デビュー戦で一本負けの太田忍が作戦を遂行できなかった要因を語る【RIZIN.26】

グラウンドの所にローキックを放つ太田。ここからレフェリーがブレイクをかけるタイミングが太田の想定より微妙に違ったことで作戦に狂いが生じた

レフェリーの“スタンドのタイミング”に微妙な感覚のずれ


 フィニッシュ以前にも、所は下になると、そこからの腕十字、三角絞めを仕掛け太田にプレッシャーをかけ続けた。それでも太田はバスターで叩きつけて脱出する場面もあれば、体を離して立ち上がり、グラウンドの所にローを放つなどの対応は見せたのだが、この攻防については「予想はしていたし、三角か腕十字か、それを嫌がってからの足関節は予想していたとおりの攻撃だった」という。

 戦前、太田は「作戦を遂行できたら負ける確率はほぼないと思っている」と語っていたのだが、その作戦については「テイクダウンしたら、危険な体勢にはならない、相手が引きこんできたらしっかり体を起こして、立ってもいいからローを蹴りつつ、行けるときに行く。危険を冒さず、相手の得意な状態に入らせず、なおかつ自分がローなどの打撃を打っていって、判定でもいいから勝つという試合を想定していた」というもの。しかし「僕がアクションをしていればスタンドになると思っていなかった。ずっと試合が流れれば、僕がリズムを作れて、僕に優勢な試合になると思っていた。思ったより(レフェリーの)スタンド(のジャッジ)が早かった。もう少し時間を取ってくれたら僕のリズムでできたかと思うが、全部ここからというときにスタンドがかかってしまったのが、僕の作戦を狂わせたところかと思う。今後はそこを理解した上でやっていかないといけないんじゃないかと思う」といわゆる「猪木アリ状態」になった際にレフェリーがブレイクを命じ、スタンドからの攻防に戻すタイミングが太田が想定していたものと微妙なずれがあったことを明かした。

 そのうえでフィニッシュについては「押さえていたときに、極められるとは思っていなかった。体力的にも余裕があったたし、ポジション的にもそこまで不利な態勢だとは思っていなかったけど、そこからずらされたときからの最後の極めが、すごく速くて、プロフェッショナルだったという感じでした」と改めて所の技術にシャッポを脱いだ。