悪質タックル問題で連盟が監督らの指示を認定し永久追放

日大アメフット部の処分を発表する関東学生フットボール連盟の森本啓司専務理事・規律委員長(左)と柿澤優二理事長(写真:ワードリーフ/アフロ)
 アメリカンフットボールの日本大学と関西学院大の定期戦で、日大の宮川泰介選手が関西学院大のQBの選手を悪質なタックルで負傷させた問題で、関東学生アメフットボール連盟は5月29日、東京都内で臨時理事会を開き、日大アメフット部の内田正人前監督と井上奨前コーチによる反則行為の指示を認定。2人を除名処分とすることを決定した。除名は永久追放にあたる最も重い処分。

 理事会は内田、井上両氏の処分に加え、森琢ヘッドコーチを資格剥奪処分、宮川選手とチームを2018年度シーズン終了までの公式戦出場停止処分とした。

 ただし宮川選手については再発の危機が払しょくされた場合、チームについては原因究明と再発防止策を策定し、抜本的な組織改革が確認されるなどした場合は処分を解除されるとした。

 同連盟の規律委員会は綿密な調査の上、この結論に至り、内田氏ら指導陣について「指導者失格」と断罪。宮川選手との認識の「乖離」は存在しないと断定した。

 この問題では5月22日に加害選手である宮川選手が氏名を公表し、顔も出したうえで謝罪会見を開き、そこで内田、井上両氏からの指示を明言した。

 対する日大側は同日、広報部が井上氏が「潰せ」と指示したことを認めたうえで、試合前によく使う言葉で「最初のプレーから思い切って当たれ」という意味との見解を示した。そして23日夜に内田、井上両氏が会見を開き、意図的な反則行為の指示を改めて否定し「解釈の違い」と宮川選手の発言を否定する主張を展開した。また会見の司会を務めた日大広報部の米倉久邦氏が一方的に会見を打ち切ろうとしたことも合わせて、日大側の態度に非難が集中した。

 25日には大塚吉兵衛学長が会見を開き、騒動を謝罪したが、試合から3週間近く経過しているのに真相究明の第三者委員会が設置されないなどの対応の遅れに「グラウンドで起きたことは部同士や連盟で解決できるという考えで、対応が遅い形になって申し訳なかった」などと認識の甘さを認めた。また大学として初めて開く会見に田中英寿学長が出席しなかったことにも非難が集まるなど、日大の対応は後手に回るばかりだった。

 24日には日大から関学大へ再回答書を提出したのだが、関学大は26日に会見を開き、鳥内秀晃監督は再回答について「不可解」「疑念」「不自然」などと厳しい言葉を口にし、「(内田氏が)本当の責任をあいまいにしている感じはある」などとし、「解明する気はあるのか」などと話した。そして定期戦の中止も合わせて発表した。

 また31日には内田、井上両氏に対する傷害罪での告訴状が関学大の選手側から出され受理されたことが分かった。宮川選手については被害選手側から寛大な処分を求める嘆願書が提出された。