WBCで日本準決勝で敗退 3連覇ならず

 野球の国・地域別対抗戦、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の決勝が19日(日本時間20日)、米国・サンフランシスコのAT&Tパークで行われ、ドミニカ共和国が3−0でプエルトリコを破り初優勝した。

 3連覇を狙った日本は準決勝でプエルトリコに1−3で敗れた。

 日本は先発の前田健(広島)が1回、制球が定まらず連続四球を出した後、5番アービレイスに甘いスライダーを中前へ痛打され先制点を許す。7回には能見(阪神)がリオスに2点本塁打を浴び0−3。しかし8回には井端(中日)の適時打で1点を返し、なおも1死一、二塁というチャンスを迎える。バッターは4番阿部。球場のムードも最高潮に達した。

 ここでベンチは重盗のサイン。二塁走者の井端はスタートを切ったがすぐに三塁をあきらめ、二塁ベースに戻ったが、一塁走者の内川が二盗を試み、タッチアウトになり好機を潰した。

 この場面を指揮官は「相手投手のモーションも遅かった。スチールで行ってもいい、というサインだった」と明かしたが、内川は「僕のミスですべてを終わらせてしまった」と涙を浮かべて自らを責めた。

 大リーガー不在の中、国内組だけで戦った今回のWBC。4強という結果に「全員が精いっぱいやったので悔いはない」と主将の阿部は胸を張った。

 日本代表は19日、成田空港着の航空機で帰国。首脳陣と選手代表らが会見し、山本監督は「スタッフと選手、裏方さんまで一つになった戦いができた。すばらしいチームを預からせてもらった」と大会を振り返った。

 プエルトリコとの準決勝で反撃ムードに水を差した重盗失敗については、「100%の成功(確率)が大事な場面だったが、データから『いける』と判断した。悔いはない」と胸を張った。