ストリートピアノ系ユーチューバーが実は気にしていること「順番待ちをしてなくても弾きたい人がいるかも」

撮影・辰根東醐/取材場所協力:メルセデス ミー 羽田エアポート ※感染対策の上、撮影用にセッティングしています

ストリートピアノ系ユーチューバーだからこそ守りたいストピの“流儀”とは

 ストリートピアノはコンディションの違いもさまざま。

「ストリートピアノの設置場所が増えたおかげで、いろいろなピアノ、いろいろな環境を楽しめるようになりました。ここのように最高級のピアノが楽しめる場所があるかと思えば、中には弦が切れてしまっていたり鍵盤が戻ってこなかったりするピアノもあります。でもそれはそれで、ストリート感があるなと逆に楽しんでいますけどね。そもそもが、ピアノを置いてくださることに感謝しかないので」

 ユーチューバーとして多くの人を楽しませつつ、ユーチューブやSNSを活用して、音楽の可能性を広げている。そんな川端さんがストリートピアノ系ユーチューバーとして気を付けていることとは。

「まず、録画するときは機材のセッティングに時間をかけない。皆さんが順番に待っていますし、余計な時間はかけないようにしています。いかにも“ユーチューバーです!”という感じも、極力出さないようにしています(笑)。あとは映り込む方の顔が分からないよう画像処理をするなど、鑑賞してくださる方のプライバシーにも気を付けています。また、場所によって異なるのですが、大抵1~2曲で交代するのがストリートピアノのルール。ただ僕は、誰も待っていなくても、連続で弾かないようにしています。というのも、もしかしたら“誰もずっと弾かないなら、自分が弾いてみようかな”と迷っている人がいるかもしれない。なので、僕だけしかいない時は“弾かない時間”を作るようにしています」

 とはいえ、ピアノ系ユーチューバーや、ものすごく上手な人がいると気後れしてしまう人も多いはず。

「僕は、ストリートピアノはいろいろな人が楽しめるものであってほしいと思っています。プロアマ、音楽経験の有無に関係なく、プロがすごい演奏を披露したり、初めてピアノを触る人が指一本で鍵盤をたたいて楽しむことができる場所であってほしい。だから迷っている人を見るとつい声をかけてしまったりして(笑)。自分が演奏しにきているというより、その場にいる方たちと音楽を共有しにきているのかもしれません。僕にとってストリートピアノの周りに集まっている人は、常連さんも初めて来た人も、音楽をやっている人もやってない人もみんな同じ。それが、ストリートピアノの楽しみ方であってほしいと思っています」

 最後に、おすすめのストリートピアノ鑑賞法を。

「グランドピアノのストリートピアノなら、大屋根が開いている方向の最前列が“スイートスポット”です。この音を気軽に体感できるのもストリートピアノならではなので、ぜひ機会があればその場所で聞いてみてください」
(TOKYO HEADLINE 編集部)