪出場を決めた。

 日本は引き分け以上で五輪出場が決まるという状況だったが、選手たちは前日から「勝って決めたい」という意気込みを持ってこの日の試合に臨んだ。

 しかしその意気込みが力みになったか、前半から圧倒的にボールを支配した日本だったが、ゴール前での精度を欠き、なかなか得点につなげられない。ボールを失ってからのバーレーンの早い仕掛けに、関塚監督も試合後「このリズムじゃ危ない。失点するんじゃないかと思った」と振り返るほど。しかしこの予選で一度は自力突破が消滅するピンチに追い込まれた選手たちは大きく成長していた。

 ハーフタイムを経て動きが一変。後半10分には左サイドを突破した比嘉(横浜F・M)を起点に原口(浦和)の左クロスを受けた扇原(C大阪)が右足で五輪予選初得点を決める。その4分後には東(大宮)の左クロスを清武(C大阪)が右足でゴール。勝利を決定づけた。

 今回の予選は、海外組はもちろん、Jリーグでも2シーズンにまたがって行われたため、選手の招集にはさまざまな制限があり、常にベストメンバーというわけにはいかなかった。香川(ドルトムント)などは五輪世代ながら、すでにA代表の主力となっており、呼ぶに呼べない状況だ。清武も長い予選を通じて大きく成長。A代表にも招集された。そして今や「五輪に出るのは当たり前」という風潮すらあるなかでの戦いに、試合後の会見で関塚監督は「ロンドン五輪出場は最低限の通過点。アジアの予選も厳しいものがあったので、まずは安心した」と安堵の表情を見せた。そして「この年代の最年長である権田たちは、ユース年代で世界に出られなかった。そういう悔しさがあって、何とかここで五輪に出たいという気持ちで、この目標に対して純粋に競争しながらここまでよくやってくれたなと思う」と選手をねぎらった。

 五輪本番では3人のオーバーエイジ枠がある。香川、宮市(ボルトン)といった名前もあがるが、関塚監督は「今後の課題。わたし自身でできる問題じゃない」と語るにとどまった。なお日本サッカー協会の原博実技術委員長は、「その国によって五輪のとらえ方が違う。(五輪は国際Aマッチデーではないため)拘束力がないのが実情」と語った。またJリーグも期間中であり、国内組も今回の最終予選同様、1クラブから2~3人の招集という形になりそうだ。