ZST 5・24「GTタッグ決勝」へ向け戸井田が”宇野越え”への思いを語る

 総合格闘技「ZST.45」の一夜明け会見が13日、都内で開催され、前日行われた「第二代GT(グラップリング)タッグ王者決定トーナメント」準決勝で牧野仁史、太田裕之組を破り「ZST.46」(5月24日、東京・ディファ有明)で行われる決勝に進出した戸井田カツヤ、齊藤曜組が登壇した。対戦する宇野薫、植松直哉が欠席したため、会見は戸井田の独壇場となった。

 戸井田は「昨日は非常に厳しい試合でしたが勝利することができた。予定通りといえば予定通りの結果だったのではないかと思う。牧野選手、太田選手とも強くて自分もギリギリまで追い込まれましたが、パートナーの(齊藤)曜が非常にいい戦いを見せてくれた。次は自分の大先輩である宇野さんとやることができる。それに勝ってベルトを巻いて、(トーナメントに参戦した)本当の意味があると思うので、次が本番だと思って、練習して、もっといいパフォーマンスを見せられるようにしたい」と語る。

 ここで2人の間に座る上原譲代表を経由して齊藤にマイクが渡るが、やはり戸井田がマイクを奪い取り「“首を洗って待ってろ”って言ってます」と勝手に代弁。今回のトーナメントの会見で恒例となったパフォーマンスが展開される。

 また質疑応答で、戸井田は準決勝で対戦した牧野、太田について「予想通り防御力が高かった。特に極められる怖さはなかった。防御してカウンターを取るというスタイル。これまで2回対戦しているが非常にやりにくい相手。ただあのスタイルでは勝てない。もっと勝てるようなスタイルに変えていかないと、今回出場したどの選手とやっても厳しいと思う。肌を合わせて実力的には強いということは分かっているだけに、もったいない」と自らジムを持ち、指導者としての顔も持つ戸井田ならではの見方で試合を振り返ったうえで「ギロチンで仕留められなくて大変残念だ」と勝手に齊藤の言葉を代弁する。

 宇野、植松の試合の印象については「素晴らしいセオリー通りの教科書のような試合。特に植松選手の足払いとか投げ技。あのへんが一番会場が沸いたのではないか。やはりすごい。自分も2回戦って2回負けていますが。2人の安定ぶりはすごい。危ないところは一切なかった。最後の(伊藤の)跳び十字は危なかったが、簡単にアキレス腱固めで返すあたりはすごいな、この2人は持っているなと思いました。ただ防御力的には牧野、太田組のほうが高い。攻めてくる分、多少スキがある。バチバチの攻め合いが見られるのではないでしょうか」と語った。

 参戦会見から試合後のマイクアピールと常に宇野を意識したコメントを放つ戸井田だが、一方の宇野はクールな対応に終始し、なかなか乗ってこない。

「ツイッターで話しかけようかなって思っているんですが、多分反応してくれないでしょう。ただ1カ月後には何か言わざるを得ない状況になると思いますよ。実際、リング上で肌を合わせて会話すればいい。それで俺が上回れば(宇野さんも)饒舌になると思います。申し訳ないけど、“宇野薫待ってろよ”と言いたい」

 ここまでの宇野への思い入れについては「向こうが太陽だとすると、俺は月みたいな存在。宇野さんは日の当たるところをずっと走っている。自分は一度現役をやめた身で、道場経営という形で格闘技界を裏から支える立場。そんな太陽と月がまたあいまみえることになった。それがひょっとしたら、自分が太陽になれるんじゃないかなというチャンスがやってきた。まあ、自分の格闘技人生でまさか宇野さんとやれる日が来るというのは思いもしなかったですしね。この不思議な人生。じゃあ俺のほうが持っているんだぜっていうところを見せてやろうかなと思います」と語った。

 またチームメイトの齊藤については「まだ出し切れていない。グラップリングになると固執する部分がある。もっと広い視野を持ってやればいい。こいつの力はこんなもんじゃない。本当の力を出せれば、2人どちらも極める可能性もある。俺より極めが強いということも確信しているので、それを見せてくれればいい」と評価。齊藤が試合の結果を左右するキーパーソンとなりそうだ。

 5月24日の決勝は15分3本勝負で行われる。果たして戸井田組は宇野組を破ることができるのか。もしくは戸井田は宇野から一本取ることができるのか。その場合、試合には負けても宇野越えを果たしたことになるのか…。
 好対照な2チームの戦いは戸井田の“宇野への思い入れ”という不確定要素も相まって、なにやらとても興味深いものになってきている。