ニュースの焦点 ボストン・マラソンで連続爆発 米大統領がテロと断定

 マサチューセッツ州の州都ボストンで15日午後2時50分(日本時間16日午前3時50分)ごろ、ボストン・マラソン開催中の市中心部のゴール付近で、2度の大きな爆発があり、3人が死亡、170人以上が負傷した。爆発が起きたのは最初のランナーがゴールした約2時間後で、参加者の多くが走り終えていた。ゴール直前のコースそばの建物前で最初の爆発が起きてから12秒後、約100メートル離れた場所で2回目の爆発が起き、大きな白煙が2カ所で上がった。

 オバマ大統領は同日、記者会見で事件を「憎むべき、卑怯なテロ行為」と非難した。
 米国で大規模テロが発生したのは2001年9月11日の米中枢同時テロ以来。

 16日には米捜査当局が爆発物に圧力鍋が使われた可能性があることを明らかにした。圧力鍋の爆弾は米国内の爆破未遂事件でも準備されたことがある。また国際テロ組織アルカーイダ系がインターネット上で製作方法を公開している。

 圧力鍋の爆弾は2010年、ニューヨーク・タイムズスクエアの爆破未遂事件で、パキスタン移民の男が車内爆弾の一つとして設置。06年にインド、10年にパキスタンなどでも使われたという。

 専門家によると、「アラビア半島のアルカーイダ」(AQAP)は数年前、「母親の台所で爆弾を作るには」と題した記事をネット上に掲載。この中で圧力鍋に殺傷力を高める素材を入れ、可燃材料で満たすよう奨励しており、ボストンで使用された爆弾との類似点もある。

 サイトの責任者は米国籍のテロリスト、アンワル・アウラキ容疑者。個別のテロ組織に属さず、単独で犯行に及ぶテロリスト「ローン・ウルフ(一匹おおかみ)」に大きな影響力があったが、11年9月に米軍の無人機攻撃で殺害された。

 ただ、アルカーイダ系組織は、強力な自動車爆弾のほか、高度な技術の精巧な爆弾を航空機に持ち込むなど、大規模被害を狙ったテロ行為を繰り返しており、そうした手口は今回のテロとは異なっている。