東京2020組織委員会が7月23日、1年後に行われる東京オリンピック2020の開会式の開始時刻の20時に「一年後へ。一歩進む。~+1(プラスワン)メッセージ~TOKYO2020」と名付けられたイベントを開催。1年後のオリンピック・パラリンピックへ向け、大会を目指すすべてのアスリートへのエールと大会を支えるすべての人々への感謝や敬意を世界に向けて発信した。
開会式の舞台となる国立競技場のピッチに立ったのは競泳の2016年リオ五輪代表の池江璃花子(ルネサンス/日本大学)。池江は約4分にも及ぶメッセージを朗読した。
その中でオリンピック・パラリンピックが延期になったことでのアスリートたちの喪失感や、自らの白血病との闘病とそれを支え、今は新型コロナウイルスの感染症とも闘う医療従事者への感謝の気持ちを伝えた。メッセージの中で池江が語った「希望が遠くに輝いているからこそ、どんなにつらくても前を向いて頑張れる」という言葉はプールに戻るためにつらい治療を乗り越えてきた自らの体験を踏まえたもの。これはアスリートに限らず、新型コロナで閉塞感のある市井の人々にも勇気を与えるものだった。そして「1年後の今日、この場所で希望の炎が輝いてほしいと思います」と来年の開催へ夢をはせた。
イベントに先立つ7月17日にはIOC総会で新たな競技日程が承認された。従来計画を基本的にそのままスライドさせた形で、史上最多の33競技339種目が42会場で実施される。暑さ対策のため札幌開催に変更されたマラソン(8月7日女子、同8日男子)と競歩男女3種目については、会場での「ビクトリーブーケ」贈呈に加え、東京・国立競技場で表彰式を実施しメダルが贈られることとなった。男女マラソンの表彰式は8日の閉会式中に行う。
8月3日には東京パラリンピックの新たな競技日程も発表。五輪と同様に従来計画を踏襲。13日間で全22競技539種目が実施される。組織委は「同一会場・同一日程」を前提に調整を進め、延期前の会場を全て使用できることになった。また22競技中18競技は午後10時までに終了させるなど、ファミリー層も観戦しやすいよう配慮されたものとなった。