市川團十郎さん死去「成田屋!」ファンら見送る

 歌舞伎俳優の十二代目市川團十郎(いちかわ・だんじゅうろう、本名堀越夏雄=ほりこし・なつお)さんが3日午後9時59分、肺炎のため都内の病院で死去した。66歳だった。6日、目黒区の團十郎さんの自宅で密葬として営まれた葬儀・告別式には、親交のあった小泉純一郎元首相ら400人が参列。喪主あいさつに立った長男の歌舞伎俳優、市川海老蔵は「最期は父らしい笑顔でした」と、家族で看取った臨終の様子を初めて具体的に吐露。また、「優しく、おおらかな人でした。せがれながら、どこからあの優しさが出てくるのか、不思議に思っていました」と亡き父の人柄を振り返った。出棺の際「成田屋!」とかけ声が飛び交い、参列者の涙を誘った。本葬は今月下旬の予定。

 團十郎さんは昨年12月18日、風邪による体調不良で南座の「吉例顔見世興行」を休演。その後、都内の病院へ入院。同26日には1月の新橋演舞場「壽初春大歌舞伎」の出演取りやめを発表していた。