自民党総裁選、民主党代表選ともに乱戦模様

 自民党総裁選(14日告示、26日投開票)が乱戦模様になっている。総裁選には谷垣禎一総裁、石原伸晃幹事長、安倍晋三元首相、町村信孝元官房長官、石破茂前政調会長らが意欲を示している。

 再選を目指す谷垣氏は3日、出身派閥の宏池会(古賀派)会長の古賀誠元幹事長との会談を持ったが、「私は若い人を思い切って支援したい」(古賀氏)と不支持を通告された。谷垣氏は古賀派(30人)から推薦人20人を確保できるかどうか微妙になったが、出馬の意向は崩さなかった。

 石原氏は2日に行われた鹿児島市での講演で「私は谷垣禎一総裁を支えるために政治をやってきたのではない。日本を何とかしなければならないとの思いでやってきた」と述べ、出馬に意欲を示した。しかしこの発言は幹事長職にある者としては失言。加えて石原氏を推す党重鎮の動きが党内中堅・若手の反発を買っていることから多数派工作の見通しが立たなくなり、谷垣氏と石原氏が候補一本化の可能性を探り始めるなど予断を許さない状況となってきた。

 また町村信孝元官房長官と安倍晋三元首相が出馬の意向を固めている清和政策研究会(町村派)は派閥分裂を回避するため支持候補を一本化せず、自主投票とすることを決めた。石破氏は決選投票を見据えその安倍氏との連携を模索する。石破氏は世論調査で高い人気を誇るが、国会議員票での苦戦は必至。国会議員のみの決選投票になれば、形勢が逆転する可能性もあるからだ。

 ただ、安倍氏は石破氏との連携には消極的とされ、連携が実を結ぶかどうかは不透明だ。

 一方の民主党代表選(10日告示、21日投開票)は野田佳彦首相の再選が有力視される中、細野豪志環境相の擁立論が強まっている。

 終始慎重姿勢に徹していた細野氏だが、5日、出馬の意向を固めた。細野氏は同日夜、周辺に「これだけの人が出馬を要請してくれるのだから、真剣に考えなければいけない」と語った。