小林直己、海外進出を実現させた行動力「LAの街でプロデューサーがいたら自分から声をかけるんです」

Netflix映画『アースクエイクバード』小林直己 インタビュー【後編】
スザンナ・ジョーンズの傑作小説を、リドリー・スコット製作総指揮のもと、ハリウッドの気鋭監督ウォッシュ・ウェストモアランドが、アカデミー賞女優のアリシア・ヴィキャンデルを主演に迎えて映画化! 本作において、英語による芝居を見事にこなし、物語のカギを握るミステリアスな日本人カメラマン禎司役で存在感を放つ小林直己。海外作品への挑戦を支える情熱と信念に迫る!
撮影・高畠翼
 俳優への道は、これまで主な活躍の舞台としていたダンスという場の延長線上にあったと語る。

「ずっとダンスをやってきて、10年前から芝居も始めましたが、僕にとって芝居はダンスの延長線上にあったものなんです。もともと僕は子供のことから自分のことや自分の中の思いを人に伝えたい気持ちが強かったんですけど、それを言葉にするのはなかなか難しい。だからこそ、通じ合ったときの感覚は例えようもなくて。それでこの仕事を始めたんですけど、俳優としても活動するようになってから、芝居をすればするほど、ダンスとのリンクを感じるようになり、もっと役者として自分を磨いていきたいと思ったんです」

 自分の中に秘めた思い、伝わりづらいけど伝えたいもの。さまざまな思いを表現として昇華してきた。

「言わないから踊ってきたし、芝居にしてきたんだと思います。今回、禎司を演じて昇華された部分もあると思うし、逆にそれが火種としてあるから、こうやって表現を続けていくんだろうとも思う。だれだって人に言えない思いを抱えているものだし、そう考えないとやっていられないでしょう(笑)。みんな過去に何か抱えていて、それを飲み込んだり次のエネルギーにかえて頑張っていこうと思う。とくに僕は、舞台に立って表現することを仕事として選んだのだから、どんな感情とも向き合うことを厭ってはいけないと思うんです」
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