那須川天心が堀口恭司戦を振り返る「1Rが終わって勝てると思った」

ゲストの那須川天心を挟んで髙田氏(左)と横粂氏

「髙田横粂の世相談義」に急きょ生出演
 RIZINの髙田延彦統括本部長と元衆議院議員で弁護士の横粂勝仁氏による「髙田横粂の世相談義」(FRESH!で月曜21時~不定期配信中)に10月22日、那須川天心がゲスト出演した。

 那須川は9月30日に行われた「RIZIN.13」で堀口恭司と対戦。この世紀の一戦とうたわれた一戦で勝利を収めたのは記憶に新しい。

 前回の放送では堀口がゲスト出演し、映像を見ながら試合を振り返ったのだが、この日も同様に試合を振り返った。

 試合では特に大きなダメージはなく、足を打撲したくらいという那須川は「クリーンヒットはそれほどなかった。足を打撲したのは自分が蹴った時。自分の狙い方が悪かった。それは堀口さんのスピードが速かったから」と話す。3Rに胴回転回し蹴りが堀口のこめかみにヒットしたあたりで「堀口選手の目が揺れ始めた。それは分かった?」という髙田氏の問いには「気づいていた。ここしかないなと思った。手応えがあった。ここで行かないと勝てないと思った」などと答えた。

 1Rに堀口のパンチが当たっているのだが「そんなに効いていない。堀口さんは1発目はそんなに強く打ってこない。距離を測るためのパンチ。2発目が怖い。2発目をもらわないように全部ガードしていた」と話し「1Rは互角だったが、ここで勝てると思った。セコンドに戻って、“いける”と言った記憶がある」と早い段階で勝利を確信していたことを明かした。

 2Rのローブローについては「やってしまったな、と思った。1回目はがっつり入ってしまった。堀口さんは重心が低くて動きが速かったので、狙ったところに当たらない。蹴ってしまって申し訳なかった」などと話した。

 秘密兵器として用意していた二段蹴りについては「堀口さんには有効だと思っていたが出せなかった。試合中は忘れていた」と不発に終わった裏側を明かした。

 再戦については「自分はもうやりたくない。こういう世紀の一戦と言われるような試合は客観的に見て、もう一度やるものでもないかと…。自分の中ではそういう感じ」と話した。
これに対して高田氏は「何度もやるものでもないが、時をおいてまた見たいカードではある。これだけみんなの思いを集めることができるカードはなかなかない」と話したうえで「個人的な意見としては那須川天心のMMAがまた見たい。あのヒリヒリ感。キックの試合とは違う緊張感。キック最強の男があえてMMAに挑む心意気みたいなもの。あの空気感を味わいたいしその姿を近い将来見たいというのはある。今回は堀口が“どうせやるなら9月に”と問いかけた。それに答えたのが天心。今度はどっかで天心が、“堀口さん、今度はMMAでやりましょうよ”というセリフが聞きたい。そんな遠い将来じゃ嫌だな。これは僕の独り言だから」とかねてからのMMAでの再戦への期待を改めて口にした。

那須川は次戦の内藤大樹戦についても言及

井上尚弥の1RKO勝利に「嫉妬した」
 この日は随時、視聴者から質問を募集。試合を離れて多くの質問が寄せられた。
 
 その中で那須川は先日、戦慄の1RKO勝ちを見せたボクシングのWBA世界バンタム級王者の井上尚弥については「凄かった。試合を見て嫉妬した。彼は別格。パワーとかフィジカルとか、いまトレーナーとあと3年であれ以上の体にするという目標でやっている」と話した。那須川は堀口戦後の会見で今後についてキックボクシング、総合格闘技、ボクシングとさまざまな方向性について言及していたのだが、この日は「ボクシングをやるとするなら、あそこに挑んでいかないと逃げたというか…強い日本人がいるのになぜやらないのかという感じじゃないですか。今の体重だったら一緒くらいだと思う。向こうがこれからどれくらい大きくなるか分からないが、今の体重だったら合わせられる」と言いつつも「今、やれと言われたら差はものすごくあると思う。そこは自分でも分かっている」とも話した。

 また次に戦い相手としては今年6月に激闘を繰り広げた末に判定勝ちを収めたロッタン・ジットムアンノンをあげる。

「打たれ強さがあった。自分に足りないフィジカルが相当強い。もう一回やってしっかり勝ちたい。やっていてなぜ倒れないんだろうという恐怖心があった。階級を上げて初めて強い選手とやったので、これが階級の差なのかなと思った。ロッタンとは自分からもう1回やりたいと言いたい」と話した。

 那須川の次戦は「RISE.129」(11月17日、東京・両国国技館)でシュートボクシング(SB)の内藤大樹との対戦となっている。2人は2015年に行われた「BLADE FC JAPAN CUP -55kgトーナメント2015」の決勝で対戦し、那須川が1RKOで勝利を収めている。

「内藤選手とは1回戦って勝っているんですが、そのリベンジをするためだけにやってきたような選手。その気持ちはすごくありがたいが、もう二度と戦いたくないなと思わせるような試合をしないといけない」と話した。

「お酒を飲むならこれくらい」と大先輩がお酒の飲み方をアドバイス

髙田氏が「お酒は飲まないほうがいい! 飲むとしたらビールコップ1杯」
 那須川は今年8月で20歳となった。お酒を飲める年齢となったのだが「お酒は飲まない。飲もうとも思わない。(格闘技に)悪い影響もあると思うんですけど、というか、飲まなくてもいいかな…」と興味がない様子。これには数々の酒豪伝説を誇る高田氏が「飲まないほうがいい!悪いお手本がここにあるから(笑)」とこの日一番のアドバイスを送った。

 那須川は最近は食事についての知識を高め、今でこそ計量後の食事などにも気をつけるようになっているのだが、「昔は知識がなくて、計量後にすぐに焼き肉を食べたら次の日に気持ち悪くなって、メチャクチャもたれて、試合前にソルマックを飲んで吐いてから試合をした(笑)」などと過去の失敗談を明かした。

 これに呼応した髙田氏が「何度も言うけど、お酒は飲まないほうがいいからね。もし飲むとしてもビールコップ1杯とか。追い込んで体が疲れている時に本当に半分くらいかな」というと、これをきっかけに

 那須川「え?疲れた時にそれくらい飲むといいんですか?」

 髙田氏「うん。ホントにコップ半分くらいでいいと思うよ」

 那須川「それ飲むとどうなるんですか?」

 髙田氏「よく分かんないけどいいらしいよ。酒は百薬の長っていうから。私の場合はボトルごと飲んじゃっていたから百害あって一利なしっていうやつだった(笑)」

 という謎の会話が展開された。

 そして最後は「格闘技をメジャーにしようと思って人生をかけてやっているので、ぜひ一度試合を見てくれるとうれしいです」と締めくくった。

 同番組は髙田氏と「バイキング」(フジテレビ系)などでコメンテーターを務める横粂氏が「今現在、高田延彦が気になっている時事ネタ」を徹底討論する生ワイドショー番組。次回は11月12日に放送される。

那須川と堀口のサイン入りパネルの抽選では那須川がハガキを選んだ