FANTASTICS 世界がおススメする、この夏読みたいマンガ作品3タイトル!

世界が推す 3冊

1.『アンタイトル・ブルー』 夏目靫子 (講談社)

 

美術系の漫画です。キーワードは「共犯」、ちょっと「恋愛」も入っています。絵のタッチはさわやかなんですが、話の内容は心にグッサリきます。

主人公は絵描きの女の子で、かつては神童と言われていたけど大人になってからは上手くいっていない。その子が海から這い上がって来る男の人を見つけて助けるんですが、その人がめちゃめちゃ天才的な画家! でもその男の人は名声にうんざりしているんです。女の子はいつか絵でリベンジしたいと思っているけれど、なかなか踏み出せないでいる。そこで、その男の人が自分の腕を貸すから彼女に名前を貸してくれと言うんです。そこから2人は絵画界に一石を投じていくんですが、主人公は窮地に立たされることもあったりして……。

自分にそういう経験はないですけど、表現をするものとしては感情移入してしまいます。男女の恋愛っぽい要素もミステリー要素もあります。夏に考えながら読むのがおすすめな作品です。絵もきれいですよ。ちなみに、僕は1巻の帯を書かせていただいています。

 

2.『アオノハコ』 三浦糀 (集英社)

 

週刊少年ジャンプで連載中の作品で、王道な恋愛漫画です。男子とひとつ先輩の女子、ありそうでなさそうな高校生の恋愛漫画です。「部活」も絡んでいます。

ポイントは、いろんなことに“ラスト”というのがかかってくること。これに勝てなかったらインターハイに行けない、とかね。それにうまく恋愛を絡めながら男子が誘導していきます。

恋愛の物語って、同い年とか、男が先輩で女の子が後輩とかが多いイメージですよね。それがね、女の子の一個年上の先輩! 男の子からするともうキュンキュンするんですよ……女の子はどうなんだろう? 学生時代のひとつ先輩とかって大きいですけど、意外と後輩も悪くないって思うと思うんだよな。

セリフがいいんですよ。あと、女の子の先輩の表情がかわいい。男子も可愛らしいですよ。直観的に読んでて面白い、何も考えずにストーリーを読んでいればキュンキュンするはずです。

 

 3.『めがはーと』 横槍メンゴ (小学館)

 

『推しの子』で赤坂アカ先生とタッグを組んでいらっしゃる横槍メンゴ先生の短編集というか、読み切り作品集です。

恋愛漫画ではあるんですが……大切な人に自分の寿命をあげる事ができる世界での話です。大好きな人から寿命をもらうんだけどその人は先に死んじゃう、嫌いだと思っていた人から知らない間に寿命をもらっていたとか……めっちゃ重たいかも!という話でもあるんですが、愛と恋と命とが上手くミックスされています。

大人も、男も女も、どちらでもない人でもぐっと来る作品。感情移入しすぎるとダークな気分になるかもしれないですが、そういう気分になりたい日もあるじゃないですか。

著者:月島総記 発行:角川文庫 704円(税込)
3冊読んだら……『小説 BATTLE OF TOKYO vol.2』もどうぞ!

世界的な大嵐から先端複製技術で奇跡の復興を遂げた都市・超東京に、特殊能力を持つ若者達が現れた。ファイナル・ファクトを狙う怪盗団MAD JESTERS、最強無比の用心棒組織ROWDY SHOGUN、変幻自在のイリュージョン集団Astro9、風狂無頼のハッカーチームJIGGY BOYS。異なる望みを胸にした彼らと一人の少女の運命が絡み合い、動き始める。

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