【インタビュー】映画『小説の神様 君としか描けない物語』で見せる、新しい佐藤大樹!


 一也と詩凪、ダメな男子とキラキラ女子という正反対の2人が、小説を通して友情を越えた絆を結んでいく姿に、胸が熱くなること間違いなし。ちなみに、自身の周囲で自分と真逆のタイプの人は?

「FANTASTICSの中でいうと、世界さんかな。性格は僕と真逆だと思います。2年半、一緒に暮らしていたんですが、そのときはオフの日の過ごし方とか生活リズムも真逆でした(笑)。でもそれがグループの中でよいバランスを生んでいる気がします」

 では、佐藤自身の中の、ダメダメ要素とキラキラ要素は?
「僕は洗濯が好きなんですが、洗濯機を回して干すのを忘れることがよくあるんです(笑)。回したことに満足しちゃって、脱水が終わってもずっとそのまま放っておいてしまって…。あ、またやっちゃった、ダメだなあ、と(笑)。キラキラは…してるか分かりませんが、コミュニケーションをとるのが好きということもあり、時間があるときは極力、人と会って食事したり、会話したりするようにしています。そういう楽しい時間は積極的に作るように心がけているので、そこはけっこうキラキラを頑張っているかなと自分でも思います(笑)。人と一緒にいるといろいろな話や考え方を聞けるから、楽しいし、自分にとっても重要なことなんです。子供のころからそうでしたね」

 もし一也がクラスメイトだったら…?

「おそらく僕は友達になっていなかったと思ます(笑)。自分と共通の趣味とか笑いのツボが合う人とはすぐ友達になれるのですが、一也の場合は…たぶんクラスメイトとして、そっと見守っていたでしょうね」

 一方で、高校時代からエンターテインメントの世界に挑んでいた佐藤だけに、高校生作家として奮闘する一也に共感する部分もあったのでは。

「僕も高校時代から芝居やダンスをしていて、平日は高校生として勉強して土日は人前で踊るという生活をしていたので、一也と重なる部分はありました。プレッシャーもすごくありました。バイトも3つやっていましたし、ダンススクールにも行き、部活もやって…寝る間を惜しむ生活でした。制服デートみたいな青春はまったく経験できませんでしたけど(笑)、天秤にかけたとき、今やっていることが絶対に自分の将来に生きてくるということは分かっていたので迷いはなかったし、今もまったく後悔していないです」

 そんな佐藤でも一度だけ、立ち上がれなくなったときがあった。

「GENERATIONS from EXILE TRIBEのバックダンサーとして、全国から選ばれた5人の中に入ることができたんですが、僕以外は子供のころからダンスをやっていたスーパーキッズばかりで、自分だけまったくついていけなかったんです。与えられた環境に対して自分の実力が伴っていないということを肌で実感して。それが嫌で嫌で、なんで受かったんだろうとまで思いました。あのときは、本当にもうやめようと思いました。でもあるとき、一緒にダンサーに選ばれた人が1人、GENERATIONSの正式メンバーに選ばれたんです。それを見て、くやしさと同時に、自分も頑張っていれば報われるんだ!という事を肌で感じ、自分も負けていられない、というやる気が沸いてきた。実際に数年後、彼とは別のオーディションで戦うことになるんですけどね。その人ですか? 中務裕太くんです。本人に直接、このことを言ったことはないですけど(笑)」

 小説家の一也はさまざまな言葉を紡ぐが、パフォーマーにして役者である佐藤も、言葉で伝えることの大切さを日々感じているという。

「作品についての反応はちゃんと知っておきたいので、僕もSNSやネットはよく見ています。よい反応は当然うれしいですし、ネガティブな反応でも、参考できるものは参考にしています。劇中のようにSNSやネットは怖い存在にもなりますが、必要不可欠なものだと思います。だから僕も、自分の言葉でちゃんと発信したいなと思っていて。会員向けのモバイルサイトもあるのですが、そこは月40回以上、更新していますし、その他のSNSともすみわけを意識しています。SNSのなかでも、インスタだったらかっこよく撮れた写真やキマっている写真をアップしたり、ツイッターは情報と、ファンの方が楽しんでくれそうなことをつぶやいたりしています。実は、けっこう文章を書くのは好きな方なんです。ツイッターだと、松本人志さんや立川志らくさんの表現や目線が面白くて好きです。ああいう風に言葉を使えるようになれたらいいなと思います」

 どんな表現をしたいかだけでなく、そんな自分をどう伝えていくか、自分自身をプロデュースする視点もおろそかにしない。

「そういう視点が大事だと思ったのは20歳くらいのときかな。それまで漠然と掲げてきた、EXILEに入るという目標をいざ果たしてみて、じゃあこれからどうしよう、と思いました。何がしたいのかを自分に問いただしたとき、LDHの中だけではく、いろいろな作品に出ていきたいと思ったんです。作品を通していろいろな俳優さんと関わるようになって芝居欲が芽生えてきて、それからビジョンがどんどん開けてきた気がします。今後は、スポ根ものとか探偵もの、『GTO』みたいな学園ものの生徒役とかもやってみたいです。もちろん、パフォーマーとしても新しい自分をもっと見せていきたい。FANTASTICSとしてはバラードを踊ることが多くなっているので、今後はより大人の色気というか、成熟したダンスを見せていけたらいいなと思っています」

 佐藤大樹は、これからも“新しい自分”に挑み続ける。

(TOKYO HEADLINE・秋吉布由子)
©︎2020映画「小説の神様」製作委員会
『小説の神様 君としか描けない物語』
監督:久保茂昭 出演:佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS)、橋本環奈他/1時間46分/HIGH BROW CINEMA配給/10月2日(金)全国公開 
https://movies.shochiku.co.jp/shokami-movie/

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