神田伯山、講談界への貢献度は「絶大」夢は「エロ講談 “大石主税の初夜” 残さないと」

 新宿末廣亭にて21日、講談師・神田伯山の新刊『講談放浪記』(講談社)発売記念記者会見が行われた。2020年に真打に昇進し、六代目神田伯山を襲名した伯山は “今、最もチケットが取れない” 人気講談師。伯山襲名後初の書籍となる『講談放浪記』は、文芸誌「群像」にて2021年~1年間にわたった同名連載を大幅に加筆してまとめたもの。

新刊『講談放浪記』(講談社)と張り扇を手にする神田伯山(撮影:蔦野裕)

 主任興行の終演後に釈台の前に現れた伯山は、報道陣からの多数のフラッシュに「すごい悪いことしたみたいだな」とひと言。芸談を裏テーマに、「講談の舞台を訪ねる」「来るべき講釈場のために」の二部で構成した本書の出版を「いつかこういう本を出さなきゃいけないなと思っていた。そういう意味で有意義というか、出さなきゃいけない本のひとつができたなという感じ」と喜んだ。

 講談を盛り上げるために心がけていることを「私が入門した当時の講談界は今以上にインフラが整っていなくて、入門書もないですし映像や音源などもない、つまり入り口がなかったんです。初心者向けで入り口を広げよう、そのためのインフラを整えたいということをかなり重要視しているので(この本で)またひとつインフラが整ったのかな。講談師の人数を増やす、お客様の人数を増やす作業が全盛期に近づく唯一の方法だと思っている」と伯山。

 自身の講談界への貢献度を問われると「絶大だと思います。とんでもないレベル」と即答し、「それは僕が今、そういう役割をしているだけでうちの師匠(神田松鯉)とか他の兄さん、お姉さん方、後輩たちと一丸となってやっている。その中でたまたまいろんな運や役割が巡ってきて、やらなきゃいけないことを粛々とやっているということ。これは役割の問題なので僕がどうのということはあまり関係なく、人間って役割をちゃんとやらないと業界全体が潤わないので北海道とかに逃げてる場合じゃない」と三代目神田山陽を引き合いにして笑わせた。

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