橋本環奈主演『カラダ探し』は、SS級のB級ホラー映画だった!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

 こんにちは、黒田勇樹です。

 今週末(11月18日)に南阿佐ヶ谷TALKING BOXで行われるトークライブ「VS怪奇芸人VOL.1 黒田勇樹 トークライブ」が迫ってきてます。怪奇芸人の方々に何を聞かれるのか戦々恐々の毎日を送ってます。配信でも見られますので、気になっている方はそちらでもぜひ!

 来年2月にある新作公演のオーディションも引き続き募集中ですので、ご興味のある方は、こちらも( https://stage.corich.jp/bbs/127191 )。

 では今週も始めましょう。

黒田勇樹

 キャッチコピーの時点で「死んでも死んでも、殺される」というおどろおどろしさ。

 最近ではおなじみになってきた“ループもの”と、呼ばれる「同じ日を何度も繰り返す」ジャンルの作品なのですが、ループのルールが「死ぬとその日の朝に戻る」なので、主演の橋本環奈ちゃんが…何回も惨殺されます!!色んな方法で!!!

 ある種の癖の人には、たまらない設定かもしれません。

 高校を舞台にしたホラー作品で、タイトルそのまま「カラダを探せ」と怪物に言われた学生たちが奮闘するストーリーなんですが“ホラーの和洋折衷”が素晴らしい。

 海外のホラーは“見えるモノ”の恐怖をメインに描くことが多くて、刃物や血しぶき、トラックやモンスター。
 対して、日本のホラーは“見えないモノ”、呪いや祟り、村の掟とか何もない空間だったりをメインに描いている印象。

 本作は、その両方、見えるモノと見えないモノを、めちゃくちゃ上手に使い分けて、ひたすら、まるで本当の高校生にしか見えない美少女ハシカンをひどい目にあわせていく、フェティッシュとも言える映像の連続。

 設定は無茶苦茶で「どうせ死んでも時間戻るんだから、抵抗せず素直に死んどけよ」とか「怪物に物理攻撃きくんかーい!」とか「探せって言っといて殺しに来るのどうなん!?」、ツッコミどころはいっぱいあるんですが、途中で「これぞ青春」みたいなシーンが挟まれたりもするので「ま、高校生の知能ならこれでしょうがないか」と思って、ストレスなく観られる。

 だってB級ホラーだから!誤解のないように言いますが「A級」と「B級」は、優劣の話じゃなくて作風の話で、筆者は「おしっこちびっちゃうぐらい怖いのがA」「よくわかんないけど笑いが止まらなくなるのがB」と、大雑把に区別しています。

 制作陣も腹くくって“そういうジャンルの極みを目指そう”と、作ったんじゃないでしょうか。
 B級ジャパニーズホラーの最新作であり大傑作と太鼓判を押せる作品でした。

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黒田勇樹(くろだ・ゆうき)
1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。

公式サイト:黒田運送(株)
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