「天地返し」の季節。【黒谷友香の「友香の素」vol.220】

 2月の末に作った、生米麹・生おから・豆乳を使った手作りのお味噌。今は冷暗所に置いて、半年かけてただただ時の流れに身を任せて熟成を待っている状態なのですが、「そういえばあのお味噌ちゃんはどうなったのかな?」とこの間、ふと思い出して2カ月ぶりに様子を見てみたら‥‥。ジップロックに入った状態で置いているのですが、お味噌から「たまり」が染み出していました! 色は薄めの茶色です。去年もお味噌を作ったのですが、その時もたまりが染み出してきて、天地返し(お味噌の上下を混ぜて入れ替える。空気に触れる事で発酵が進みます)をする時に、たまりも一緒に混ぜ込んでなじませました。今回のお味噌作りを教えてくださった麹マイスターの先生からは、「天地返しをして」と言われてはいないのですが、これはどうしたものでしょうかね。去年の米麹と大豆で作ったお味噌から滲み出てきた「たまり」の色は、もうちょっと濃い茶色だった気がしますが、今年のお味噌は生米麹と生おからと豆乳で作っているから、それで色が薄いのかもしれないです。

 ネットで「たまり」と調べてみると、とても貴重なお味噌のエキスらしく、たまりをそのままお刺身や納豆にかけて食べたり、お料理の調味料として使ったりと、とても美味しそうなレシピをたくさん見つけました。半年後にお味噌汁として楽しめるだけではないんですね〜。サプライズプレゼントです。

 今回は材料が大豆ではないので少し味が違うのかもしれませんが、レシピの中でも気になったのは、たまりを大さじ1使ったペペロンチーノや、小さじ2を使ったチャーハン! 美味しそうです〜。でも今溜まっている量は100mlくらいあるかなぁ?っというくらいなので、これは大事に使わなければ。
黒谷友香(くろたにともか)女優。1975年生まれ。高島礼子とW主演の映画『祈り—幻に長崎を想う刻—』が2020年9月全国公開予定。