小池百合子のMOTTAINAI 総選挙。隠れた助演賞は「サウジ、中国、そして労組」

 第47回衆院選は自民・公明の与党が計326議席を確保し、衆院で3分の2の勢力を維持する結果となりました。

 私自身、地元(豊島・練馬)や応援に出向いた全国各地で確かな手ごたえを感じながら、目標の「あずさ2号(8時ちょうどの当確)」を達成することができました。


 あえて言えば、相手の姿が見えなかった。政権に挑戦する野党がなかったせいでしょう。


 野党側は安倍総理の奇襲作戦に翻弄されつつも、結果的には民主党が11増、維新で1減。次世代の党や生活の党の分が流れた計算になります。「確かな野党」の共産党が8議席から21議席へと躍進し、不満票の受け皿役となりました。

 今回の総選挙の主役は安倍晋三総理であることは紛れもない事実ですが、他に隠れた三人のバイプレーヤー、助演役が存在しました。


 第一にサウジアラビア王国です。


 選挙直前の11月27日、石油価格を決定づけるOPEC(石油輸出国機構)総会が開かれました。注目された原油の生産調整は調整役不在で見送りとなり、さらに油価は続落。スゥイング・プロデューサー役を務めるべきサウジアラビアが協調減産を実施していたなら、石油価格の上昇に加え、円安で拍車がかかり、特に地方での不満に火がついたことでしょう。なつかしい民主党の「ガソリン値下げ隊」が息を吹き返したかもしれません。中長期的にはアベノミクスへの影響もありますが、ここはサウジアラビア様、シュクラン・ジャジーラン(感謝)。


 第二に中国。サンゴの密漁で小笠原諸島近海にうじゃうじゃと出現した中国船の集団は安全保障や危機管理に疎い民主党への不信感を改めて思い出させてくれました。96年、台湾総統選挙で李登輝勝利を阻止したい中国軍が基隆沖にミサイルを撃ち込み、逆に李氏の地滑り的勝利へと導いた時と同じです。中国様、多謝。


 第三が労働組合です。


 アベノミクスの問題点は賃金上昇が消費税アップや物価上昇に追いついていないことです。本来、賃金アップの交渉にあたるのは労働組合ですが、現在の日本の労働組合の委員長は安倍総理自身です。政権奪還後、安倍総理は経済界に対し「賃金アップ」要請をし、最初に応じたのがコンビニのローソンでした。ローソならぬローソンが春闘の主役だったのです。労組のお株を総理が奪ったかたちです。


 官公労を激しく批判してきた維新の橋下氏と選挙で労組に依存する民主が突如統一候補を担ぐのも無理がありました。


 結果として、安倍総理は「あと4年」の政権運営権を確保しました。毎年のように社長が変わる企業はありません。ここはじっくり日本の国益確保とサステナブルな発展に取り組みたいものです。


(自民党衆議院議員)