筧美和子、大切な人との対話で心がけているのは「相手を変えようとしないこと」─今年3月に結婚、初主演映画も公開
映画『オオムタアツシの青春』(9月26日全国公開)で映画初主演を務める俳優・筧美和子。“訳アリ”な主人公を演じた彼女が本作を通して改めて考えた、人との絆を育むための大切なヒントとは。

ー意外にも本作が映画初主演とのことですが、初めて主演だと決まったときのお気持ちはいかがでしたか?
最初は『いのちスケッチ』(2019年)などを手がけた瀬木直貴監督の作品ということを聞いて、どんな役でもご一緒できるならうれしいと思っていました。自分が主演だとは思っていなかった。いざ台本を渡されたときに、主演だったんだと、確かそこで初めて知りました(笑)。これまでも主役か脇役かということは特別に意識することはなかったんですが、プレッシャーというわけではなく作品への一層の責任感というか、しっかり演じられるようにというスイッチは入った気がします。ただ今回はとても心強い共演者の方々がいらっしゃったので、あまり気負うことなく現場に臨むことができました」
洋菓子店をオープンさせる夢を抱いて福岡県大牟田市にやってきたパティシエの亜美(筧美和子)。しかし早々、共同経営するはずの友人に見放され途方に暮れる。そんなある日、下校途中の小学生・日菜子(奥野楓)を助けたことをきっかけに、同じく通りがかりの青年・司(福山翔大)と初老の男性・静男(陣内孝則)と出会い、2人の協力を経て店をオープンさせることになるが…。
「私が演じる亜美をはじめ、登場人物はみんなそれぞれに訳アリなんです(笑)。瀬木監督が自由に演じさせてくださったので、自分なりに解釈を膨らませながら臨みました。特に印象に残っているのは、亜美が“地元で愛されるお菓子を作りたい”と試行錯誤するなか、地元のお饅頭を食べて発見のあるシーン。台本にはそこまで細かく書かれていなかったのですが、亜美が本当に求めていたものに出会えた瞬間、自然に涙があふれてきました。完成した映画の中ではそこまでは映っていないのですが、そのシーンを経た事で私自身も亜美の熱量や生き方を理解できたように感じました」
ーその熱量ゆえに、気づかずに友人の信頼を失ってしまった亜美。筧さんがもし亜美のような人物と出会ったら?
「うーん、難しいですね(笑)。亜美って情熱が先走るというか、人を振り回しがちなところがあるじゃないですか。でも、同時にすごいパワーを持っている人だと思います。物語の中でも、気づけば司くんや静男さんも亜美からパワーをもらっている。私自身も、彼らと一緒に亜美の魅力を知っていった感じです」
『オオムタアツシの青春』9月26日全国公開 ⓒ2025「オオムタアツシの青春」製作委員会