【インタビュー】小野塚勇人「姿かたちが全然違う」映画とドラマ!「ふり幅、楽しんで」 

 平成最後の秋、もっとも気になる俳優のひとりが小野塚勇人(劇団EXILE)だ。『HiGH&LOW』シリーズや『仮面ライダーエグゼイド』の九条貴利矢/仮面ライダーレーザー役で印象を残した彼はこの秋、天狗になって笑わせたかと思えば、酒蔵の息子になって目頭を熱くさせる。「反応が楽しみな感じ」と本人の期待は膨らんでいる。
撮影・仲西マティアス 衣装協力・CALEE INC. ヘアメイク・鵜飼祐輔(TRON)
――まもなく映画『恋のしずく』とドラマ『妖怪!百鬼夜高等学校』の2つの作品が世の中に出ていきます。それぞれ、まったくタイプが違う作品ですね。

そうなんです、姿かたちが全然違う(笑)。そのふり幅を楽しんでもらえればと思っています。見てくれる方の反応を楽しみにしています。

――『恋のしずく』で演じているのは、日本酒の蔵元の息子。「後を継げ」「新しいチャレンジをしたい」と、父親とは顔を合わせれば、ぶつかり合っている。この役を演じてみてどんなことを感じましたか?

この映画で描かれているような跡継ぎ問題って、酒蔵だけじゃなく、どこにでもあると聞きました。今やられている方でも、いざ自分がそういう立場になったときには親父のようにはなるまいと思っていたのにそうなっていた、とか。そのリアルさを表現できたらいいなと思っていました。自分にはそういう体験はないですが、思春期に親に反抗的な態度をとっていた時とかを思い出して、演じながら「ああ、分かるなあ」ってシンパシーを感じました。当時はそれが格好いいんだと思い込んでいたところがあったんですよね。今考えると……ちょっと素直になって話せばいいのにって思いますけど(笑)。それは、(演じた)莞爾にもです。彼はちゃんといろいろ考えていたんだから……。

――父親を演じたのは大杉漣さんでした。

大杉さんには、背中でいろいろ見せていただいたと思っています。ああしろ、こうしろというアドバイスはなくても、ただそこに居るその居方とか、本番が始まったときの“あの”空気感だとか、……言葉で表現しづらいんですけど、本番が始まるとその場を大杉さんの空気感で包み込んでしまうんです。そんな俳優さんに出会ったのは初めてでしたし、鳥肌が立つような感覚でした。俳優ってどこまで行っても答えはないと思うんですけど、自分はこういう俳優になりたい、こういう空気感を出せる素敵な俳優さんになりたいなと思いました。大杉さんとご一緒したことは、かけがえのない経験でしたし、自分の財産になりました。
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