カセットなのにCDリリース マキタスポーツとスージー鈴木「売れるかなあ」


 マキタスポーツとスージー鈴木の音楽好きが過ぎるおじさん2人が、音楽の素晴らしさや楽しさを語る番組『ザ・カセットテープ・ミュージック』。基本的には、80年代の日本のヒット曲を、「ミファミレド」の法則やら、コード進行や楽曲の構成、アレンジの方法などさまざまなアングルから聴いて分析。時にはギターやキーボードを使って、その楽曲がなぜ「いいのか」を解説する。改めて知る楽曲のすばらしさに、おじさんたちは声が大きくなったり、つい涙を流して、エモくなったりもする。

 放送を重ねるほどに番組の評判が広まり、ファンも増えるなかで、ついにCDまでリリース。9日、CD『ザ・カセットテープ・ミュージックCD』をリリースした。CDなのかカセットなのかタイトルはごちゃごちゃだが、2人が選曲した番組初のコンピレーションCD。マキタスポーツは「カセットテープなのにCDを売る。CDというのは古いメディアですからね」と笑う。スージー鈴木も「売れますかねえ」。

 CD2枚組に番組で紹介した全32曲を収録。渡辺美里「My Revolution」、シーナ&ザ・ロケッツ「You May Dream」、渡辺真知子「唇よ、熱く君を語れ」、井上陽水&忌野清志郎「帰れない二人」、 オフコース「Yes-No」など時を超えて愛され続ける楽曲がずらり。付属の特製ブックレットもポイント。「大変リーフレットが充実して読みごたえ十分」とスージー鈴木。番組に登場する『マキタノートができるまで』『スージー鈴木の音楽評論「論」』など書き下ろしの解説、激動の平成史年表、秘蔵写真も収録しており、番組ファンはもちろん、音楽ファン垂涎の一冊になることは間違いなさそう。

 昨年、番組を書籍化した『カセットテープ少年時代 80年代歌謡曲解放区』(KADOKAWA)は脚注までぎっしり情報が詰まっていた。「老眼との戦いもあると思う」と、マキタスポーツ。今回のCD化された『ザ・カセットテープ・ミュージック』も注目を集めそうだ。
「ザ・カセットテープ・ミュージックCD」3980円+税『ザ・カセットテープ・ミュージック』はBS12(トウェルビ)にて毎週日曜夜9時から放送中。