【インタビュー】筒井あやめ&秋田汐梨 パルコ・プロデュース『目頭を押さえた』でともに初の舞台主演

秋田汐梨(撮影・蔦野裕)

 横山さんはこの2人がこの役を演じると聞いた時にどう思いました? そもそも乃木坂46って知っていました?

横山「存在は知っていたし、テレビでもよく見ていましたけど、失礼ながら、おじさんになって誰が誰だか分からない感じではありました(笑)」 

 今までのiakuの舞台には上がっていないような女優さん。

「まず、遼と修子という女子高生の役を等身大の女優さん2人が演じてくれることで、説得力のようなものとか瑞々しさといったようなものが役に宿るというか、役に命が吹き込まれるのではないかという期待を持ちました」

 稽古場の雰囲気はどういった感じですか?

横山「演劇の稽古場としては、いつもの小劇場とそんな大きな違いは感じないんですが、梶原善さん、山中崇さん、林翔太さんといった、いろいろな舞台や映画に出演されている方たちがどういうふうに取り組んでいるのか、どういうふうに自分の台詞を言ってくれるのかといったことに、まず個人的な興味がありました。またこれまでiakuに出てくれている俳優と絡んでいたり、初舞台の2人と寺十さんがどういうふうに作品を立ち上げていくのかという、純粋な楽しみを持って稽古を見つめています。そういう意味ではiakuでは体験できないような組み合わせというか、そういう稽古場の雰囲気みたいなものはあると思います」

 パッと見て稽古場が華やかな感じになっているのでは?

横山「もちろんです(笑)。気づいたら2人のことを見ていますね(笑)」

 稽古が始まる前に準備してきたことは何かありますか?

秋田「舞台はどういうものなのか根本的に知らなかったので、実際に舞台を見に行って勉強したりしました。それから、これまでこれだけの量の台詞を覚えたことがなくて、そこに対しての不安が結構あったので、ひたすら台詞を読んで読んで、という感じでした」

筒井「私は演技経験がほとんど無いので、まず演技とはどういうものなのか基本的なことを教わりました。滑舌をよくするためのトレーニングなどもしました」

秋田「私もしました。思い出しました(笑)。ボイトレしました。昔はドラマの現場でも“もうちょっと声出してください”て言われていたくらい声が小さかったんです。今は少しは大きな声を出せるようになったんですが、舞台ってその程度では通用しないじゃないですか。なので、舞台女優をされていた方にレッスンをしてもらって、声の出し方を教えてもらったりもしました」

 ここまでの稽古場で印象に残っていることはありますか?

秋田「私が演じる修子の心情などをみんなで考えるという時間があったことです。これはほかの役についてもなんですが。ドラマなどでは監督と個々で話すことが多いんですけど、今回の稽古では読み合わせの期間に共通認識を持とうということで、みんなで話し合いをしたんですが、これで役に対する理解が深まりました」

 それをやってみてどう思いました?

筒井「自分の頭の中にない意見がどんどん出てくるので “ああ、そういう意見もあるんだな”と思いましたし、驚きもしました。そういう他の人の別の見方を聞くことはすごく楽しいです。それは今後のお仕事の中でも生かされるんじゃないかと思いました」