まとめ買い野菜をムダにしない!中目黒の量り売り専門・八百屋さんに聞いた徹底活用術と心得

「野菜をきちんととりたいけど買い物の回数は減らしたい」、「買った野菜をなるべく日持ちさせたい」…。外出自粛によりこまめな買い物が難しい現在、気づけば野菜不足に陥っている人や、数日分買った野菜を傷ませてしまった人も少なくないのでは。

 買った野菜をムダにしないコツや、そのために必要な心得を、目黒区にある日本で唯一の産直野菜の量り売り専門店「HACARI」を営む片山由隆さん(株式会社yoloz代表取締役)に聞いた。
縦に生える野菜は縦にして保存! 

正しい保存方法で鮮度は変わる


「野菜の状態は保存の仕方でまったく変わってきます」と片山さん。

「一般的なスーパーだとパッケージになっていて、いまの家族構成だと多いような分量で売られていることが多く、少人数家族や一人暮らしだとなかなか消費しきれなかったりしますので、野菜ごとに正しい保存方法を知っておくとよいと思います」

 HACARIの産直野菜は基本的にすべて量り売り。珍しい種類の野菜も多く、お試しで少量買ってみたいという客にも好評だという。青々とした葉を上に木箱に並べられた青物や、生け花のように瓶を器にしたアスパラ、色鮮やかなトマトなど海外のおしゃれなマルシェのようだが、ここにも野菜の鮮度を伸ばす秘密が。

「例えば“縦に生えているものは縦に”して保存する。トマトは基本的に常温でも大丈夫な野菜なんですが冷蔵庫と常温を出し入れすると早く傷みやすい。あとは、バナナの芯にラップをかけて呼吸をさせないようにするとシュガースポットが出にくい、とか。まずはやっぱり、野菜ごとの保存方法を知ることが大切だと思います」

 そのまま冷凍室に入れればいい肉や魚と違って野菜は下処理に手間がかかるものが多いが、在宅時間が増えた今は加工保存を楽しんでみるのもあり。

「すぐ使わない野菜は買ったら早めに冷凍したり加工する。キノコ類などそのまま冷凍できる野菜は買小分けにして冷凍しておく。冷凍以外なら加工して保存、例えばピクルスにするのもいいですね。うちでも販売していますが、キューブ型にしたり丸くしたり野菜を同じ形にカットするとおしゃれに見えるので、プレゼントにもいいですよ。かなり手間はかかりますが(笑)。あと、ちょっとこだわりたいなら珍しい野菜を使うのもおすすめです。今の時期だと、赤ダイコンや紫ダイコンなんて色が鮮やかで、できあがりもすごくきれいです。液にも野菜の色が出るので赤くしたい色の薄い野菜を一緒に使うと、ピンク色に染まってかわいいですよ」

 いわゆる野菜くずなど、捨ててしまいがちな部分も有効活用できれば無駄なく生かせる。

「野菜の出汁、ベジブロスを作ってみては。ニンジンの皮などはミキサーにかけてドレッシングにするのもおすすめです」
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