高校ダンス部日本一に大阪の樟蔭高等学校 タイタニック号に自らの姿を重ねる作品


 高校ダンス部日本一を決定する『avex presents DANCE CLUB CHAMPIONSHIP(第11回 全国高等学校ダンス部選手権 、DCC)』の決勝大会が8月24日に都内で行われ、大阪の樟蔭高等学校が初優勝した。

 DCCは全国の高校ダンス部の頂点を競い合う大会。高校ダンス部を対象にした大会は複数あるが、漢字二文字で表したテーマを2分30秒以内のダンス作品で表現して競うのを特徴としている。

 樟蔭高等学校が本大会のために用意した作品は『鎮魂(タイタニック)』。1912年のタイタニック号沈没事故をモチーフにした壮大な作品で、メンバーが自身の体を使って巨大な船を表現したり、その船が沈み、海に放り出された乗客がもがく姿などをドラマティックかつエモーショナルなダンスで表現、エンディングの時には会場は針を落としても聞こえるのではないかというほど静まり返るも、作品が終了したと分かると客席には拍手の波が広がっていった。 

 他を引き離してトップとなり、その後、強豪校が現れても順位がが入れ替わることはなかった。

 

 部長で高校3年生の野々山あろはさんは「いろんな大会に出場しているんですが、なかなか優勝することができなくて、初めてDCCで優勝することができてうれしいです」と、コメント。

 作品については「(タイタニック号の)自信を持ったものが崩れる、完璧なものが崩れるというところで、去年まで悔いのない結果を残すことができなかった自分たちの姿に重なって、作品に想いを込めて作ることができました」と話した。

 ダンス部を円滑に進めていく秘訣について聞かれると「とにかくみんなが大好きだよって言うのを伝えながらクラブを進めてきた」と、野々山さん。「どの学校の部長さんよりも部員のことが大好きな自信はあります」と笑うと、部員たちも「大好き!」と野々山さんに声をかけた。

 3年生にとっては最後の夏。

「コロナで苦しい思いや辛い思いをしたこともたくさんあったんですけど、こうしてここに全員で立てたのは何にも代えられないいい思い出になりました。すごく濃い3年間になりました」と、充実した笑顔だった。

 準優勝は帝塚山学院高等学校「慟哭(どうこく)」、第3位は日本大学明誠高等学校「雪解(ゆきどけ)」だった。

 今大会には全国から205チームが応募。映像による予選審査会とオンライン予選大会と地方大会を突破したチームと、昨年大会上位3チームのシード校など上位37校が決勝に進んだ。

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