米アカデミー賞、レディー・ガガも受賞に感涙!フレディ役ラミ・マレックが主演男優賞に輝く

作品賞を獲得した『グリーンブック』のチーム(写真:Getty Images)

 第91回アカデミー賞授賞式が日本時間25日、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターにて行われ、ピーター・ファレリー監督の『グリーンブック』が作品賞を受賞。日本でも大ヒットした『ボヘミアン・ラプソディ』がラミ・マレックの主演男優賞を含む4部門を受賞した。

 日本人監督作が2作品ノミネートされたとあって日本でも注目が集まっていた今年のアカデミー賞。結果は、是枝裕和監督の『万引き家族』がノミネートされていた外国語映画賞はアルフォンソ・キュアロン監督のネットフリックス作品『ROMA/ローマ』が、細田守監督作『未来のミライ』がノミネートされていた長編アニメ映画賞は『スパイダーマン:スパイダーバース』が受賞し、日本勢のオスカー獲得はならなかった。

監督賞、外国語映画賞などに輝いた『ROMA/ローマ』アルフォンソ・キュアロン(写真:Getty Images)

 主要部門では、助演女優賞は『ビール・ストリートの恋人たち』レジーナ・キング、助演男優賞は『グリーンブック』のマハーシャラ・アリが受賞。主演女優賞は『女王陛下のお気に入り』のオリヴィア・コールマンが、主演男優賞は『ボヘミアン・ラプソディ』のラミ・マレックが受賞。監督賞は外国語映画賞も受賞したアルフォンソ・キュアロン監督作『ROMA/ローマ』が受賞した。

 ライブパフォーマンスで会場を沸かせたブラッドリー・クーパーとレディー・ガガの『アリー/スター誕生』は歌曲賞を受賞。登壇したレディー・ガガは「これは努力の成果です。受賞がすべてということじゃなく、あきらめないことが重要なんです。夢を持っているなら戦って。立ち上がった回数と、その勇気こそが大切なのです」と涙ながらにスピーチ。会場から盛大な拍手を浴びた。

『アリー/スター誕生』の劇中曲を生披露したレディー・ガガとブラッドリー・クーパー

 そして『グリーンブック』のヴィゴ・モーテンセン、『アリー/スター誕生』のブラッドリー・クーパー、『永遠の門 ゴッホの見た未来』のウィレム・デフォー、『バイス』のクリスチャン・ベイルという並み居る演技派俳優を退け、みごと主演男優賞に輝いたラミ・マレックは「大きなレガシー、伝説に関わることができました。これは、ゲイで移民で人生を自分らしく生きた人の映画になった。私もエジプト系アメリカ人です。私自身のストーリーがここに描かれていることを光栄に思います」と語り、本作で共演した恋人のルーシー・ボーイントンについて「ルーシーがこの映画の中心でした」とコメントした。

フレディ・マーキュリーが乗り移ったかのような熱演で主演男優賞を受賞したラミ・マレック(写真:Getty Images)

 作品賞を受賞した『グリーンブック』は『メリーに首ったけ』のピーター・ファレリーがメガホンをとり、プロデューサーの家族の実話を描いた感動作。黒人差別が公然と行われていた1960年代に、ヴィゴ・モーテンセンが演じる粗野で無教養なイタリア男の用心棒トニーと、マハーシャラ・アリが演じる天才黒人ピアニストのシャーリーが差別の根強い南部を目指してともに旅をするという物語。ファレリー監督は「違いはあっても私たちは同じ人間なんです」と本作に込めた思いを語り「何よりヴィゴのおかげ」と惜しくも主演男優賞を逃したヴィゴを称えていた。

 第91回アカデミー賞授賞式の様子は本日25日夜9時からと3月3日夜7時から、WOWOWプライムにて放送。

【主な受賞結果】
脚色賞:『ブラック・クランズマン』(スパイク・リー、チャーリー・ワクテル、デイビッド・ラビノウィッツ、ケヴィン・ウィルモット)
脚本賞:『グリーンブック』(ニック・ヴァレロンガ、ブライアン・カリー、ピーター・ファレリー)
歌曲賞:『アリー/スター誕生』「シャロウ ~『アリー/スター誕生』愛のうた」
助演女優賞:レジーナ・キング(『ビール・ストリートの恋人たち』)
助演男優賞:マハーシャラ・アリ(『グリーンブック』)
主演女優賞:オリヴィア・コールマン(『女王陛下のお気に入り』)
主演男優賞:ラミ・マレック(『ボヘミアン・ラプソディ』)
外国語映画賞:『ROMA/ローマ』(監督:アルフォンソ・キュアロン)
監督賞:アルフォンソ・キュアロン(『ROMA/ローマ』)
作品賞:『グリーンブック』(監督:ピーター・ファレリー)