識者が語るシド・ミードと映画「ブレードランナー」以後の未来像

シド・ミード展実行委員長を務める植田益朗
ミード氏が未来に伝えたいこととは?

 このやり取りを受けて植田氏は「そういう(新しい未来を描くことのできる)若者に出てきてほしい、というのがミードの伝えたいこと。『シド・ミード展』では、彼のテクニックはもちろんですが、絵から出てくるミードの“圧”といったものがすごく感じられる。そういうことを若い人に理屈じゃなく、感じてほしいと思っています」と話した。

『シド・ミード展』では関連イベントとして「フューチャー・デザイン・コンテスト」を開催している。これはミード氏がこれから先の未来に活躍する新しいクリエイターたちの才能を開かせる機会を与えたいという思いから実施されたもので、ミード氏が投げかけた「Vehicle=人が運転をしないであろう未来のすべての乗り物」をテーマに30歳以下の若者からデザインを募集している。

 若林氏は「正直、(SF映画に)陳腐な表現は多いですよ。映画を見ていてケーブルにプシューッとかなるの“もうちょっと考えようぜ”と。ですから」としたうえで「フューチャー・デザイン・コンテストには、ちょっと期待したい。“かっこいい”みたいな話じゃなくて、“もしかして、カタチがないかも”という(未来の乗り物)を、どう表現するか」などと話した。

 清水氏も「映画っていうメディアは基本的に20世紀のメディアだったと思う。スピルバーグがNETFLIXを排除しようとしたりいろいろな動きがある中で、映画という形は残り続けるでしょうが、また新たな、VRみたいなものが出てきている。次々とメディアの形が変わっていく中で、もう一度シド・ミードさんのデザインや携わった映画を見て、なにかそこにヒントを得て、次なるメディアに生かすといった発想の仕方もありなんじゃないかと思う」などと話した。

『シド・ミード展』は5月19日まで開催(https://sydmead.skyfall.me/)。
<<< 1 2 3 4 5