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WRESTLE-1 グレート・カブキがムタ、TAJIRIを従え大立ち回り!!

2015.05.07 Vol.641

 プロレスリング「WRESTLE-1」の「WRESTLE-1 TOUR 2015 TRIUMPH」が5日 、東京・後楽園ホールで開催された。
 メーンでは前回の後楽園大会で第4代王者となったZERO1の鈴木秀樹が浜亮太を挑戦者に迎え初防衛戦を行い、9分26秒、片エビ固めで勝利を収めた。
 これまでの鈴木の言動に「あんな品格のないチャンピオンを見たのは初めて」と挑戦の名乗りを上げた浜。その浜を挑発するように入場時にベルトを無造作にリングに投げ入れる鈴木。この行為に会場は大ブーイングだ。
 会場の声援を背にゴングからラッシュをかける浜。ぶちかまし、踏みつけ、エルボードロップとその体を武器とした肉弾殺法で鈴木を攻め続ける。カウンターのドロップキックからパウンド、腕十字で反撃する鈴木は得意のダブルアームスークレップスを試みるが、グリップできずにネックブリーカードロップに切り替える。再度ダブルアームスークレップスを狙うが、蘇生した浜はボディーアタック、コーナー下に座り込んだ鈴木にヒップアタック、そしてまさかの投げっぱなしジャーマンまで繰り出し鈴木を追い込む。
 しかし一連の攻撃を耐え抜いた鈴木は浜がフィニッシュに狙ったブレーンバスターを空中で切り返すと、スリーパーホールド。一度はそのまま後ろに倒れ込み脱出した浜だったが、鈴木は延髄斬りから再びスリーパー。落ちかかった浜をフォール。浜が2カウントで返したところにマウントからの強烈なエルボーを叩き込み、3カウントを奪った。
 試合後は、前回大会で鈴木に敗れベルト流出させてしまったKAI、タッグ王者の近藤、なぜか征矢学、そして初代王者の河野真幸がリングに上がり、挑戦をアピール。その様子を冷ややかに眺めていた鈴木は「挑戦者決定戦をやれ」と言い残しリングを去った。果たして次の挑戦者は誰になるのか…。
 セミファイナルでは「WRESTLE-1クルーザーディビジョン初代王者決定トーナメント決勝戦」が行われ、この日の準決勝でエル・イホ・デル・パンテーラを破った田中稔と、大和ヒロシを破ったカズ・ハヤシが対戦。田中が23分53秒、トルネードカッキーカッターからの片エビ固めで勝利を収め初代王者に輝いた。
 序盤、田中はカズの足を、カズは田中の首を狙い一進一退の攻防が続く。しかし徐々にカズが試合を支配し始め、田中には我慢の時間が続いた。カウント2.9でしのぎ続けるなか、会場は大稔コールに包まれる。カズのパワープラントを返した田中は大声援を背に反撃を開始。トップロープからのハーフハッチ、ダイビングフットスタンプ、そしてトルネードカッキーカッターと畳み掛け3カウントを奪った。
 試合後、4本のベルトを誇示する田中にTAJIRIが現れ、たった今取ったばかりのクルーザー級のベルトへの挑戦を表明。しかし田中は「体重制限がある」とやんわり拒否。しかし「(ドイツの)EWPのインターコンチネンタル王座のベルトなら。ラウンド制で」と逆提案した。TAJIRIも承諾。今後はベルトをめぐる2人の攻防が見られそうだ。

WRESTLE-1 武藤がシングルで3年ぶりの敗戦 KAIが第3代王者に

2015.03.09 Vol.638

 プロレスリング「WRESTLE-1」の「WRESTLE-1 TOUR 2015 TRANS MAGIC」が8日、東京・後楽園ホールで開催され、メーンで行われた「WRESTLE-1チャンピオンシップ」で挑戦者のKAIが王者・武藤敬司を破り、第3代王者に就いた。
 2015年に入ってから船木誠勝、河野真幸、田中将斗を立て続けにシングルで破り、ここまでたどりついたKAI。やはり武藤への声援が大きいものの、世代交代を期待するファンからは「KAI勝ってくれ~」という声援も飛ぶ。
 試合は序盤グラウンドの展開が続く。KAIが攻めているように見えてもいつの間にか武藤が好ポジションをキープ。武藤が試合を支配する。この状態を打開すべく、KAIは場外に落ちた武藤にトペを敢行するも、武藤はセコンドを身代わりにして交わすと、KAIは左腕を場外フェンスに痛打。以降、左腕への低空ドロップキック、チキンウィングアームロック、キーロックと手を変え品を変え、武藤の左腕殺しが続く。KAIがなんとかスタンドの展開に戻しても、ドラゴンスクリュー、シャイニングウィザードというおなじみの武藤殺法にはまるだけ。寝ても立っても武藤が試合をリードする。
 しかし時間が経つにつれ、スタミナが切れてきた武藤の動きが鈍ると、KAIはシャイニングウィザードを防御しジャンピングハイキック、トラースキックで反撃を開始。一進一退の攻防に、試合前は武藤コールが多かった会場にも徐々にKAIコールが響き始め、15分過ぎにサンダーファイヤーパワーボム、トップロープからのスプラッシュプランチャを放つと会場は大KAIコールに包まれた。
 武藤もカウンターのフランケンシュタイナー、前後からシャイニングウィザードを連発。そして切り札のムーンサルトプレスも繰り出す。しかし着地の際にヒザを痛打し、すぐにフォールにいけなかったのが響き、3カウントを奪えない。切り札で試合を決めきれずダウンしたままの武藤にKAIはトップロープからのスプラッシュプランチャを3連発。ついに3カウントを奪った。
 試合後、若手の肩を借りながらリングを去る武藤にKAIが「武藤さん、ありがとうございました」と声をかけると、軽く手を挙げ応える武藤。そこにこの日、中之上靖文を秒殺した鈴木秀樹がやってきて対戦を迫り一触即発状態となったが、KAIは「オレは誰からも逃げないし、いつ何時、誰の挑戦も受ける」と宣言。対戦を受諾した。
 KAIはその足でファンとともに会場の1階まで下りて、喜びを分かち合う。そして会見では「このベルトを武藤さんから受け継いだということは責任重大。これから俺たちがWRESTLE−1をスタートさせる。誰とでもどんなスタイルでも、WRESTLE−1を盛り上げるためになんでもやる」と話した。
 一方、シングルマッチでは2012年3月20日の両国国技館での秋山準戦以来、3年ぶりの敗北を喫した武藤は「持久力がなかったというか、ちょっとスタミナが切れた」と試合を振り返り「俺に勝った後のチャンピオンはしんどい。KAIはエースになるべくチケットをゲットしただけ。プロレスの神様はきっと途中下車もさせるだろうし、今からがしんどい」と独特の表現で王者の厳しさを説きつつも「託せるようになってほしい」とエールを送った。自らの今後については「変わらない。でも武藤敬司がおしとやかになると“裏の顔”が出てくる」とグレート・ムタの出現を予言した。

WRESTLE-1 チーム246がタッグ王座V5 KAIはZERO1田中に初勝利

2015.02.16 Vol.636

 プロレスリングWRESTLE-1の「WRESTLE-1 TOUR 2015 WEST SIDE STORY」が13日、東京・後楽園ホールで開催され、メーンで行われた「WRESTLE-1タッグチャンピオンシップ」で王者組のチーム246、カズ・ハヤシ、近藤修司組に田中 稔、吉岡世起組が挑戦。20分24秒、パワープラントからの片エビ固めでカズが田中を破り、5度目の防衛に成功した。
 今回のタイトルマッチは勝敗はもちろん、田中の“覚醒”がひとつのテーマとなっていた。吉岡とのタッグ「Too Sharp」を本格始動して以降、田中は吉岡の“後見役”的な立場となっていた。確かにWRESTLE-1の未来を考えるとそれはそれで必要なことなのだが、王者組からするとそれは物足りない姿に映り、シリーズを通じて田中を挑発してきた。
 試合はタイトルマッチにふさわしいハイレベルの攻防が繰り広げられた。田中も先発を買って出て、カズと細かいレスリングの攻防を展開、終盤には得意の関節技でギブアップ寸前まで追い込んだが、最後はカズのパワープラントの前に沈んだ。
 試合後のリングでカズが「俺たちととんでもない差がついちゃったぞ。これからWRESTLE-1にクルーザーという世界を作りたい。あなたはその輪の中に入れるのか?」と挑発するも田中はマイクを放棄しリングを降りた。カズは会見で「ジュニアじゃない。ほかのベルトより、上でも下でもないクルーザーディヴィジョンを作らないといけない時期」とクルーザー級の新ベルトの設立を訴えた。そして「田中稔がそこに入ってくるかどうかは知らない。でも俺は新日本を辞めて、何もかも捨てて、人生をかけて全日本にやってきた、あのときの田中稔を知っているから」と改めて田中に言及した。
 一方「もう一回カズ・ハヤシとやらせてほしい。どこでもいい。シングルで」と雪辱を誓った田中だったが、14日には22日の大阪府立体育館第二競技場大会でのカズ・ハヤシvs田中稔戦が発表された。

1・30 W-1 武藤がW-1チャンピオンシップ2度目の防衛

2015.02.02 Vol.635

 プロレスリングWRESTLE-1の「WRESTLE-1 SUNRIS TOUR 2015~New Year Fight~」後楽園ホール大会が1月30日開催され、メーンで行われたWRESTLE-1チャンピオンシップで武藤敬司が征矢学を19分34秒、足4の字固めで破り、2度目の防衛を果たした。
 征矢は昨年末の大会で、ベルトを防衛した直後の武藤にリング上で挑戦を表明したものの一言「保留」とばっさり断られ、赤っ恥をかかされた。しかし今年最初の1・11後楽園大会でタッグマッチながら武藤からサソリ固めでギブアップ勝ちを奪い、実力でこの日の挑戦にこぎつけた。
 対戦が決まってからも武藤から「ギミックレスラー」「ただのバカ」とおちょくられる征矢だったが、この日はいつものワイルドボンバー、デスバレーボムといったワイルド殺法に加え、武藤の得意技であるドラゴンスクリューを踏ん張ってしのぎ、そこから三角締めに移行するという作戦で武藤を翻弄。ワイルドにインテリジェンスをトッピングした戦いぶりで再三、王者を追い込んだ。しかしインテリジェンスの戦いになっては武藤のほうが一枚も二枚も上。ならばとばかりに、征矢が前回の対戦でギブアップを奪ったサソリ固めを狙うと回転して変形の4の字固めへ。そしてエプロンの征矢へのドラゴンスクリューで流れを変えると、逆回転のドラゴンスクリューと征矢の上を行く武藤。最後はシャイニングウィザード、セカンドロープからの低空ドロップキック、正調のドラゴンスクリューと畳み掛け、足4の字固め。「選手生命の危機を感じた」という征矢はたまらずギブアップした。
 シャイニングウィザードを何度も防御され、雪崩式フランケンシュタイナーまで繰り出しての勝利に武藤は試合後、「ただのバカと言ったのは訂正する」と征矢を称えた。試合中にスタミナが切れかかる場面もあり「ヒザが悪くて心肺機能を鍛えるトレーニングができない。15年前の武藤敬司を100としたら今は30くらい。ごまかしてプラス40の70でやってる。正直焦りは感じている」と話した。
 この日は次期挑戦者に名乗りを上げる選手が現れなかったことから、次の防衛は「他団体かも。他団体だと遠慮がないから落とす可能性もあるな」と語った。

 セミファイナルでは「WRESTLE-1タッグチャンピオンシップ」が行われ、カズ・ハヤシ、近藤修司組のチーム246がデスペラードのKAZMA SAKAMOTO、土肥孝司組を破り、4度目の防衛を飾った。1・11後楽園大会で防衛後の王者を襲い、ベルト強奪という暴挙を働いたデス軍は「デスペラード式ピラニアマッチ」という特別ルールとサブレフェリーとしてMr.ロバートという謎の外国人の採用をゴリ押し。王者組がその条件を飲んだことから、試合は思いがけない展開に。
 まずはゴング前にメーンレフェリーの神林レフェリーを土肥がラリアットで蹴散らすと、ロバートがゴングを要請。ちゃっかりメーンレフェリーの座についてしまった。実力的には1枚も2枚も上の王者組だが、リング下に落とされては河野、TAJIRIの攻撃を食らう。リング上ではロバートレフェリーの高速カウントや王者組のタッチを認めないという悪徳レフェリングに悩まされ、あわやというところまで追い込まれた。調子づいてリング上にまで乱入してきたデス軍だったが、ここに落とし穴が。TAJIRIの毒霧がロバートレフェリーに誤爆。レフェリー不在の無法地帯となったリングに今度はWRESTLE-1のセコンド陣が堰を切ったように乱入し、河野とTAJIRIを排除すると近藤がキングコングラリアットで土肥をフォール。蘇生した神林レフェリーが3カウントを数え、王者組が勝利を収めた。
 試合後にはこの日、中之上靖文、児玉裕輔組を破った吉岡世起がリングに現れ、田中稔とのコンビで対戦を要求。タッグ戦線は246を中心にめまぐるしく動いている。

WRESTLE-1 チーム246がタッグ王座防衛 武藤はギブアップ負け

2015.01.13 Vol.634

 プロレス団体「WRESTLE-1」の「WRESTLE-1 SUNRISE TOUR 2015 ~New Year Love~」が11日、東京・後楽園ホールで行われた。
 2013年に旗揚げし、昨年2014年はアメリカのプロレス団体TNAとの交流、TAJIRIらWNCからの選手の加入、シングル、タッグ王座の新設と、団体として大きな成長を遂げた一年だった。
 そのシングル王座は11月に行われた自身の30周年記念大会で武藤敬司が初代王者の河野真幸を破り戴冠。昨年12月22日の最終戦で真田聖也を破り初防衛を果たした。タッグ王座は11月に行われたトーナメントを制したカズ・ハヤシと近藤修司の「チーム246」が初代王座に就き、年内にAKIRA、征矢学組、河野真幸、TAJIRI組相手に2度の防衛を果たした。
 ともに団体を引っ張る人気と実力を兼ね備えた王者がベルトを守り、WRESTLE-1はハッピーエンドで2014年を締めくくった…ように見えたが、収まらないのが若い選手たち。
 ハヤシ、近藤組にはWRESTLE-1とWNCからの若手選手のグループ「Novus」のリーダー同士である中之上靖文と児玉裕輔が手を組み、挑戦を表明。武藤には征矢学が挑戦表明した。
 そして迎えた2015年の初戦。メーンではカズ・ハヤシ、近藤修司組vs中之上靖文、児玉裕輔組の「WRESTLE-1タッグチャンピオンシップ」が組まれた。
 昨年の対戦アピール時には会場のファンから「まだ早い」として大きなブーイングを浴びた中之上と児玉は悲壮感さえ漂わせリングへ。しかし開始早々の児玉がハヤシへ見せたドロップキック、コルバタ、トペの連続攻撃でファンの気持ちをがっちりつかむと、中之上も呼応し生き生きとした動きを見せる。途中、王者組の反撃を食らうも、いつものようにずるずると劣勢に回ることはない。圧巻は試合後半、王者組の得意とする巧みなロープワークを駆使したムーブを許しながらも、さらにその上をいく動きで翻弄。あわやフィニッシュという場面まで追い込んだ。最後こそ、中之上が近藤のキングコングラリアットの前に沈んだものの、ブーイングを大歓声に変えた。
 試合後、児玉はリング上で「年末に生意気なこと言ったんですけど、本当は無茶苦茶怖くて…。でも力いっぱい向かいました。強くなって必ず2人を越えたいと思います」とアピール。中之上は会見で「年末に挑戦表明してあれだけのブーイングを受けて、あれからすごいプレッシャーだった。もう耐えられないくらい精神的にもきつかった。でも浜口さんから元気をもらって。でもやっぱり試合前になってもすごい不安で。だけどリングに上がったら児玉くんが“ここまできたら、やってやりましょう”って言ってくれて、すごく楽になった。今日負けてしまったのは本当に申し訳ないし情けない。でも俺たちはここから絶対に上に上がっていく。今日の負けは無駄にしない。2015年はWRESTLE-1の中心になっていく。年末は逆に俺らがチャンピオンで2015年を終わらせます」とコメント。
 結果こそ出せなかったが、大きな自信とファンの声援を得た2人。試合後、デスペラードのKAZMA SAKAMOTOと土肥孝司が乱入し、時期挑戦者に名乗りを上げたタッグ戦線で今後この2人がどれだけの戦いを見せてくれるのか注目だ。

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