【インタビュー】DOBERMAN INFINITY |TALK ABOUT NEW SINGLE & LIVE TOUR ーー月刊EXILE

SC_ photography_Ryohei Ambo styling_Yamato Kikuchi(Rising Sun) hair&make_Toshiyasu Oki(CONTINUE), Asuka Togashi(CONTINUE) text_Kana Yoshida edit_Haruna Nakagaki props_BACKGROUNDS FACTORY

6月9日に11thシングル「konomama」をリリースするDOBERMAN INFINITY。何かに全力で立ち向かいながら上手くいかずにもがいているときこそ、人生の主役は自分なんだということを忘れないでほしいという想いと、聴いてくれたリスナーの勇気となれる、心の声のように鳴り響く楽曲を目指し丁寧に描いた、これまでとは少し違うタッチの歌詞で表現された楽曲が完成した。

─「konomama」はどのように制作されたのでしょうか?

KUBO-C(以下KU):ドラマ『泣くな研修医』の主題歌を担当させてもらえるとなったときに、どんな曲にしようかメンバーでいろいろと話し合いました。その結果、僕たちの実体験を盛り込んだものにしようと、5人で歌詞を制作し始めました。

─歌詞作りは順調でしたか?

GS:かなり難航しました。
KU:でも、その分、みんなの意見が一致したときの達成感はすごく大きかったです。なので、制作自体はすごく楽しかったです。

─その瞬間は、すごく一体感がありそうですね。

KU:みんなでホワイトボードに歌詞を書いていくんですが、それぞれが“俺やったらこうやで”というワードをどんどん出し合っていきます。そうしていくうちに、その言葉のなかに、みんなが “これやな!”と思う瞬間があるんですよ。

─具体的にどの歌詞になりますか?

KU:特に印象的だったのが、〈今日も昨日と同じ線の上 理想と現実の平行線〉という歌詞があるんですが、最初は「理想と現実“は”平行線」になっていたんです。“の”“は”で一文字違うだけで聴く側の感覚が全然違います。なので、ここはかなり議論をしました。そういった細やかな違いについても、みんなで突き詰めていきました。
GS:この曲は、改めて応援歌という位置づけで作ったんですが、今までの僕らの応援歌は、“頑張れ”と直接伝えるような歌詞が多くて。でも、今回は、“もうちょっと頑張ってみようかな”と思わせるような言葉選びにしました。それ自体が初めてだったので、すごく新鮮でした。

─確かに、歌詞はすごく聴き手に寄り添ったものになっていますよね。

GS:サビの歌詞を聴いてもらえたらわかると思うんですが、〈このまま主役が報われずに このまま物語が終わるかな〉という歌詞のアプローチは、僕たちがこの曲を作るなかで軸になる言葉になっています。ストレートな応援歌であれば、“このまま頑張れば必ず報われる”となると思うんですが、この曲はそうじゃなく、僕たち自身が、“絶対にこうやれば大丈夫”という保証がないなかで活動をしているからこそ、この言葉が出てきました。

─この言葉を歌詞にすることって、すごく勇気のいることですよね。

GS:メチャクチャに自分が頑張って、頑張って、それでも上手くいかないときの自分をしっかりとイメージし、そういったときにどんな言葉が心に届くのかということはすごく議論しました。その結果、「頑張っているのはわかっているよ、だけど、もっと頑張ろう」ではなくて、「主役が報われずに、このまま物語が終わるかな、時間を止めないでこのまま」というのが、新たな僕たちから送る応援歌の歌詞になりました。頑張っても上手くいかない人、目の前に壁があって乗り越えようと努力をしているけど、越えられない人たちに聴いてもらい、響いてもらえたらうれしいです。

─それは今の皆さんだからこそ、生まれたメッセージだったんですね。

GS:自分たちが重ねた部分はすごく多かったです。僕たちもD6のおかげで夢をひとつずつですが叶えられるよう日々悪戦苦闘しながら、先を目指していくなかで、“ひとつひとつ立ちはだかる壁を越えていくのは簡単じゃないよね”という話し合いにもなりました。それもあって、自分たちがかけられて頑張ることができる言葉にこだわりました。今までの僕たちのなかでの難産の曲といえば、「あの日のキミと今の僕に」だったんですが、それ以来の難産の曲でした。

─その議論を重ねたからこそ、気付いた自分たちの一面もあったのではないでしょうか?

GS:これまでは歌詞を作るうえで、僕はひとつの視点からしか物事を見られていなかった部分があったので、いろんな視点を持ち、歌詞を書いていくということが大事だということに気付きました。より具体的な立ち位置に立って、「自分ならどう言われたいか」「どう言われたら一歩進めるか」という新たな観点で歌詞を制作できたことはすごくいい経験となりました。
KAZUKI(以下KA):実は、この曲はリモートで作詞をすることから始まりました。それもあって、実際にすごく制作時間がかかりました。みんなそれぞれ、こういう曲を作りたい、こういうことを言いたいというのがしっかりとあったからこそ、細かいところでの価値観をすり合わせるのにどうしても時間がかかったんです。

─5人で作詞しているところの大変さですよね。

KA:でも、5人で書いているからこそ、5人が共感した言葉が並ぶので、より共感してくれる人が多いと思います。それはひとりで書きあげるよりも、すごくいい書き方なのかなと思っています。

─P-CHOさんは歌詞の議論でどんなことに気が付きましたか?

P-CHO(以下CH):今までの応援歌は、自分たちの目線で歌詞を書いたり、経験したことを歌ってきたからこそ、自分たちを鼓舞する意味でも“頑張れ”という言葉を使い、みんなの背中を押してきました。でも、この曲はまったくそういった角度ではないところで、リスナーの皆さんの背中を押すという方向性で歌詞を作っていったので、みんなが言っているようにすごくいい経験になりましたし、直接的な言葉を使わずとも、応援歌を作れたというのは、DOBERMAN INFINITYとしてもレベルアップできたのかなと思っています。とはいえ、この曲をちゃんと聴いていただければ、最終的には“絶対にバッドエンドにならずに、自分でハッピーエンドをつかみ取るんだ”という気持ちになってもらえるはずです。

─歌っていても勇気づけられたのではないでしょうか?

CH:そうですね。たとえば、今後僕たちが立ち止まったときや、抜けられないトンネルにハマってしまったときこそ、自分の背中を押してくれるような曲になったと思います。ある種、暑苦しくいわれるよりかは、さらっとこういった曲を耳にしたときに“そうだ”って気付いてもらえると思います。そのあと、自分自身の足で立ち上がれる、そんな曲になった気がします。
SWAY(以下SW):今のコロナ禍になって、楽曲の制作自体もリモートでスタートして、発見もすごく多くありました。これまで5人が直接会えばもっとアイデアを膨らませてやっていけたのに、各自の家でリモートでやらなくちゃいけない状態でした。そうなることで、今のこの状況で日ごろどんなことを考えているのかなと思うと、いつもよりもさらにネガティブになっていると思います。そこでこの「konomama」という楽曲のように、それぞれの状況下で、解決方法を生み出そう、そこに対して頑張ろうと思えるような楽曲作りがこの曲の課題でした。なので、それにふさわしいと思える歌詞を何度も書き直しました。その結果、ようやく5人が納得する、僕らなりの答えを出すことができたのが、うれしかったです。それを皆さんに聴いてもらえると思うと、すごくワクワクしています。

─Music Video(以下MV)はすごく素敵なものになっていましたが、撮影はいかがでしたか?

KU:これまで撮影したMVのなかでいちばんスムーズでした。棒人間のアニメーションがメインになっているんですが、その棒人間の行動を監督がしっかりと指示してくれて、想像力を働かせながら撮影していきました。それがすごく楽しかったです。いいコミュニケーションを取りながら撮影をすることができました。それに、物語もしっかりとつながっていて、個人個人の歌詞の内容とリンクして、すごく伝わるMVになったと思います。

─カップリング曲「Who the KING?」についても教えて下さい。

GS:「Who the KING?」は、沖縄琉球ゴールデンキングスをイメージして作らせてもらったんです。 “誰がキングなんだ”というテーマを念頭に置いて、ラップとラップが熱くぶつかり合うようなイメージで作りました。ラップって意味があるものがほとんどだと思うんですが、僕たちのなかでストーリー関係なく自己主張をするリリックってすごく書きやすくて。この曲に関しては、メンバーそれぞれ“俺が一番でしょ”と最大限に表現できる曲になったので、この2曲だけで陰と陽、プラスとマイナスを表現した対照的な曲になりました。僕たちの根底にある音楽を感じてもらえる一曲になったので、聴いて、燃えるような感情になってもらえたらうれしいです。
KA:結成した当初は、ライヴに向けて曲を作ることが多くて。でも、最近はそういうことが少なかったので、次にライヴをやるためにもこういった曲を作りたかったんです。最近のDOBERMAN INFINITYの曲はメッセージの強い曲が多かったので、久々に昔やっていたような感覚で、おもしろい、楽しい感覚、頭を悩ますというよりも、音を楽しむ感覚で作りました。

─ライヴで盛り上がる曲になりそうですね。

KA:今の音楽の波にも乗れるような曲なので早くライヴがやりたいです。

─今、ライヴのお話も出ましたが、全国のホールツアー『DOBERMAN INFINITY LIVE TOUR 2021 “HERE”』がついに開催されます(取材時は開催前)。どんなライヴになっていますか?

CH:今、絶賛リハーサル中です! 先日、ファンクラブイベント『DOBERMAN INFINITY OFFICIAL FAN CL
UB EVENT “D6 PARTY”〜HERE We Are〜』で久しぶりに皆さんの前でライヴを生でやらせていただきました。今のこの状況だと声を出すことができないので、始まる前まではちょっと不安に感じていたんですが、でも、皆さんの顔を見た瞬間、大丈夫だと思えました。だからこそ、このホールツアーは、皆さんが声を出せない分、自分たちが思いきり騒いで、皆さんが僕らの姿を見てスッキリするようなライヴをしようと試行錯誤しています。
SW:この一年間、オンラインでライヴをやらせていただいていくなかで、通常のライヴセットがあったとしても、目の前にお客さんがいない状況でライヴをしていて、今までにない緊張感や、変な感じがしていました。だからこそ、先日のファンクラブイベントでは、たとえ声が出せなくともD6のみんなやライヴに来てくれる方を目の前にして、改めて皆さんに感謝をしたくなるような時間でした。このコロナ禍だったからこそ生まれた感情もあるので、今改めて同じ場所に集まり、爆音で音楽を鳴らしてライヴができるありがたみを嚙みしめながら、ツアーをひとつひとつ回りたいと思っています。

─今作の2曲はライヴではまた違う光を放ちそうですね。

CH:そう思います。「konomama」は絶対にセットリストから外れない曲だと思っているので、メッセージをグサッとさせる順番で歌いたいなと思っています。
─ツアーを回ることで、さらに歌詞のメッセージも変化していきそうですよね。
SW:5人でひとつというのはもちろん、さらにD6のみんなも含めてひとつということを再確認させてもらったので、これから歌詞を書くたびにしっかりと皆さんの顔が出てくると思います。

─では最後にメッセージをお願いします。

KA:今の日本の状況下では、どうしても上向きの人のほうが少ないと思います。僕たちはこういった期間にアーティスト活動を、音楽を作る仕事をしているので、少しでも聴いた人たちがポジティブになれたらいいなと思っていて。難しいことかもしれないけど、少しでも考え方の角度をちょっと変えてもらえるようなきっかけになったら、こういった曲を作った意味があったなと思えます。ぜひ、この「konomama」を聴いて、元気を出してもらえたらうれしいです。

 

月刊EXILE ( http://www.exilemagazine.jp/ )7月号より

INFORMATION

LIVE information
『DOBERMAN INFINITY LIVE TOUR 2021 “HERE”』

6月16日(水) [静岡]アクトシティ浜松 大ホール
6月27日(日) [神奈川]パシフィコ横浜 国立大ホール
7月4日(日) [福岡]福岡サンパレス
7月22日(木・祝)、23日(金・祝) [東京]LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
7月28日(水) [京都]ロームシアター京都
7月30日(金) [宮城]仙台サンプラザホール
8月1日(日) [群馬]高崎芸術劇場 大劇場
8月27日(金) [大阪]オリックス劇場
9月13日(月) [東京]東京ガーデンシアター

チケット料金/全席指定¥9,350
※6歳以上有料、5歳以下入場不可※政府や自治体等の方針により急遽、開場時間・開演時間が変更になる場合がございますので、予めご了承ください。※都合により興行内容の一部を変更する場合がございます。

詳細はURLよりご確認をお願いします。 https://m.ldh-m.jp/artist/index/302

Single
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最新号のカバーはFANTASTICS from EXILE TRIBE。グループ8枚目となるシングル『STOP FOR NOTHING』をリリースした彼らが楽曲やプロジェクトに対する思いを語る! 松本利夫のほか、6月11日に最新シングル『konomama』をリリースするDOBERMAN INFINITYなどインタビューも満載。EXILE ÜSA 、MAKIDAI、橘ケンチ、TETSUYA、NESMITH、SHOKICHI、世界、佐藤大樹、佐野玲於ら豪華メンバーによる連載も!