東海エリアから全国区へ大躍進中のエンタメ集団“ボイメン”リーダーが大胆演技で新境地!

撮影・堀田真央人
 時代から取り残されたような大正建築の遊郭が立ち並ぶ歓楽街。借金を抱え、この地に流れ着いた青年・茂は、その遊郭で一美という美しい遊女と出会い、女の心のケアをする女師として働くことになる。しかし茂は一美と禁断の恋に落ち…。

「これまではグループ活動の内容からも遠くないイメージの役どころが多くて、そういう印象を覆すような役どころを常に求めていました。そんなとき森岡利行監督と出会い、ずっと大切にされてきた舞台を映画化するということでお声がけいただき、僕としてもこれまで演じたことの無い役どころとあって、ぜひ挑戦させていただきたいと思いました。ベッドシーンが注目されがちなんですけど、ご覧になっていただくと作品の根底にある悲しく愛おしい人間模様が心に残ると思います」

 森岡利行監督が演出を手掛けた同名舞台を自ら映画化した本作。どん底の中で悲しくきらめく人間模様を、昭和の古き良き時代を思わせる味わい深い映像で綴る。

「監督にとっては何度も舞台で演出されてきた作品ですから、しっかりした茂の人物像をお持ちなのですが今回、監督は僕の中に生まれた思いを大切にしてくださって、茂をこう演じてほしいといった話はとくにありませんでした。だからこその難しさもありましたが、僕としても僕なりの茂を表現したいという思いもあり、常に集中して茂の過去や思いがにじむよう大切に演じさせていただきました。クランクインする前に森岡監督から、遊郭を描いた昭和の映画を参考として教えていただいたんですが、この作品でも森岡監督は、そういう古き良き時代の作風を見事に感じさせてくれていると思います」

 確かに、令和の時代にはなかなかお目にかかれない味わいのある映画となっている。

「恋愛映画というとキュンキュンする作品が多いですからね(笑)。今って“こんな王子様のようなイケメンと恋をしたい!”みたいな、理想を描く作品が多いけど、以前はもっと、自分もそういうことがあったなと共感したり、寄り添うことができる作品が多かった気がします。僕は今でも、胸キュン系映画を見ることはあまりないですけど…。ボイメンもそこを売りにしていないし…というかむしろ胸キュンは苦手かもしれない(笑)」