小池百合子のMOTTAINAI 熊本地震。スピード感と安心感が必要です。

2016.04.25 Vol.665
 4月14日夜、熊本県熊本地方を震源とする震度7の地震は、28時間後の16日深夜の地震(震度6)を「本震」として、地域に大きな被害をもたらし、今も収束の兆しが見えません。最初の揺れが「前震」前触れに過ぎなかったとは。  亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、「余震」が絶えない中、心細い思いで過ごす被災者の皆様にお見舞いを申し上げます。  被災の現場において、問題は山ほどあります。まずトイレ。ふだんの快適なトイレ生活を送っていると、なおさらです。和式トイレが多い避難場所ではしゃがむのが大変。長蛇の列の仮設トイレでは落ち着かず、肝心の用が足せない。水が流れず、便が積み重なって不快、などなど。結果として、体調を崩す人が続出します。  阪神大震災の際は、トイレ掃除のボランティア部隊が全国から駆け付け、素手で便器を清掃していました。トイレ掃除を社員教育の一貫として実施している某企業が組織していたもので、被災者からは感謝と感動の嵐でした。  こどもの声がうるさいと、近所の賛同が得られず、保育園などが建設を断念するケースが報じられる中、雑魚寝を強いられる避難所では乳幼児を抱えるママたちも苦労します。水の確保が困難な時は粉ミルクが使えず、ますますこどもがぐずり、ママも泣きたくなります。  東日本大震災の時には、水が不要なフィンランドの液体ミルクが大活躍しました。今回も日本とフィンランドの友好議員連盟が中心となって、液体ミルクを送る連携プレーが行われています。  問題は支援物資が全国や世界から寄せられても、必要な場所になかなか届かないこと。阪神大震災でも芦屋の市役所に毛布が山積みのままでした。公平を期することを旨とする行政の動きは鈍くなりがちです。  そこで行政と被災者の間に入る組織が必要です。社会福祉協議会や町会連合会に下部組織を編成、一任できる責任者を決めておくことです。完璧を期すあまり、全体が不利益を被る図式はそろそろやめましょう。  昔は地域を仕切るオヤジがいたのですがね。(自民党衆議院議員)

小池百合子のMOTTAINAI 莫大なCM代も不要。トランプ氏の大胆な広報戦略はすごい。

2016.03.28 Vol.663
 わが国でアメリカ大統領選挙がこれほど関心の的になることがあったでしょうか。モーニングショーから昼の情報系番組、そして夜のニュースと、朝から晩までトランプ候補のオンパレードです。放映時間を広告費に換算すると、何十億、何百億円に相当するでしょう。  アメリカ大統領選挙には莫大なお金がかかるとされます。4年前のオバマ陣営が約20億ドル、ロムニー陣営もその半分程度、9億ドルを投じたといいます。ほとんどの費用はテレビCM代に化けます。候補者の政策を訴えるというよりは、相手候補を徹底的になじるエゲツないCMが多いのが特徴です。候補者本人は紳士淑女ぶりを訴えながらも、CMは本音を晒しだしているのです。  今回、トランプ氏は「メキシコの不法移民阻止のために国境に壁を築く。費用はメキシコもちさ」「イスラム教徒の入国を禁じる」と激烈な言葉を発してはアメリカはもとより、世界のメディアが報じています。結局、トランプ氏は莫大なCM代を払わずに済む。自費で選挙戦を展開している大金持ちのトランプ氏は「莫大な費用を人からかき集めている」と他候補を攻撃し、国民のルサンチマンを晴らしながら大統領選の階段を登りつめようとしているのです。ある意味、天才的といえましょう。  パレスチナ人の友人はトランプ支持者です。中東問題でトランプ氏が「自分は中立」と発言したからだとか。ホワイトハウスはイスラエルのアメリカ支部だと言われるほど、アメリカとイスラエルの関係は極めて密接ですが、このトランプ発言はまさに画期的です。  アメリカ国内のユダヤ系人口700万人を、すでにイスラム人口が上回ったとの説もあります。グローバル企業やメディアでのユダヤ系の影響力もトランプ氏からすれば「So What!」(それがどうかしましたか)なのでしょうか。  同盟国日本としてもこの選挙から目が離せません。(自民党衆議院議員)

小池百合子のMOTTAINAI フランス・エジプト めざましい女性活躍が続いています。日本は?

2016.02.22 Vol.661
 パリ、カイロとまったく社会環境の異なる国で女性政策を巡る会議に参加してきました。どちらにも共通するのは、女性の力を活かすことが社会を豊かに、発展させるという意識です。  ちなみにダボス会議の主催者として有名なWEF(世界経済フォーラム)は毎年、世界各国の女性に関する情勢を比較、分析し、ランキングを発表しています。調査対象は女性の政治参加、教育、健康などの各分野で、フランスは総合評価で世界15位、エジプトは136位、日本は101位となっています。  2月11日、フランスのオランド大統領は内閣改造を実施し、38名の閣僚のちょうど半数、19名の女性大臣を任命しました。まさしく男女同数(パリテ)を達成しています。これは1999年に憲法を改正し、当選者の数が男女同数となるようにすべしとの条項を含む法律(パリテ法)に基づくものです。  企業においても、コペ・ジンメーマン法に基づき、2017年までに、従業員500人以上の上場・非上場企業は40%以上を女性取締役とすることを義務付けています。ちなみに2014年までに女性取締役比率を20%とし、現在でもほぼ30%をクリアしています。  いち早く女性取締役の確保に取り組んだノルウェーでは、40%の女性比率を確保できない企業は上場廃止などの厳しい罰則を設けたといいます。この法律が今日の日本で適用されたならば、経団連の会員企業はすべて上場廃止となるでしょう。この流れは欧州各国に広がっており、企業の評価にもつながるため、各企業は必死です。  パリでの女性会議にはボワタール女性権利担当大臣も出席し、女性の活躍のためには各分野での女性比率を確保するクオータ制の導入が不可欠との基調講演が行われました。  一方、イスラム社会であるエジプトはどうでしょう。「アラブの春」の混乱を経て、世俗派のエルシーシー政権の樹立、憲法制定、議会選挙が行われ、ようやく落ち着きを取り戻しつつあります。昨年10月、11月に行われた代議員選挙では定数596人のうち89人の女性議員が誕生しました。これまでにはなかった現象です。大統領任命による女性議員(14名)を除き、75名は選挙戦を経て勝ち抜いた女性です。2015年のランキングでエジプトは136位でしたが、最新の女性議員比率が反映されれば日本を追い抜いて、より高位を確保することでしょう。  問題は日本。「女性活躍」だ、「女性が輝く社会」だとかけ声ばかりで、実質が伴っていません。当初の目標を断念するなど、アベノミクスの陰りと平仄を合わせるかの動きです。世界の流れと日本への期待を裏切ることなく、本気で取り組むべきです。 (自民党衆議院議員)

本紙コラムニスト小池百合子氏にレジオン・ドヌール勲章

2016.02.20 Vol.661
 本紙コラムニストの小池百合子衆議院議員が9日、フランス大使公邸で行われた叙勲式で、ティエリー・ダナ駐日フランス大使によりレジオン・ドヌール勲章オフィシエに叙された。  カイロ大学社会学科を卒業しアラビア語も堪能で、小池氏といえば中東のイメージがあるが、実は衆議院日仏友好議員連盟副会長を長く務め、フランスへも定期的に訪問するなど、日仏間の友好・発展に大きく寄与してきた。また2013年にはフランスの自動車大手ルノーの社外取締役に就任するなどフランスとの縁は深い。  小池氏は叙勲式で「フランス政府からこのような素晴らしい勲章をいただくということで驚きました。そして喜びました。これ以上の光栄はございません」と挨拶。そして20代で初めてパリに渡った時にすべての地下鉄の駅を踏破したエピソードから、第一次安倍政権でNSC創設の準備をしていたときにパリに渡って、フランスの安全保障を参考にしたことなど、さまざまなフランスとのエピソードを交え、感謝の意を表した。

小池百合子のMOTTAINAI 底の抜けた原油価格の下落は日本には神風。

2016.01.25 Vol.659
 1月も下旬に差し掛かったにもかかわらず、新年会の嵐が続いています。新年会の合間に各所での餅つき。けっこうダイナミックに杵を振り下ろすほうなので、ついに肘を痛めてしまいました。  今年は申年。株式市場では「騒ぐ年」との格言がありますが、新年早々、内外ともに騒がしいですね。  株価急落に始まり、北朝鮮のなんちゃって「水爆」実験、サウジアラビアとイランの二大イスラム国の国交断絶と、騒がしいことこの上ありません。加えて、「解散」の言葉を聞けば、永田町ではすわ夏の参院選と総選挙の同日選かと思うが、SMAPの解散騒ぎだという。こちらは平和な日本の象徴のようです。  19日に発表された2015年の中国の実質GDPが前年比6.9%増にとどまったといいますが、どこまで数字を信頼してよいのかが不明。日本の鉄鋼業界の話では、中国の供給過剰のあおりで世界の鋼材価格が45%ダウン、市況は土砂降りだとのこと。おかげで日韓の鉄鋼業はともに青息吐息です。他の業界も同じで、中国の過剰設備に伴う過剰供給、それに過剰債務の3つの過剰が悪影響を及ぼしています。  今月16日、上海株暴落の最中に予定通り船出した中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)設立の意味があらためて顕著になりました。シルクロードの復活を思わせる中国の壮大な戦略「一帯一路」計画の財政基盤となるAIIBですが、結局のところ、中国の過剰供給物資をさばくためということです。  他に韓国などアジア諸国だけでなく、イギリスやドイツなど計56か国を引き込むなど、なかなかうまい仕組みです。  日米主導ながら、日本の落札率が1%にも満たないというアジア開発銀行(ADB)における控えめな姿勢とは大違いで、AIIBは「中国の、中国による、中国のための」組織となることでしょう。たとえ他の国際金融機関と協調して進めると言っても、です。  中国、中東、難民問題に頭を抱える欧州、そして大統領選に突き進むアメリカ…。世界はまさしく「騒がしい」。  メディアは危機を煽りがちですが、かつてケネディー大統領が「危機は漢字で、“危険”と“機会”の二文字からなる」と演説したように、わが国は外界の嵐を横目に、慌てず、落ち着いて、じっくりと課題に取り組めばよいと思います。底が抜けたような原油価格の下落は資源に恵まれない日本にとって神風ではありませんか。  危機はいつもチャンスと背中合わせです。  今年もどうぞよろしくお願いいたします。 (自民党衆議院議員)

小池百合子のMOTTAINAI 新国立競技場 外観は決まった。次は中身です。

2015.12.28 Vol.657
 ようやく新国立競技場・メーンスタジアムの設計が決まりました。まずは結論が出たことを喜びたいと思います。  日本スポーツ振興センター(JSC)の技術提案等審査委員会による審査の結果、建築家・隈研吾氏による「木と緑」を前面に打ち出したA 案が選ばれたわけですが、工期短縮が可能という点が主な決め手になったようです。ファストフード、ファストファッションならぬファスト建築かと揶揄する人もいますが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに間に合わないなど、あってはならないことです。早期完成にこしたことはありません。  隈案は神宮外苑、広くは神宮の杜との一体感が感じられ、一国民として納得感があります。木材を多用した点も、日本の大切な森林が放置され、息苦しくなっていることを考えると、様々なメッセージを含んでおり、評価したい。今年5月にPFI手法も活用して完成した豊島区の新庁舎も木材を多用した隈研吾氏の作品ですが、区民にも安らぎを感じさせると好評です。  ただし、2年前から日本ウェイトリフティング協会の会長を務めている私としてはいくつかのリクエストがあります。新国立競技場を舞台とすると、舞台で演じる選手が主役のはず。アスリート・ファースト(選手本位)といった重要な観点から、たとえば国際的な陸上競技に不可欠とされるサブトラックや、競技前のウォーミングアップ場ともなる広いジムの確保、あり方などです。旧国立競技場にあったジムは狭いながらもウェイトリフティングの重要な練習場の一つでしたが、現在は選手が放浪している状態です。新競技場ではより広く、充実したジムを確保し、他の競技選手の練習場所としても活用できるようにしてもらいたいものです。  ちなみに東京五輪のウェイトリフティング会場は国際フォーラムとされ、ありがたいことにこれ以上ない舞台が決まっています。重量挙げというくらいですから、重いバーベルの上げ下げで床の補強が必要となります。各地の体育館でも床が脆弱だと、競技や練習ができないことがままあります。つまり、見かけだけではダメなのです。  ウェイトリフティングは柔道とともに五輪の初日に試合が行われます。ロンドン五輪でも、最初に銀メダルを確保し、日の丸を高々と掲げたのは女子48㎏級の三宅宏実さんでした。この銀メダルがはずみとなり、日本選手団に勢いが出たものです。  外観だけでなく、選手本位のコンセプトを充実させ、明確な結果を出す。それこそがレガシー造りの基本となると思います。  (自民党衆議院議員)

小池百合子のMOTTAINAI 文明の転換点か。パリ同時多発テロ。

2015.11.23 Vol.655
 13日の金曜日。パリの夜は血塗られました。  過激派集団ISによる同時多発テロは、オランド大統領も観戦するサッカーの試合が行われていた国立競技場スタッド・ド・フランスをはじめ、劇場やカフェなど計8箇所で起こり、130人もの犠牲者を出しました。パリ在住の友人の同僚も亡くなったと聞いて、他人事には思えません。  世にも恐ろしい事件に世界を震撼させたかと思うと、次はアメリカの首都ワシントンを狙うとISが宣言。本当に厄介な時代に入ったものです。戦争ならば、国際法などを持ち出し、どこかで話し合いの余地があるものの、テロリスト相手に妥協点を見出すのは困難です。ましてや国際法はイスラムの観点ではキリスト教徒たちが勝手に決めたルールと無視し、イスラム法(シャリーア)に従えと主張するでしょうし。  立場を変え、シリア難民からすると、「これで、私たちが毎日恐怖にさらされているのがわかったかね」と言いたいところでしょう。恐怖を逃れて渡ってきたのに、今回のテロをきっかけにますます居場所がなくなり、いったいどうすればよいのかと。  今回のテロからいえることは、抑止力がなく、無防備なところはソフトターゲットとして狙われやすいということ。そんな場所は山のようにあります。まさかすべてのレストランに検査機器を備えるわけにはいきません。こうやって世界中の人々が頭を抱える現状こそが、ISの思うツボです。テロの意味は「恐怖」なのですから。  目下、私が読みつつある小説があります。フランスの小説家ミシェル・ウエルベックによる「服従」という本で、イスラム風刺画を掲載した「シャルリ・エブド」誌の出版社が襲撃された今年1月7日に出版されました。イスラム教徒人口が激増する中で、2022年の大統領選でイスラム政権が誕生するという近未来小説です。イスラム政権の下、女性たちはこれまでのファッショナブルな服装をベールで包み、パリ・ソルボンヌ大学はソルボンヌ・イスラム大学へと改称するというもの。著者の作品はニヒリズムに溢れることで知られますが、ただの小説だと笑い飛ばすにはリアルすぎます。  最近、欧州で生まれる子供の名前で最も多いのはムハンマドだとか。それほどイスラム教徒の人口増は激しく、だから「リアル」なのです。  かたやわが国では少子化による人口減が静かに、そして確実に進行中。こうやって文明は静かに変遷していくのでしょうか。今回のパリでの大規模テロ事件は、後世において文明の転換点として刻まれるのかもしれません。(自民党衆議院議員)

映画『クロスロード』11月28日公開 EXILE・黒木啓司 初主演映画で感謝状!

2015.11.22 Vol.655
 映画『クロスロード』の完成披露試写会が16日、都内にて行われ、本作で映画初主演を果たしたEXILE・黒木啓司が共演の渡辺大、すずきじゅんいち監督らとともに登壇。「日本の青年海外協力隊の活動をもっと多くの人に知ってほしい」と熱く語った。  本作は、黒木と渡辺演じる青年海外協力隊員が、ときに反発しながらも、それぞれが目指すボランティアの道を見出していく成長物語。青年海外協力隊創設50周年を記念して制作された。 「映画初主演でしたが、とにかくスタッフや共演者の方々に助けられて、なんとか務めることができました」と感謝の念をあらわにした黒木。そんな黒木についてすずき監督は「今回が初主演ということだったが、黒木さんの演技が日に日に良くなっていくので撮っていても本当に楽しかった。特に映画の後半部分は黒木さんの魅力に引きつけられるはずです」と称賛。「2人とも二枚目なのに芝居も人間も非常に真面目(笑)」と黒木と渡辺をべた褒めした。  さらにこの日は、小池百合子衆議院議員と、青年海外協力隊員OGで小説家の湊かなえも応援に駆けつけた。突然の豪華なゲスト来場に会場がどよめくなか、小池議員は「実は私、EXILEの大ファンなんです」と告白。トンガに家庭科教師として赴任したという湊も「もし隊員にこんな2人がいたら、もっと楽しかったと思う」と“イケメン隊員”の2人にメロメロ。  笑いを交えながらも「海外で奮闘する日本の協力隊員たちの活動について、もっと多くの人に知ってもらいたい」と黒木。父・ 小池勇二郎氏が青年海外協力隊員発足に携わったことで、協力隊ともゆかりが深い小池議員も「青年海外協力隊では、自分で答えを見つけなければならない。現地の役に立つだけでなく、そういう経験が隊員自身の人生を有意義なものにすると固く信じています」と語った。  この日は青年海外協力隊から、黒木と渡辺に感謝状も贈呈された。

小池百合子のMOTTAINAI TPPは日本経済に喝!を入れるチャンス 

2015.10.26 Vol.653
 TPP・環太平洋パートナーシップ協定がロングラン交渉を経て、ついに大筋合意に至りました。長年、交渉にあたってきた甘利明担当大臣の髪もいつしか真っ白に。まことにご苦労様でした。  2006年のスタート時点ではシンガポール,ニュージーランド,チリ、ブルネイの4か国(P4)という比較的小規模の経済協定という小舟による船出でしたが、2010年3月に米国、豪州、ペルー、ベトナムの8カ国が参加。加えてマレーシア、メキシコ、カナダ、そして日本が交渉に参加したことで一気に大船団へと大化けしました。  その経済規模は、EUを凌ぐ世界の国内総生産(GDP)の4割を占め、世界経済に与える影響は極めて大です。このところ停滞気味の「アベノミクス」ですが、TPPという強力な援軍を得たといえます。太平洋を挟んだ12か国でモノや人材、サービスのやりとりが盛んになり、国際標準作りも期待できます。  少子化で毎年人口が20万人規模の純減で経済のパイが小さくなる一方の日本の国内市場に「喝!」といったところでしょう。TPPを実施するリスクと参加しないリスクを秤にかければ、不参加のリスクは圧倒的に大きいといえます。  牛肉の関税は現在38.5%ですが、TPP発効1年目に27.5%に、その後も段階的に引き下げられ、16年目には9%に。87tの国内供給量のうち、52万tが豪州、米国、ニュージーランドからの輸入ですが、牛丼などの値下がりが期待されるところです。ただし、デフレ対策には逆行し、プラス・マイナスでしょうか。  しかし、日本の酪農家にとっては現時点でプラス材料を見つけることは正直、困難です。生き物相手だけに、手が抜けず、機械化も限度があります。芸術品の域に達している日本の牛肉をマーケティングの徹底などでブランド化し、高付加価値が享受できるよう、しっかり応援したいと思います。  コメも同様です。中国の某指導者の妻が訪日した際、トン単位で日本のコメを爆買いしたと聞きました。世界のすしブームを背景に、「本格的なすしは日本米でないと…」といった常識を作り、海外への販路も確保することです。イタリア料理店で本場のパスタを売りにしているのと同じです。  TPPが実施されようが、されまいが正念場を迎えている日本の農業を大転換するチャンスでもあります。棚田保全など課題もありますが、産業、保水、景観、福祉など分野別の農業政策を強力に進めたいものです。(自民党衆議院議員)

小池百合子のMOTTAINAI 世界をさまようシリア難民。行き先はみえない。

2015.09.28 Vol.

小池百合子氏「見えない公共事業が必要」

2015.09.11 Vol.650
 本紙コラムニストの小池百合子衆議院議員が8日、社会経済学者の松原隆一郎東京大学大学院総合文化研究科教授との共著で上梓した著書『無電柱革命〜街の景観が一新し、安全性が高まる』(PHP新書)の出版記念会を都内で開いた。  かねてから電柱のない海外を巡りながら無電柱化のアイデアを深めていたという小池議員。あいさつでは、阪神大震災時に、電柱が倒れて道がふさがれて救急車や消防車が通行しにくくなったり救援活動を円滑に行うことが困難になった現場を見て、「これからの防災を考えるうえで無電柱化を進めるべきだと考えた」と話した。  現在は自民党無電柱化小委員会の委員長も務め、無電柱化推進法案の「1日も早い成立を目指す」。小池議員は「公共事業は目の敵にされてきましたが、これ(無電柱化)こそは社会資本として残る。美しい街並み、安全な街並みは日本の宝になると思う。見える公共事業ではなくて、見えなくする公共事業というのが日本にとって必要」と、意気込んだ。  同書は、小池議員が長きに渡り取り組んでいる無電柱化について、海外の事例を挙げつつ、コスト面や社会に与える影響などを分かりやすく解説している。 

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