ファーストの会・荒木ちはる氏「土砂降りになる前に傘をさすのが政治の役割」【参議院選挙2022 東京選挙区注目の候補に聞く】

 今回の参院選では地域政党だった都民ファーストの会が国政に打って出る。荒木ちはる代表は都議会議員の職を辞して、「ファーストの会」の候補として東京選挙区に立候補する。荒木氏に都議会議員の目から見た日本の政治の問題点と出馬に至った思いを聞いた。

今回の参院選で東京選挙区に立候補する「ファーストの会」の荒木ちはる氏

「都民ファーストとは何か?」と改めて考えて出馬を決断

 街頭演説で「スピード感のない国を動かさなければ都民の命や暮らしを守れない」とおっしゃっています。やはりこういった理由が国政進出への大きなきっかけに?
「2020年に日本でも新型コロナが流行りだした当時、検査体制が脆弱な中で国はコロナ流行国からの入国制限なども遅れた。緊急事態宣言が出て、東京都では病床がひっ迫した中で、医療従事者や保健所の職員なども過労や倒れる中で、それでもハーシスのような難しいシステムを入れたりした。いわゆるコロナ対策特措法や感染症法がもう少し早く改正されていれば、自治体でももう少し人の命を助けられた。そういうことを何度も要望に行っても対応がなかった。そのような中で当時の菅総理が、 “コロナというのは東京問題だ”との発言。そのようなことが何度もあり、私たちは法律の壁、国の制度の壁、そして東京都政だけにとどまっていることの限界を感じました。2年4カ月の間、国のスピード感のなさ、現場の感覚のなさに振り回されつつも、一体、“都民ファーストとは何か?”と改めて考えた時、やはり私たち地域政党『都民ファーストの会』は都民のことを第一に、都民の命、健康、くらしを第一に考える政党であり、そして都民の悩み、苦しみ、都民の置かれた状況というのは区政、都政、国政と色分けされているわけではないと。コロナのように国で法律を改正してもらわなければ救えない、対応できないものもあります。すべてにおいて決断が遅く、もう少し迅速な対応があれば救えた命があった、経済ももう少し早く再生できた、という思いがありました。国産の新薬やワクチンも2年以上つくれなかった。国民の血税である予算を多額に費やして海外から購入し、その責任は新薬、ワクチンをつくれなかったということだけでなく、Made in Japanを示すこともできなかった、日本が外貨を稼ぐ手段でもあった。それができなかった、責任は大変大きい」

 SNSで「ノープレイ、ノーエラーではいけない! エラーを恐れず政治が果敢に政策を打ち出さなければ!」と。まさにそういうことですね? 現政権はチャレンジする姿勢もなく、圧倒的な数の力に胡坐をかいていると?
「小雨で土砂降りになって慌てて傘をさすのが今の日本の政治です。本来、政治の役割というのは予報を見定めて、雨や嵐が来る時に備えて国民や国内事業者に先に傘を渡しておく、ということだと思います」

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