都民ファーストの会・荒木ちはる都議「障がいのある人たちの声なき声と届きにくい声に注目したい」《都議選2025 注目候補に聞く》

 

都議選の争点は「都民の生活」 都民ファは何が変わったのかを問われる

 前回の都議選では、コロナ問題、東京五輪という分かりやすい争点があったが、今回の争点は「都民の生活」だと荒木氏は言う。

「物価高でお米の価格が高騰……コンビニのおにぎりも100円とか110円で買えたものが200円弱になっている。やっぱり物価高騰対策、生活・家計支援というものも1つの争点になると思います」

 そして「都民ファーストの会にとっては誕生してから2期8年を務めてきたので何が変わったのってところを厳しく問われる選挙」だと続けた。具体的に変わったのはどこかと聞くと、いくつものゼロを挙げた。

「まずは待機児童ゼロ! 私が選出されている中野区では、待機児童に加えて、給食費も中野区と東京都で2分の1ずつ持ってゼロ、高校三年生までの医療費もゼロになっています。待機学童もゼロです。都では第一子保育料が9月から無償になります。これまで第一子の0~2 歳の部分だけが唯一お金が発生していた部分でしたが、これで全ての子どもたちにかかるものがゼロになります。そして高校生の授業料の実質無償化。私立中学校の授業料の所得制限なしの一部負担の軽減。赤ちゃんファースト事業や018サポート(都内に在住する0歳から18歳までの子どもを対象に、一人当たり月額5000円を支給)など所得制限をなくして子育て支援をやったことの影響は大きくて……国の児童手当や出産一時金なども動かしました。子育てしやすいとの実感が子育て家庭の9割という結果も」


声なき声と届きにくい声……障がいを抱えている子や家族をフォロー

 そうした実績を踏まえて、荒木議員が取り組みたいのは障がいのある子どもやその保護者の支援だ。

「これまで子育てとか介護とか高齢者にむけた政策に取り組んできましたが、次の4年間でやっていきたいのは声なき声と届きにくい声、障がい児、発達障がい児、重度心身障がい児、医療的ケア児(医療的ケアが日常的に必要な子どもたち)、難病を抱えてらっしゃるお子さんといった、お子さん自身も声があげられない、あげにくい、親御さんはお子さんのケアで余裕がない、そういうところをフォローしていきたいなと思っています」

 障がいある子どもたちの将来にも目を配る。

「特別支援学校を卒業した後の居場所作りをやっていきたいと思っています。卒業すると学校という居場所はなくなりますし、放課後デイサービス(就学中の障がい児に対して、放課後や夏休みなどの長期休業中に、生活能力の向上のための支援、社会との交流の促進その他必要な支援を行うことやその場所)というサービスもパタリと切れてしまいます。大学や専門学校という選択もあるのに、特別支援学校を卒業したら社会に出るしかない。いきなり社会に出て仕事になじめなくて嫌な思いをして家から出られなくなってしまったということだったり、発達がゆったりなお子さんもいらっしゃいますし、もう少し訓練すれば社会になじめたのにという声もいただきます。それで、いま都民ファーストの会で力を入れているのが、18歳以降の障がいのある方の居場所づくり、そして訓練ができる専門学校や施設を作ること。特別支援学校のお子さんたちに卒業後、どんなふうな進路にしたいですかとアンケート調査をおこないます。専門学校や大学みたいなものが欲しいのならば、そういう場所もニーズとしてあるわけだから作っていかなければならないと思っています」