二拠点生活の黒谷友香らが語る「自分らしさとは何か?」初登場の「BEYOND 2020 NEXT FORUM」で

高山氏(中央)は黒谷氏の生き方を「まさにウェルビーイング」と評価

 藤井氏は、自社の社員がよりウェルビーイングな状態で働くための取り組みを紹介した。もちろん、個人でウェルビーイングの定義は違うが、働き方改革といった多くの社員に共通する量的な課題と、エシックス(倫理)やダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(多様性、公平性、包括性)というような人間関係に起因する質的な課題の両面で取り組んでいるという。心理的安全性として最近取り上げられることも多いが、特に人間関係は盲点であり、そこに気を使いすぎる余り、本音を言い出せない、ひいてはウェルビーイングを実現しづらいこともあるという。高山氏は、そういう人が自分の幸せを追求するために自ら行動を起こすのは至難の技であり、「だからこそ会社や国が規制を設けるなどして取り組んでいく必要がある」と応じた。

 今回のウェルビーイングというテーマは、分かりやすく言えば「自分らしくあるにはどうするか」ということを踏まえ、さらに議論が深堀りされた。

 まず、黒谷氏は「自分らしさを社会から決められている側面もある」と指摘。確かに会社員である自分、父親や母親である自分、子である自分など、さまざまな役割を社会の中で担わされていることが自分らしさを奪う原因になっているとしたら、社会を変えなければならない。では、その「社会」とは何か。黒谷氏は「本来一人ひとりが社会であるはずだが、その実感を持てないのが問題」と訴えた。

 藤井氏は、母校の同窓会での体験談を引き合いに出し、「そうしたコミュニティもひとつの社会。そこで感じた違和感を改善するだけでも、より大きな社会を変えるきっかけになる」と述べた。