インテリア・ファンに大人気の北欧ブランド|知っておきたい名作家具(2) スワンチェアとYチェア

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©flickr/designmilk title:The Swan Chair is coming out in these new colors in the softest nubuck suede.

著者:パップ英子 “FinoMagazin”(フィノマガジン)主宰(編集長)
ハンガリー在住コラムニスト。
食品会社でワインインポーター業務に従事した後、都内の広告代理店に転職。コピーライター、ディレクターとして勤務。百貨店やデパート、航空会社、ベビー・ブランド等のクリエイティブ広告で、インテリア製品のコピーライティング、ディレクション等を数多く手がける。
2013年、夫の国ハンガリーに移住後も育児に奮闘しながら執筆業に邁進。日本の雑誌(出版社)でハンガリー紹介記事(取材・撮影・文)を担当。また、自身とハンガリー人クリエイターとで運営するブダペスト発ウェブメディア“FinoMagazin”でもインテリアを含めたライフスタイル全般コラムを連載。美容メディアにてビューティ・コラム連載、その他、企業のWEBサイトや企画書制作、日本のTV局、広告代理店、メーカーからの依頼でハンガリー現地ロケ・コーディネート等、多岐に渡る業務をこなしている。

自身主宰のハンガリー情報WEBメディア “フィノマガジン”
http://www.finomagazin.com/

インテリア・ファンに大人気の北欧ブランドから、特に知っておきたい名作家具をシリーズでお伝えします。

■北欧家具の代名詞的ブランド『Fritz Hansen』(フリッツ・ハンセン)

 北欧家具の代名詞的ブランドであり、デンマークを代表するインテリア・メーカー『Fritz Hansen』(フリッツ・ハンセン)。

 前回、『Fritz Hansen』のなかから、巨匠アルネ・ヤコブセン(※1)が世に送り出した名作椅子『アリンコチェア』と『セブンチェア』を取り上げましたが、今回もまた、ヤコブセンが生んだ素晴らしいラウンジチェア(※2)についてご紹介したいと思います。

※1アルネ・ヤコブセン…建築家兼デザイナー(1902-1971)
1902年デンマーク・コペンハーゲン生まれ。オックスフォードのセントキャサリンズ・コレッジ、ラディソンのロイヤルホテル、デンマーク銀行など、数多くの建築物を手がける偉大な建築家でありながら、インテリア・デザイナーとしても使い手を第一に考えた名作家具を数多く世に残す。彼が設計した照明や時計なども世界中で広く使用されている。

※ 2ラウンジチェア…ホテルのラウンジにある椅子のように、ゆったりとくつろげる一人掛けのチェアのこと。
曲線のみを採用した革新的な『スワンチェア』
 上の画像は、シェル(※)を覆う布と革の張り地の下に、合成素材とウレタンフォームのパディングが施され、一切、直線を使わず曲線のみでデザインされた『スワンチェア』。

 白鳥をイメージさせることから名づけられたこの椅子は、前回ご紹介したアリンコチェアやセブンチェアと同様に、アルネ・ヤコブセンの名作家具のひとつです。

 ヤコブセンは1958年に、とあるホテルの設計とすべてのデザインを手がけましたが、この椅子はそのホテルのラウンジ用に製作されたものでした。

※ シェル…貝殻や木の実のような形状で、座る人を包み込むようなデザインの椅子のこと。

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