カルロス菊田プロデューサーが考えるK-1世界戦略のカギは「武士道」「ストーリー」「共感性」、そして「K-1のグローバルスポーツ化」【K-1】

ラジオ収録中のカルロス氏

 またこのコンテンツについてもただ売るだけではなく「今のK-1にとって重要なのはメディアパートナーを見つけること。例えば、2000年代前半に、フランスのEURO SPORTSという放送局とディールを結んだが、彼らは格闘技専門番組を作ってくれた。週1の番組でK-1や格闘技のストーリーを伝えて、イベントがある時にはイベントを放送した。ただ単にコンテンツを買ってきて放送するだけではなくて、自分たちとして伝えたいことを作って、その国のビューアーに伝えていくという作業をしてくれるようなメディアパートナーをどういうふうに作っていくかが重要だと思っている」と試合前後のストーリーも合わせて伝えることができるパートナーとの連携を模索。

 この「ストーリー」については「A選手とB選手が四角いリングで戦うには必然が必要。その必然というものは何かというと僕は物語だと思っている。僕たちプロデュースする側が選手の周辺の物語をしっかり拾い上げて、2人の選手が戦う必然をストーリーとしてどうやってお客さんに届けていくのかということが一番重要な仕事」とK-1の魅力を伝えるための肝と位置付けた。

 また、なぜ当時のK-1をEURO SPORTSがコンテンツとしてピックアップしたのかということについては「当時はK-1がグローバルスポーツに近かったからだと思う。もちろん、欧州のスポーツといえば、サッカー、モータースポーツ等、素晴らしいグローバルスポーツがあった。当時のK-1でもそれにはかなわなかったが、EURO SPORTSは“K-1はグローバルスポーツに近づいている”と感じてくれていたのだと思う。これも僕たちの大事な仕事をして実現して行きたい。今度は本当にK-1をグローバルスポーツにしたいと思っている」と語った。